Bad Sweets
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「でさ、ナオト」
「はい、何ですか?マリノさん」
「アンタさ、エックスとどの程度の関係なの?」
………………。へ?
わたしはマリノさんの質問の意味とその楽しそうな様子の意味が良くわからなくて、思ったまんまに首を傾げる。眼前のテーブルに三人分置かれたコーヒーがほわほわ湯気を出しているのがなんか間抜けだった。
…………事の始まりは数分前。
任務の合間の休憩時間、わたしがエックスと他愛のない話をしていたとき。マリノさんとナナちゃんが妙に上機嫌な様子で突撃してきて、『話がある!』とベース内のカフェテリアまで連れてこられた。……なんだろうこの不思議な結託ぶり。マリノさんとナナちゃん、それからこの場には居ないシナモンちゃんを加えた三人とは任務中の戦闘でもけっこう息が合うし、オフでよく買い物に出たりもする。男性型レプリロイドの多いイレギュラーハンターに所属しているわたしにしてはなかなかに良好な関係を築けていると思うんだけど…。
などと、真っ昼間で人もまばらなお店の片隅で考える。
「どの程度って、どういう意味なんですか?」
「そのままの意味です!」
「そうそうありのままの意味だよ」
ナナちゃんがニコニコと満面の笑みを浮かべ、マリノさんが静かに手元のコーヒーをすすっている。そして二人のアイカメラに何やら期待の籠った眼差しが乗った。わたしはまた内心で首を傾げる。
「うーん、そうですね、わたしなんかはずっと前から同僚やってますし……」
「ナオトちゃんナオトちゃん!ハンターベースって寮制なんでしょう?どうだったんですか?」
「な、なんかナナちゃん凄く生き生きしてる…。なんか楽しいの?この話」
「そりゃそうですよ、私だって女子ですからね!」
はぁ…。身を乗り出して力説されてしまった。それにしてもなんだか尋問されているかのような勢いだ。と、とりあえずありのままと言われたからありのままを話すことにする。
「えーと、確かに寮あるし…普通に部屋を行き来したりはしてたけど」
「エックスとですか!」
「うん、アクセルとかゼロもね、四人で集まってわいわい騒いだり。よくやるよ」
鍋パしてみたり、アルコールを持ち込んでみたり、お菓子買い込んだゼロが消費するのを手伝えと言って持ってきたり。なんか今更ながらやることがティーンエイジャーみたいだよなぁと苦笑する。
そうそう、この前のバレンタインの時なんか、プレゼントをわざわざ催促しに来たりしてたし。主にゼロとアクセルが。
ちゃっかりしてるというか何というか、図々しいよねぇ。思い出してまた小さく苦笑。
「ええっと…そ、そういう意味じゃなくてですね…」
微妙な顔をしたナナちゃんがコーヒーのカップを取って中身を揺らす。何と言えば良いのか良く解らない、そんな感じだ。
わたしはますます意味が解らなくて何度か瞬きをすると、今まで黙ったまま聞いていたマリノさんがカップを置いた。やたらと芝居がかった動作でやれやれと肩をすくめ、呆れたように笑っている。
「はぁ~、アンタもなっかなかの朴念仁だねえ。見てて面白いけど仕方ない!ここは単刀直入に言おうか」
「はい?」
テーブルに肘を付いて、顔の前で手を組む。にやにや悪戯っぽく笑いかけられた。ナナちゃんが少し緊張した面持ちなのが気になる。
「ナオト、エックスのこと好きなんだろ?」
「はい、好きですよー。ゼロもアクセルも家族みたいな感じで、大好きです!」
これは心の底から言える偽り無い言葉だ。胸を張って言える……いや、張るほどの胸は…無いけど。そう言って見せると、マリノさんが笑ったまま少し表情をひきつらせた。いや、苦笑いとも言えるかも。
「正直な答えで大変よろしいけどね、そうじゃないんだよ。あたし達が言いたいのはさー…つまりー、」
「?」
台詞を区切って、少し考えるような顔をする。隣のナナちゃんが息を飲んだのが解った。な、なんだなんだ。この何とも言えない緊張感は。わたしもなんとなく背筋を伸ばして言葉を待った矢先、
「likeじゃなくてloveの方だよ。好きなんだろ?恋愛的な意味で」
ある種の爆弾が投下された。
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