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3、沈殿するもの

sideジョンデ



最低だ。こんなはずじゃなかった。
何もかも。最低最悪。
イーシンに何が分かるっていうんだ。


あんな風に奪うように唇を這わされて。欲情しかけた愚かな自分。惨めさ。すべてが嫌になった。
問題ないって、そうやってイーシンも、僕の体を跨いでいったバカみたいな奴らのように組み敷くっていうのかよ。僕の体になんて何の価値もないことは、僕自身が一番分かっている。だけど、それをそんな風に簡単には言って欲しくなかった。


愚かな僕は、メールのひとつでむしゃくしゃしたこの気持ちを鎮めるための奴なんて簡単に呼び出せるんだ。心の穴を埋めるように、体の穴を埋めてきた。どうしようもない気持ちを、快楽で誤魔化してきた。


──いつものホテルで。じゃあ、待ってるね。


そうやって今日も呼び出せば、あっという間に相手は見つかった。


家には帰らず、そのままいつもの使い馴れたホテルを目指す。


『ヒョンも来ればよかったのに』

既読のついたきり、返事の来ないトークルーム。あの写真を見て、あの人を見て、ヒョンはどう思ったんだろう。行けばよかったって思った?僕の誘い文句なんて、やっぱり意味がなかったんだ。



いつの間にか日は沈んでいて、僕のこの心を隠すように雲が月を隠していた。

名前くらいしか知らない奴と、今夜も体を重ねる。快楽の波は、ひと時だろうと何もかもを忘れさせてくれた。イーシンのこともミンソギヒョンのことも。何もかも。



そうして、チャニョルとベッキョンが僕の大学を訪ねてきたのは、次の日のことだった。






続く
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