人工少年は幸福の夢を見る。
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あるとき、目を覚ましたら大事な人が変だった。
変と表すのが良いのか妙と表すのが良いのかは解らないけれど、とにかく目に写るものやデータの反応やら、そういった具体的なもの以外のところで彼に対する違和感を感じている。
わたし自身の勘のような、誰かが「その子は違う」とでも囁きかけているような。
だけど周りのひとたちは何一つ変わらないままで、わたしが二度目の眠りに付く前の時と同じ態度で接してくれた。だからと言うのかな、彼の違和感が際立って感じられてしまっていた。
それともこの違和感はわたしだけが感じているものなのか?とも思う。むしろわたしが変になってしまったのかと不安になってしまうくらい。
同じ姿形と同じ名前、でも言動…思考がズレていると言えば良いのだろうか。
以前の彼なら言わなかったような言葉を聞くときがある。行動もそう、どこか無邪気な子供のように思えてしまうときがある。
それに、彼の身の内に閉じ込めていたあのサイバーエルフはどうしてしまったの?
自分で自分を封じたはずなのに、どうしてまたいつの間にか目覚めて活動しているの?
彼があのユグドラシルに身を収める理由になったあのエルフはそう簡単に引き離せるものでもないだろうに、今の彼はそういったものなんてまるで意に介さないかのよう。
まさか、あのエルフの影響ので彼は本当に可笑しくなってしまっている…なんてことはないのだろうか。それは一番考えたくないことではあるけども、可能性のひとつとしては入れておかなければならないと思う。
そしていつも思うこと。彼はわたしになにか隠していることがあるように感じる。漠然とした違和感の理由がそれなのかは解らないけれど、ただひたすらに不安で悲しい。
わたしはどうすればいいのか解らないまま、彼の隣で途方に暮れる。
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