シティエスケイプ
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「ホント無事で良かったよ~」
「まだ言ってるー。大丈夫だったから良かったじゃない」
ナオトは苦笑しながらアクセルをなだめようと口を開いた。一方のアクセルは頬を膨らませる。その服装も相まって、かなりの子供っぽさがにじみ出ているのだが、本人が気づく様子はない。
「何度も言うよ!ああいう体験はもうこりごりだしー、走らされっぱなしだったしー、しかも休みつぶれちゃったしー」
停車されていた赤青二台のライドチェイサーのうち、赤いほうに勝手に腰掛けながらアクセルはそう言う。そんな二人の目の前を数人のハンターが忙しなく過ぎていった。
犯人であるレプリロイドを無事に護送し、現場の損害状況の確認も全て終了しかけた頃。時刻は夕方に差し掛かろうとしていた。
「まぁ、事後処理作業は手伝わなくても良いって言われたし楽だからまだマシだけどさー」
「それはちょっと同感。でもこれ、代休取れるのかなぁ…」
アクセルの文句に釣られるままにぼやいて、ナオトは軽く溜め息を付いた。
思いがけないことには慣れているつもりのナオトだったが、今日の出来事はいろいろと疲れる展開の連続だった。通りの爆弾魔にまさかの自走追跡、ビル爆破と落下死一歩手前。せっかくのアクセルとのお出かけがこんなことになってしまうとは。
そのうち埋め合わせしないとなぁ、と自身のせいでもないのに脳内でスケジュールを展開していた。
「二人とも!後はもうおれ達で済ませられるから、もう戻っても大丈夫だよ」
声が届いて、ナオトとアクセルは同時に振り返る。クリップボードを片手に持ったエックスがこちらに近づいてきていた。
「ありがとう、お疲れさま。今日は助けてくれてありがとね、エックス」
「いや…良いんだ。怪我がなくて良かったよ」
「エックス超かっこよかったよー!」
ライドチェイサーから飛び降りたアクセルがからかうような眼でエックスを見詰めると、当の本人は少し照れたような表情を作った。ナオトは苦笑して言葉を続ける。
「あれはさすがに死ぬかと思ったよ…本当にありがとう」
「はっ、殺しても死なないようなお前がそこらから墜ちた程度で何言ってやがる」
横から歩み寄ってきたゼロが口を挟んだ。青いアイカメラがすがめられていて、口元にはにやりとした笑みが浮かぶ。完全にからかわれている……それを理解した上でナオトは口を尖らせた。
「ひどー!何それー!」
「まぁまぁ二人とも、」
「だいたい合ってるけどさ、ゼロにだけは言われたくないよねー!ゼロにだけは!」
「アクセルの言う通りですー!ゼロも人のこと言えないよ!」
「お前らな……」
ここで否定できるはずもない前科持ちのゼロである。「殺しても死なない」とはまさに彼に使うべき言葉だろうにと、してやったりな気分でナオトはほくそ笑む。
墓穴を掘る結果になったゼロが微妙な顔になったタイミングを見計らって、エックスが口を開いた。
「ところで……ナオト達はこれからどうするんだ?このままベースまで乗っていっても良いけど…」
「んーと……」
夕刻。半日がまるまる潰されてしまった状況としてはまだ遊んでいたい気分ではある。だが明日もまた仕事である以上、そうゆっくりする時間はあまりないだろう。日を改めるべきか、と思考を巡らせる。
「ね!せっかくだからさー!もうちょっとだけお出かけの続きしよーよ!良いでしょ?」
ばっとナオトの腕に抱きついて、アクセルがにっこり笑う。ちらり、とその緑色のアイカメラがエックスを見た気がした。
「え、アクセルが良いなら…」
「よっしゃ!じゃあデートの続きね!」
「デッ……!?」
即座に聞き捨てならない何かを拾ったような反応をする人物が一名。しかしナオトは気づかない。
一瞬だけ不穏な雰囲気になりかけたエックスを誤魔化すようにゼロが話題をすり替えた。
「あー、ナオト。ついでにエアバスステーション前のケーキ屋でシュークリーム買ってこい」
手土産がわりとでも言いたげな顔をして、何を言い出すかと思えばコレである。ナオトは半ば呆れながら台詞を反芻した。
「な、何いきなり?シュークリーム?」
「期間限定チョコチップとダブルバニラクリームのストロベリーシュークリームベリーソース添え。なかなか美味そうだったからな」
「うわぁ、名前長!甘そう!でも美味しそう!」
「わ、解った…4つ買えばいいの?」
「ああ。じゃ、さっさと行け」
わざわざ手で追い払う仕草を着けながらゼロが言う。
なんなんだ。
突然の急展開に着いていけないままのナオトを置き去りに、アクセルが早く早くと急かす。
「じゃあ二人ともー!後は頑張ってねー!」
「あの、本当にありがとね?お先に失礼します!」
そんな台詞を残して、ナオトとアクセルは街並みの中心部に向かって歩き去っていった。
(あいつ、確信犯か……)
(で、デート…?ま、まさかっ!…ゼロ!ナオトとアクセルがつまりでその、)
(落ち着けエックス。言語中枢のエラーか?……お前が考えてるような展開は無いと思うぞ。たぶんな)
(ななななななに言ってるんだよ!!当たり前じゃないか!!!!!)
(…………本当に何想像してやがったんだお前)
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