オッズアンドエンズ
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[日時]21XX.11.29(THU) 22:39.45
[題名](non title)
[本文]
もしこの文章を誰かが読んでいるとしたら、悪いことは言わないので今のうちにさっさとこのファイルを閉じてください。勝手に人の日記を読まないでね!…あとでパス付けておこう。
さて、本題。
今日の任務の途中でよく解らない体験をした。でも誰にも話しちゃいけないような気がしたから、報告書にも書かなかったし皆にも言わなかった。特にエックスには絶対に言えない。
普段はあまり日記とかそういうのは書かないんだけれど、何て言うか…わたしの中で収集がつかないので、細かいところを忘れてしまう前にここに書いて考えをまとめておく。
なんか文章変だけど気にしない!
ええと、まず今日はイレギュラー殲滅の任務があった。郊外の森林地帯でメカニロイドが多数暴走してるとかそういういつものやつ。他の同僚のハンター達と手分けして逃げてくメカニロイドに苦労しながらひとつずつ潰していった。
任務じたいは特に大変なことも無かった。
それで、森の中をうろうろしながらイレギュラーを探して回ってたとき。
最初は音声のみの通信が入った。だけど発信源不明で誰からなのかが解らなくて、警戒しながら通信回線を開いた。何でなのか解らなかったけど、とにかくノイズが煩くてびっくり。回線の状態が極悪だったみたいで、ノイズやら変な音やらが沢山混ざっていた。でも不思議と途切れることもなくて、そのまま様子をみてた。
そしたら、小さく声が聞こえてきて。驚いて話しかけてみたら、ノイズに混ざってエックスの声がしたんだ。
たしかあの時間帯は別の任務についてたはずだったから、もしかして非常事態の応援要請かと思ったの。
それでまた話しかけてみた。何かあったの?って。そしたら、「助けてくれないか」ってはっきり言ってきたの。もちろん頷いた。そしたら回線の向こうのエックスは何だか震えた声で、「ありがとう」って。何であんなに…言葉に詰まったみたいな、凄く凄く嬉しそうだったのかは解らなかった。いつものことなのに?
それから、エックスは変なことを言った。「今から転送する。そこにおれが居るはずだから、助けてあげてくれ。君もおれもとても驚くと思うけど、どうか落ち着いて対処してほしい」そんなことを言ってきた。どうして助けを求めてるのにそんなに他人事みたいな言い方なんだろうってその時は思った。
遠くでエックスが誰かに指示を出す声がして、転送の光が降ってきた。
それから、なんだか物凄いことが起きたの。
いつもの転送とは全然違う感覚だった。上手く言葉に出来ない…とにかく変な感じ!!
視界が真っ白になったり真っ暗になったりがしばらく続いていたと思う。それから凄い早さで風景みたいな映像が流れていった。目まぐるしかったから途中で目を閉じちゃったけど。
そうこうしているうちに、遠くから音が近づいてきた。叫ぶ声と爆音といろんな銃声。銃声の中に聞き覚えのあるバスターの音があったから、ああ、エックスが居るのかーって思って、着いたらすぐ戦えるようにセイバーを握ったとたん、視界がいきなり開けて空中に投げ出された。身構えてどうにか着地できたから良かったけど。
顔をあげたとき、少し離れた向こう側にエックスが居た。個体識別信号ですぐ解ったし、なによりあの青いシルエットは見間違えようがない。
でもなぜだか沢山のレプリロイドやらメカニロイドやらの残骸の中で、バスターと…セイバーを持ってメカニロイドと戦ってた。
エックスはあちこち損傷してたみたいでしんどそうな表情だったから、声をかける前にエックスとの間に滑り込んで、真っ二つにしたの。それで、危なかったねって声かけながらまたエックスを見た。
その時の顔。
なんと言うか……エックスにあんな眼で見られたのは初めてだった。まるで幽霊を見るみたいと言うか…悲壮感があったというか…なにか幻覚でも見ているような、「こんなことあり得ない」って感じだった。
そんな顔をされてしまったものだから、わたしも我に返った。転送された直後は本当にエックスの顔しか見ていなかったんだけど、改めて見回して混乱した。
……確かに中身は……その顔立ちはエックスで間違いなかったけど、アーマーの形がぜんぜん違っていた。いつもの青色。でも見たこともない細身のアーマー姿だったの。エックスをいつも手助けしてくれるあの博士、あの人が託すアーマーの中にもこんな形のものは無かった。
そして荒れきった土地に転がる残骸。見たこともない型のメカニロイドとレプリロイド。ここは一体どこなのか、現在地情報の取得が出来ない。
わたしたちは少しの間お互いに茫然と見詰め合ってた。
傷だらけのエックスがゆらゆら後ずさって、なにかを呟いたのだけが聞こえてきた。ダーク?エルフ?とかそんな感じの単語が拾えたけど、何のことだか今でも解らない。(何かの名前かな?調べてみたけど手掛かりは無かった。それとなくエックスに聞いてみたけど、知らないみたい)
とりあえず、どうしたの?大丈夫?とかそんなことを聞いた。
そしたらエックスの表情が抜け落ちて、ふらっとよろめいたからびっくりして駆け寄ったの。
それで…ええと、いきなりぎゅうっと……苦しいくらいに強く抱き締められた。いや、恥ずかしくなって逃げようとしたんだけど…それよりもまるでわたしであることを確かめてるみたいだったのが気になった。掠れた声で「幻じゃない」って聞こえてきて、そんなわけないじゃないって言ってやった。あまりに予想外な反応だったから、されるがままになった。
恥ずかしさでいっぱいになってた頭がようやく動いてきたとき、わたしはベースに戻って早く手当てしないとって言った。だって、普通に考えてそっちが優先でしょう?
何か考えているみたいにエックスは無言だった。それで突然「今は何年?」って聞いてきた。普通に、21XX年でしょって言ったら「そういうことか」って何か解ったみたいに囁いてきた。わたしは当然よくわからなくて、聞き返したけど答えてくれなくて。
代わりに「君が来てくれたから、まだもう少し頑張れる」って言っていた。なんだかとても重い言葉で、疲れはててやつれてしまっているような感じがしたの。
でも聞いてもやっぱり何も答えてくれなくて。だから変わりに、わたしもいっしょに手伝うから、戦うからって言った。……エックスは泣きそうな顔でありがとうって言ってきた。あんな表情を見せられて、放っておけるはずがない。でも何も言ってはくれない。どうすればいい?
わたしたちはしばらく無言だった。正直どうすればいいのか解らなかったっていうのもある。
そしたらエックスが突然、「戻らないと」って言い出した。どこに?って言ったわたしをそっと離して、またあの泣きそうな顔で薄く笑って。……でもあれは無理して笑っているのが丸分かりだった。
どうにか何か言おうとしたとき、また転送の光が降ってきたの。タイミング悪すぎるよね。どこから来ているのかもよく判らないその光に向かって文句のひとつでも言いたかったけど、その前にエックスが、気になることを言ってた。「待ってるよ。未来でまた会おう」って。
あとはもう視界があっという間にぼやけて、青色も解らなくなって。最初に転送されたときと似たような風景が流れてった。で、気がついたら、さっきまでイレギュラーを探して回ってた森の中に居たの。
ああ、戻されたんだって解った。
あとはベースから連絡が来て回収されて……ってなったんだけど、…あのエックスに会っている間?ベース内ではわたしの居場所が捕捉できないって騒ぎになっていたらしい。一時的に行方不明状態になっていたみたい。その場に居たハンター達も探してくれて、でも見つからなかったとかで、帰ったらみんなにさんざん心配されてしまった。
……やっぱりあの場所は、普通じゃなかったんだろう。あの場所のエックスは…確かにエックスだけど、わたしが知っている彼ではないように思えた。アーマーが違うとかそういうことじゃない。何て表現すればいいのかわからないけど。
それに、最初に通信で話したエックスは?
彼がわたしをあの場に送ったみたいだけれど、「おれを助けてあげて」って……まるでエックスがふたり居るみたいだ。
それに、最後に言っていた言葉が気になってる。未来で会おうって、あれはどういう意味なんだろう?
ありのままにとらえるなら、あの酷く傷付いた姿が、エックスの未来だって言うこと?
どうしてひとりで戦っていたの?ゼロと、それにわたしは?何をしているの?たまたま居なかっただけ?……ならエックスが持っていたあのセイバー、あれはゼロのものに見えたけど……なんでエックスが持っていたの?
そう考えたら嫌な予感がする。どうしようもない漠然とした不安がある。もしかして、わたしやゼロは居なくなっているのかな?まさか、死んでいる…なんてことは無いよね?仮に……死んでいるんだったらなんで「待ってる」なんて言い方をしたのか。
まるで夢みたいな出来事だったけど、確かに現実だった。夢や幻やらで片付けるにはあまりにも生々しくわからないことだらけ。
誰かに聞くことなんてできない。ましてやエックスに言えない。どうしようもなかったから、とりあえずここに書き留めておく。
どうか、本当にあんな未来になってしまうことがありませんように。
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