人工少年は幸福の夢を見る。
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傍らに居る少女は、残っていないはずの記憶を酷く刺激する。
しかしどうしてそう感じてしまうのか、過去になにがあったのか。恐らくはそれを知っているであろうそいつはそれに関してなにも言う気配が無い。だからと言って白紙の記憶の奥底を探っても、そこにあるものは褪せ擦り切れた思い出か、出口など無い深い暗闇か……或いはそれ以外の完全なる無か。
それらのものに似て非なるものが確かに記憶として有るにもかかわらず、それが感覚として上手く読み取れない。記憶のような、思い出のような何かがあるのは解っていても、それは周辺の白色にすっかり溶け込んでいて、水を透かして見たように時折ちらちらと光り、その度に気まぐれに記憶の断片を再生させる。それは覚えのない────しかし忘却したはずの過去には確実にあったであろう場面で、その中にはいつも青色の人影ともうひとつの人影が映り込んでいた。
その人影は……そう、今すぐ隣に居る、この少女に酷似していて、
いや、恐らくはこの少女そのものなのだろう。
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