〇〇とチェン
180705 PARADOX CBX
【C】
「じゃあね~」
「おー」
ガチャン、と音をたててベッキョンのボロアパートのドアを閉める。外に出るとさすがに夜はまだ冷えるみたいだ。
僕は黄色のオーバーサイズのパーカーの襟元をギュッと掴んで、錆び付いた急勾配の外階段を駆け下りた。カンカンカンと小気味よい音がする。この音はベッキョンみたいで気に入っている。
乗り込んだ最終電車に揺られながら、僕とベッキョンの関係性について考えてみた。考えて、今さらだな、と可笑しくてつい笑いそうになった。
例えば、友達よりは親友。親友よりは恋人。恋人よりは友達。そんな感じだ。要するに曖昧。下世話にいえばセックスフレンド。そう考えるとセックスフレンドって便利な言葉だと思う。恋人じゃないのに僕らがセックスをするのは、セックスをするフレンドだから。ま、こんなことどうでもいいか。
僕は最終電車を乗り過ごすことなく最寄り駅で下りて、深夜の外灯を頼りに15分程歩いて自宅のマンションへと着くと、胸の位置に持っていたボディバッグから鍵を取り出してゆっくりと開錠した。寝ているミンソギヒョンを起こしては申し訳ないからだ。
カチャン、と小さく鳴って、続いてゆっくりとドアハンドルを下げる。
ドアを引き開くとき、少しだけ古いこのマンションのドアはギギギと音をたてるので、僕はできるだけ慎重にドアノブを引いた。そうして半身の位置で中を覗くと廊下の向こうのリビングドアの飾りガラスからは明かりが漏れていて、僕は(なんだ)と肩の力が一気に抜けた。
「ただいまー」
「おう、おかえり」
「まだ起きてたんだ」
「あぁ、テレビ見てた」
そう言ったヒョンの目線の先のテレビでは時差の半日はありそうな国で開催しているサッカーの試合が映っていて、ヒョンの手には缶ビールと目の前のテーブルにはスナック菓子が、ヒョンにしては珍しく乱雑に開封されて置いてある。
「勝ってる?」と聞くとまだ始まったばっかりだと教えてくれた。僕はスナック菓子を適当に摘まみながら鞄を下ろして冷蔵庫から缶ビールを取って戻った。
「ヒョン、詰めて」
「ん?あぁ」
ヒョンが端に寄ってくれてできたソファーのスペースにするりと滑り込む。それから僕もビールを開栓した。ん、と無言で差し出されたヒョンの缶にゴンとぶつけて小さく乾杯をする。
ベッキョンはお酒を飲まないので、ベッキョンの家で飲むことはほとんど無い。だからいつも飲まずに帰ってくる。
「ジョンデや、」
ミンソギヒョンが試合から目を話さずに呼ぶので、僕もテレビから視線をずらさずに返事をした。
「んー?なにー?」
「……石鹸くさい」
「は?」
「だから、石鹸くさいよお前」
どこで石鹸使ってきたんだ!とヒョンはサッカーの試合なんてどうでもよくなったみたいに僕に向き直って、くっついて、なんなら擽る。
「ヒョンっ!ちょっと!なに!」
「いいから答えろ!いつの間に彼女出来たんだよ!こいつめ!」
「あははっ!ギブギブ!ダメだって、ヒョン!」
擽ったくて身悶えながらヒョンの腕を叩く。
「もー!そんなんじゃないってばぁ!」
「んー?」
「彼女とかじゃないから」
「じゃあなんだよ」
童顔なはずのヒョンの目が少しだけ鋭くなって、そのあとでまたいつもの優しい目に戻った。僕はひやりとしたけどどうにか笑顔を浮かべることができた。
「ナイショ。あ、ヒョンヒョン!PKだって!ほらっ!」
僕とヒョンは従兄弟だ。
家が近かったのもあって子供の頃から一緒だったし、本当の兄弟のように育った。そして今もヒョンと二人でこのマンションに住んでいる。二人して家賃を払うなら別々に住むより一緒に住んだ方が広いところに住めると思ったからだ。で、その通り、このマンションはベッキョンのボロアパートより遥かに広くて造りもいいし、僕もヒョンも綺麗好きだから男二人で住んでいてもベッキョンの部屋よりも遥かに綺麗だ。
「ヒョン、これ勝ちそう?」
「当たり前だろ!サッカーは最後まで何があるか分からないんだから」
そう言って缶ビールを煽るヒョンの横顔を、僕はこっそりと盗み見る。
僕もごくりとビールを飲み込んだ。
「そういえばベッキョンがさぁ、」
ベッキョンは僕の学生時代の友達で。
今はセックスフレンドで。
そして多分、ヒョンの好きな人だ。
「今度また三人でカラオケ行こうって」
「ん?あぁ……」
その証拠に、ヒョンはその名前を聞くやびくりと震えてビールをごくりと音をたてて飲み込んだ。
もちろん、僕のセックスの相手がベッキョンだなんてことをヒョンはきっと1ミリも思っちゃいないし、ヒョンがベッキョンを好きだということをベッキョンは1ミリも気付いていないと思う。僕にだけ見えるものがあるとしたらそんなとこ。
いつも一緒にいるヒョンの矢印の先。
僕の身体が欲するもの。
この感情が何なのか、僕はやっぱり持て余していた。
【B】
ジョンデが出て行った後の一人のベッドで大の字になって転がった。
寂しいなんて恥ずかしくて言ったことないけど、言わないからって思ってないわけではない。カンカンカンとジョンデらしい弾む音を響かせて、あいつはいつも終電に乗るためにこの部屋を出ていく。
たった今、愛しのジョンデがヒョンと住む部屋に帰るためにこの部屋を出ましたよ~、なんてメッセージを送りそうになるけど当り前に送るはずもなく、俺はゲームのアプリをタップした。けど数分もしないうちに気づいたら寝落ちしていた。
ジョンデの身体は抱き心地が悪い。骨太だし太らないし筋肉質だし。ごつごつしていてどこからどう見ても「男!」って感じなのに、隣にいるとやりたくなるので、「ジョンデのくせに変なフェロモンとか出すなよ!」って言ったら「何言ってんの?」って真顔で返された。
だいだいにして、キムジョンデという男は気分にムラがない。俺と違って。
遊んでたって、食べてたって、セックスしてたって、だいたいが笑顔だ。何がそんなに楽しいんだよって聞いたら、ベッキョナと一緒にいるからね~、と照れもせずに鼻歌交じりで言っていて、むしろ言われた俺の方が照れたっけ。まぁその辺は、「キムジョンデらしい」という一言で済ますことができるわけだけど。
とにかく、「今度また三人でカラオケでも行こう」と言ったのは多分ジョンデの機嫌を取るためだった。もしくは見せつけたかったのかもしれない。あいつの帰る場所であるその人に。
でなければ、こんなのある種の拷問だ。
「ベッキョナ~!」
ジョンデとヒョンがお揃いのキャップを被って待ち合わせ場所の銅像の前に立っているのを見て心臓あたりがぞわりとしたのに、反するように俺はほとんど無意識に笑顔を浮かべていた。
「遅いじゃん!もう!」
「ごめんごめん、二度寝しそうになっちゃって」
「て……?」
「しないでどうにか起きた」
「エライ!」
覗きこまれるように話しかけられて、今更に照れくさくなる。あんなことやそんなこと、たくさんしてるっていうのに。向けられた笑顔は、あまりにも無邪気な笑顔で。おいおい、お前の眉毛どこまでさがるんだよ!って思わず心配になるほどだ。
「ミンソギヒョン、久しぶり!」
「おぉ、久しぶり」
「元気だった?」
「まあまあかな」
少しニヒルな童顔ヒョンに向かって、ははは!と笑うと、ヒョンもははは!と笑う。
見せつけたかっただとか思っていたくせに、いざ三人で集まると思いのほか小心者の自分に呆れるしかないのは毎回のこと。だって会うとミンソギヒョンいい人だし。
いつもいつも心配するように、それでいて素っ気なさそうにジョンデを見る。
そんなヒョンの視線を背にジョンデは無邪気に俺に話しかけるんだ。だから俺は全身でジョンデの問い掛けに応える。
誰も何も気付かなければ、俺たちは平和だ。
「ベッキョナ!あれ歌ってアレ!」
ほらほら!って出てこない曲名を当てるように俺たちは笑いあう。
そんなジョンデを挟んで向こう側、ミンソギヒョンは、”気にしていない”と気にするように手元のスマホを見入っていた。そんな風に視線を反らし合うのは、もしかしたら俺とヒョンの暗黙の了解なのかもしれない。
「あ!ところでこの後どうする?」
「飯?」
「うん、たまにはみんなで飲みに行く?」
「いいよ」
「うん、俺も」
じゃあ決まり!なんて言って店を出たくせに、繁華街に着く前にジョンデは「そういえば!」と声をあげた。
「ヒョン!実家から肉届いてたじゃん!?」
「ん?あぁー」
「それ食べようよ!もったいないし。ね?」
甘えるようにヒョンの袖を掴んで、ジョンデは小首を傾げる。こんなのヒョンじゃなくたって……俺だって、イチコロだ。
「いいけど、そうする?」
「うん!ベッキョナ、いいよね?」
「金欠だからむしろラッキーだわ」
「よし、じゃあお酒とつまみ買って帰ろう!」
ジョンデは意気揚々と方向転換をする。
「そっちじゃないだろ!」
「え?あ、はは!」
酒を買い込んでホットプレートで肉を焼く。なんでこんなのあるんだよ!って笑ったら、実家出るときオンマが持たせてくれたの!って。なんでもこれで焼いて食べろ、だって。いかにもジョンデの母さんらしくてちょっと笑った。そしてその言葉の通り、ジョンデのオンマは時折大量に肉を送ってくるらしい。
うまいうまい!と食べ盛りな成人男子は揃って肉を食う。勢いで飲んだ酒はコップ1杯程度だったはずなのに、アルコール耐性のない俺はあっという間に酔っぱらってしまった。
「ベッキョナが酔っぱらってるの珍しいなぁ」
「はは!だろ?そういうときだってあるんだよ!」
「なにそれ~」
わははと笑いあう横で、ミンソギヒョンは一生懸命肉を焼いたり跳ねた油を拭き取ったり、ちょこちょこと動いていた。とはいえ、酔い始めたヒョンはいつもの細やかさもなく意外と雑で。こういうところがまた好きだったりするから質が悪い。俺はどうしてもミンソギヒョンを嫌いにはなれない。
この部屋に漂う二人の日常に心臓がチクリと痛んだって。俺が欲しいそれをヒョンが当たり前に持っていたとしたって。俺は終電で帰るジョンデを見送るだけの男だ。
どれだけ身体が繋がったって、ジョンデの帰る部屋はここなんだ。
だけどヒョンからジョンデを奪うことが不可能なように、俺たちの関係を解消することも不可能なのだ。
【X】
酔っ払ったベッキョンがソファーで寝ちゃったのを見て、ジョンデは仕方ないなぁと笑って自分のベッドから剥がしてきたタオルケットを掛けてやっていた。
そうやって甘やかされるベッキョンを何度羨ましいと思ったことか。
ジョンデは自分も酔っ払ってるくせにパタパタと片付けをして、「じゃあヒョン、寝るね」なんて笑って自室へと戻っていった。
俺もそろそろ寝ようかと、飲み干した缶ビールを捨てて自室へと引き返す。
俺は多分、自分の役割をよく分かっている。
だけどそんな、”兄” なんて立場よりも欲しいものがあることを ”弟” はきっと知らない。
存分に知りすぎた日常よりも、本当はもっと知りたいことがある。
だけどそれは許されないし、第一、ジョンデが幸せならばそれでいいんだ。例えその女とどんな関係で石鹸を使っていようとも、だ。
仕度を済ませてそろそろ寝ようかとベッドへ横になった。思いの外飲んでいたようで、ぐったりとした身体で頭の中でビール缶の本数を数えた。羊じゃなくても眠く寝るのか、と笑うと瞼が徐々に重くなった。
深夜に物音がして目が覚めたのは偶然だった。摂りすぎたアルコールでトイレに行きたかったからかもしれない。
ベッキョンが起き出したのか?とリビングから続く自室のドアを開けようと手を掛けると、こそこそと話し声が聞こえてジョンデもいるのだと分かった。
なんだ、結局みんな目を覚ましたのか。
こんな夜中だっていうのに仕方ないな。
そう思ってくすりと笑おうとしたのに、頬はぐにゃりと歪んで笑えなかった。
「ダメだって……ヒョン起きちゃうかもしれないし……」
「お前が黙ってればバレないって……」
「やだ、ちょっと……んっ……」
「ほら、聞こえちゃうんだろ?」
「そうだよ、だから……んっ……ん……」
これは、一体何なんだ。
あいつらはこのドアの向こうで二人して何をやっている……?
こそこそと、こそこそと話す話し声。
それに時折混じる吐息とボリュームを抑えた艶やかな声。
ジョンデと、ベッキョンが……
心臓がばくばくと跳ねる。
ごくりと生唾を飲み込んで、ダメだ、と思いながらも震える手でゆっくりと開けたドアの隙間から覗いたそこには、ベッキョンが寝ていたはずのソファーに押し倒されているジョンデがいた。
ごくり、とまた唾を飲み込んだ音が、部屋中に響き渡ってしまいそうで怖くなった。
はらり、と滑り落ちたタオルケット。
めくりあげられたパジャマ代わりの見慣れたTシャツ。
暗闇の中光るジョンデの肌。
湿った音や肌を撫でる音や衣擦れの音。
すべてが自分の脳内に記憶されたようで、発狂しそうになった。
なによりも、ジョンデの喘ぐ声が耳から離れない。
ベッドに逆戻りして布団を被ったって離れないんだ。
あの石鹸の匂いはあいつんちのだったのか……
腹立たしさが込み上げて、自分の中の激情の大きさを思い知った。
ジョンデが幸せならばそれでいい、なんて綺麗事にも程がある。
思いきり瞑った瞼からは、らしくもなく涙が滲み出ていた。
あの日、朝起きるとベッキョンはもういなかった。頭が痛くて、酷い悪夢を見たときのように最悪の目覚めだった。「ヒョン大丈夫?」と心配顔でジョンデが淹れてくれたコーヒーだけが俺の救いだった。
「ダメかも……」
「そんなに飲んだの?」
「いや、どうだったかな……」
もう!と、けらけらと笑いながら今現在向けてくれるこの優しい笑顔だけは間違いなく俺のものだと思って、俺はまた泣きそうになった。
ジョンデが幸せなら。ジョンデが幸せなら。
あいつは何だかんだ言っていい奴だし、ジョンデは楽しそうに笑い、幸せそうにあいつの世話を焼く。
だからこれは正解だし、俺は兄としてジョンデの恋を応援しなければいけない。
そんな風に思いながらもあの時のジョンデを思い出して自身に触れたとき、俺は掌に弾けた白濁を見て自分自身に絶望した。
これ以上一緒に居てはいけない。
それだけは確かだった。
なのに結局出ていくことも言い出せず、『遅くなるから先に寝てて』と飛んできたメッセージを見て、掌の缶ビールをぐちゃりと潰すしかなかった。
いつものように終電で帰って来たジョンデを見て、今までも何度かあったこの時間の帰宅は、全部ベッキョンの家からだったのかと気付いた。
いつぞやのように「まだ起きてたの?」と笑うジョンデから記憶のある石鹸の匂いがする。
「ヒョン最近寝るの遅いね」
「んーまぁ。それよりお前さぁ、」
もしかしてベッキョンと付き合ってるのか?
「え……?」
一瞬、空気がぴりりと張ったのが分かった。
「なんで?そんなわけないじゃん」
何言ってるのヒョン!と笑うジョンデの頬はわずかにひきつってるのが分かる。そんなことにも気付いてしまう自分が恨めしい。
だって俺は誰よりもジョンデを見てきたんだ。
別に隠さなくたって反対なんかしないのに。
悔しいけど、悲しいけど、反対なんかしない。これがお前に向けられる兄としての精一杯だから。
「今日もあいつのとこだったんだろ?その石鹸も……」
「それは……」
ごめんなさい!とジョンデは勢いよく頭を下げた。
「でも付き合ってるとかじゃないから!そういうんじゃないから!ヒョンを困らせたかった訳じゃないし!」
どうしよう……と呟くジョンデの肩を掴んでどういうことだ?と詰め寄る。
付き合ってる訳じゃないのに身体の関係はあって、ジョンデは俺を困らせたかった訳じゃないと言う。
「ヒョンがベッキョナのこと好きなの分かってたのに……」
「は……?」
「え?」
「なんだって?」
「えっと……だから……ヒョンがベッキョナのこと好きなの分かってたのにって……」
何で俺があいつを好きになるんだよ。
「ははははは!何言ってんだお前、頭大丈夫か?」
「え!?だってヒョン、いっつもベッキョンのことチラチラ見てたじゃん!」
「それはほら、お前が……」
「僕が?」
「あまりにも仲良さそうにしてるから……多分……」
「そうなの?」
「うん」
ジョンデは酷く驚いたように大袈裟に目を見開いて見せる。ぱちぱちと繰り返される瞬き。ジョンデの睫毛は蝶の羽ばたきと同じだ、といつだか思ったことを思い出す。こいつが長い睫毛を揺らす度、俺の心には嵐を起こした。そしてきっとベッキョンの心にも……
そしてジョンデは「なんだ!」と安堵したように笑って、「じゃあ別に遠慮したり隠したりしなくてもよかったんだ!」と開き直って見せた。
なぁお前、誤解してるよ。
俺はベッキョンを好きな訳じゃないとは言ったけど、お前を好きじゃないとは言ってないだろ。
俺が好きなのは……
ジョンデは言い訳のように「別に付き合ってるわけじゃないし、そういうつもりもないんだけどさ、」と笑う。
「何となくね、そんな感じになっちゃって……って、なんか照れくさいからこの話はもう終わりね!寝る!おやすみ!」
そう言って頬を赤く染めると、ジョンデは自室へと戻ってしまった。
俺は、ぐにゃりと潰してテーブルに転がしたビールの空き缶が目に入って、泣きたい気分だった。
あまりにも残酷な俺たちの蝶は、そうしてまた嵐を起こす。
何もかも間違っている弟に俺は兄として教えなければいけないんだろうか。
俺が好きなのはお前で、あいつが好きなのもお前だよって。
はぁ、と重たいため息をひとつこぼして、仕方なくまた缶ビールの封を切った。
おわり
------------------
なんかグダグダな終わり方ですみません^^;;;
きっとジョンデはこれからもベッキョンとセックスをし、しうちゃんの待つ家に帰っていくのだと思います。たまには3人で集まったりしながら。
そうしてある時現れたレイさんにあっさりと持っていかれて捨てられるシウベクちゃん(笑)二人でやけ酒でもするしかないね(笑)
だってジョンデはどっちかとちゃんと付き合う準備は出来てたんだもの。本当はベッキョンとちゃんとしたかったし、しうちゃんに押し倒されたかったんだもの。出来上がった関係性を壊すのって、すごく難しいよね^^;;;
ということで、CBXのぐちゃぐちゃなお話でした(笑)
【C】
「じゃあね~」
「おー」
ガチャン、と音をたててベッキョンのボロアパートのドアを閉める。外に出るとさすがに夜はまだ冷えるみたいだ。
僕は黄色のオーバーサイズのパーカーの襟元をギュッと掴んで、錆び付いた急勾配の外階段を駆け下りた。カンカンカンと小気味よい音がする。この音はベッキョンみたいで気に入っている。
乗り込んだ最終電車に揺られながら、僕とベッキョンの関係性について考えてみた。考えて、今さらだな、と可笑しくてつい笑いそうになった。
例えば、友達よりは親友。親友よりは恋人。恋人よりは友達。そんな感じだ。要するに曖昧。下世話にいえばセックスフレンド。そう考えるとセックスフレンドって便利な言葉だと思う。恋人じゃないのに僕らがセックスをするのは、セックスをするフレンドだから。ま、こんなことどうでもいいか。
僕は最終電車を乗り過ごすことなく最寄り駅で下りて、深夜の外灯を頼りに15分程歩いて自宅のマンションへと着くと、胸の位置に持っていたボディバッグから鍵を取り出してゆっくりと開錠した。寝ているミンソギヒョンを起こしては申し訳ないからだ。
カチャン、と小さく鳴って、続いてゆっくりとドアハンドルを下げる。
ドアを引き開くとき、少しだけ古いこのマンションのドアはギギギと音をたてるので、僕はできるだけ慎重にドアノブを引いた。そうして半身の位置で中を覗くと廊下の向こうのリビングドアの飾りガラスからは明かりが漏れていて、僕は(なんだ)と肩の力が一気に抜けた。
「ただいまー」
「おう、おかえり」
「まだ起きてたんだ」
「あぁ、テレビ見てた」
そう言ったヒョンの目線の先のテレビでは時差の半日はありそうな国で開催しているサッカーの試合が映っていて、ヒョンの手には缶ビールと目の前のテーブルにはスナック菓子が、ヒョンにしては珍しく乱雑に開封されて置いてある。
「勝ってる?」と聞くとまだ始まったばっかりだと教えてくれた。僕はスナック菓子を適当に摘まみながら鞄を下ろして冷蔵庫から缶ビールを取って戻った。
「ヒョン、詰めて」
「ん?あぁ」
ヒョンが端に寄ってくれてできたソファーのスペースにするりと滑り込む。それから僕もビールを開栓した。ん、と無言で差し出されたヒョンの缶にゴンとぶつけて小さく乾杯をする。
ベッキョンはお酒を飲まないので、ベッキョンの家で飲むことはほとんど無い。だからいつも飲まずに帰ってくる。
「ジョンデや、」
ミンソギヒョンが試合から目を話さずに呼ぶので、僕もテレビから視線をずらさずに返事をした。
「んー?なにー?」
「……石鹸くさい」
「は?」
「だから、石鹸くさいよお前」
どこで石鹸使ってきたんだ!とヒョンはサッカーの試合なんてどうでもよくなったみたいに僕に向き直って、くっついて、なんなら擽る。
「ヒョンっ!ちょっと!なに!」
「いいから答えろ!いつの間に彼女出来たんだよ!こいつめ!」
「あははっ!ギブギブ!ダメだって、ヒョン!」
擽ったくて身悶えながらヒョンの腕を叩く。
「もー!そんなんじゃないってばぁ!」
「んー?」
「彼女とかじゃないから」
「じゃあなんだよ」
童顔なはずのヒョンの目が少しだけ鋭くなって、そのあとでまたいつもの優しい目に戻った。僕はひやりとしたけどどうにか笑顔を浮かべることができた。
「ナイショ。あ、ヒョンヒョン!PKだって!ほらっ!」
僕とヒョンは従兄弟だ。
家が近かったのもあって子供の頃から一緒だったし、本当の兄弟のように育った。そして今もヒョンと二人でこのマンションに住んでいる。二人して家賃を払うなら別々に住むより一緒に住んだ方が広いところに住めると思ったからだ。で、その通り、このマンションはベッキョンのボロアパートより遥かに広くて造りもいいし、僕もヒョンも綺麗好きだから男二人で住んでいてもベッキョンの部屋よりも遥かに綺麗だ。
「ヒョン、これ勝ちそう?」
「当たり前だろ!サッカーは最後まで何があるか分からないんだから」
そう言って缶ビールを煽るヒョンの横顔を、僕はこっそりと盗み見る。
僕もごくりとビールを飲み込んだ。
「そういえばベッキョンがさぁ、」
ベッキョンは僕の学生時代の友達で。
今はセックスフレンドで。
そして多分、ヒョンの好きな人だ。
「今度また三人でカラオケ行こうって」
「ん?あぁ……」
その証拠に、ヒョンはその名前を聞くやびくりと震えてビールをごくりと音をたてて飲み込んだ。
もちろん、僕のセックスの相手がベッキョンだなんてことをヒョンはきっと1ミリも思っちゃいないし、ヒョンがベッキョンを好きだということをベッキョンは1ミリも気付いていないと思う。僕にだけ見えるものがあるとしたらそんなとこ。
いつも一緒にいるヒョンの矢印の先。
僕の身体が欲するもの。
この感情が何なのか、僕はやっぱり持て余していた。
【B】
ジョンデが出て行った後の一人のベッドで大の字になって転がった。
寂しいなんて恥ずかしくて言ったことないけど、言わないからって思ってないわけではない。カンカンカンとジョンデらしい弾む音を響かせて、あいつはいつも終電に乗るためにこの部屋を出ていく。
たった今、愛しのジョンデがヒョンと住む部屋に帰るためにこの部屋を出ましたよ~、なんてメッセージを送りそうになるけど当り前に送るはずもなく、俺はゲームのアプリをタップした。けど数分もしないうちに気づいたら寝落ちしていた。
ジョンデの身体は抱き心地が悪い。骨太だし太らないし筋肉質だし。ごつごつしていてどこからどう見ても「男!」って感じなのに、隣にいるとやりたくなるので、「ジョンデのくせに変なフェロモンとか出すなよ!」って言ったら「何言ってんの?」って真顔で返された。
だいだいにして、キムジョンデという男は気分にムラがない。俺と違って。
遊んでたって、食べてたって、セックスしてたって、だいたいが笑顔だ。何がそんなに楽しいんだよって聞いたら、ベッキョナと一緒にいるからね~、と照れもせずに鼻歌交じりで言っていて、むしろ言われた俺の方が照れたっけ。まぁその辺は、「キムジョンデらしい」という一言で済ますことができるわけだけど。
とにかく、「今度また三人でカラオケでも行こう」と言ったのは多分ジョンデの機嫌を取るためだった。もしくは見せつけたかったのかもしれない。あいつの帰る場所であるその人に。
でなければ、こんなのある種の拷問だ。
「ベッキョナ~!」
ジョンデとヒョンがお揃いのキャップを被って待ち合わせ場所の銅像の前に立っているのを見て心臓あたりがぞわりとしたのに、反するように俺はほとんど無意識に笑顔を浮かべていた。
「遅いじゃん!もう!」
「ごめんごめん、二度寝しそうになっちゃって」
「て……?」
「しないでどうにか起きた」
「エライ!」
覗きこまれるように話しかけられて、今更に照れくさくなる。あんなことやそんなこと、たくさんしてるっていうのに。向けられた笑顔は、あまりにも無邪気な笑顔で。おいおい、お前の眉毛どこまでさがるんだよ!って思わず心配になるほどだ。
「ミンソギヒョン、久しぶり!」
「おぉ、久しぶり」
「元気だった?」
「まあまあかな」
少しニヒルな童顔ヒョンに向かって、ははは!と笑うと、ヒョンもははは!と笑う。
見せつけたかっただとか思っていたくせに、いざ三人で集まると思いのほか小心者の自分に呆れるしかないのは毎回のこと。だって会うとミンソギヒョンいい人だし。
いつもいつも心配するように、それでいて素っ気なさそうにジョンデを見る。
そんなヒョンの視線を背にジョンデは無邪気に俺に話しかけるんだ。だから俺は全身でジョンデの問い掛けに応える。
誰も何も気付かなければ、俺たちは平和だ。
「ベッキョナ!あれ歌ってアレ!」
ほらほら!って出てこない曲名を当てるように俺たちは笑いあう。
そんなジョンデを挟んで向こう側、ミンソギヒョンは、”気にしていない”と気にするように手元のスマホを見入っていた。そんな風に視線を反らし合うのは、もしかしたら俺とヒョンの暗黙の了解なのかもしれない。
「あ!ところでこの後どうする?」
「飯?」
「うん、たまにはみんなで飲みに行く?」
「いいよ」
「うん、俺も」
じゃあ決まり!なんて言って店を出たくせに、繁華街に着く前にジョンデは「そういえば!」と声をあげた。
「ヒョン!実家から肉届いてたじゃん!?」
「ん?あぁー」
「それ食べようよ!もったいないし。ね?」
甘えるようにヒョンの袖を掴んで、ジョンデは小首を傾げる。こんなのヒョンじゃなくたって……俺だって、イチコロだ。
「いいけど、そうする?」
「うん!ベッキョナ、いいよね?」
「金欠だからむしろラッキーだわ」
「よし、じゃあお酒とつまみ買って帰ろう!」
ジョンデは意気揚々と方向転換をする。
「そっちじゃないだろ!」
「え?あ、はは!」
酒を買い込んでホットプレートで肉を焼く。なんでこんなのあるんだよ!って笑ったら、実家出るときオンマが持たせてくれたの!って。なんでもこれで焼いて食べろ、だって。いかにもジョンデの母さんらしくてちょっと笑った。そしてその言葉の通り、ジョンデのオンマは時折大量に肉を送ってくるらしい。
うまいうまい!と食べ盛りな成人男子は揃って肉を食う。勢いで飲んだ酒はコップ1杯程度だったはずなのに、アルコール耐性のない俺はあっという間に酔っぱらってしまった。
「ベッキョナが酔っぱらってるの珍しいなぁ」
「はは!だろ?そういうときだってあるんだよ!」
「なにそれ~」
わははと笑いあう横で、ミンソギヒョンは一生懸命肉を焼いたり跳ねた油を拭き取ったり、ちょこちょこと動いていた。とはいえ、酔い始めたヒョンはいつもの細やかさもなく意外と雑で。こういうところがまた好きだったりするから質が悪い。俺はどうしてもミンソギヒョンを嫌いにはなれない。
この部屋に漂う二人の日常に心臓がチクリと痛んだって。俺が欲しいそれをヒョンが当たり前に持っていたとしたって。俺は終電で帰るジョンデを見送るだけの男だ。
どれだけ身体が繋がったって、ジョンデの帰る部屋はここなんだ。
だけどヒョンからジョンデを奪うことが不可能なように、俺たちの関係を解消することも不可能なのだ。
【X】
酔っ払ったベッキョンがソファーで寝ちゃったのを見て、ジョンデは仕方ないなぁと笑って自分のベッドから剥がしてきたタオルケットを掛けてやっていた。
そうやって甘やかされるベッキョンを何度羨ましいと思ったことか。
ジョンデは自分も酔っ払ってるくせにパタパタと片付けをして、「じゃあヒョン、寝るね」なんて笑って自室へと戻っていった。
俺もそろそろ寝ようかと、飲み干した缶ビールを捨てて自室へと引き返す。
俺は多分、自分の役割をよく分かっている。
だけどそんな、”兄” なんて立場よりも欲しいものがあることを ”弟” はきっと知らない。
存分に知りすぎた日常よりも、本当はもっと知りたいことがある。
だけどそれは許されないし、第一、ジョンデが幸せならばそれでいいんだ。例えその女とどんな関係で石鹸を使っていようとも、だ。
仕度を済ませてそろそろ寝ようかとベッドへ横になった。思いの外飲んでいたようで、ぐったりとした身体で頭の中でビール缶の本数を数えた。羊じゃなくても眠く寝るのか、と笑うと瞼が徐々に重くなった。
深夜に物音がして目が覚めたのは偶然だった。摂りすぎたアルコールでトイレに行きたかったからかもしれない。
ベッキョンが起き出したのか?とリビングから続く自室のドアを開けようと手を掛けると、こそこそと話し声が聞こえてジョンデもいるのだと分かった。
なんだ、結局みんな目を覚ましたのか。
こんな夜中だっていうのに仕方ないな。
そう思ってくすりと笑おうとしたのに、頬はぐにゃりと歪んで笑えなかった。
「ダメだって……ヒョン起きちゃうかもしれないし……」
「お前が黙ってればバレないって……」
「やだ、ちょっと……んっ……」
「ほら、聞こえちゃうんだろ?」
「そうだよ、だから……んっ……ん……」
これは、一体何なんだ。
あいつらはこのドアの向こうで二人して何をやっている……?
こそこそと、こそこそと話す話し声。
それに時折混じる吐息とボリュームを抑えた艶やかな声。
ジョンデと、ベッキョンが……
心臓がばくばくと跳ねる。
ごくりと生唾を飲み込んで、ダメだ、と思いながらも震える手でゆっくりと開けたドアの隙間から覗いたそこには、ベッキョンが寝ていたはずのソファーに押し倒されているジョンデがいた。
ごくり、とまた唾を飲み込んだ音が、部屋中に響き渡ってしまいそうで怖くなった。
はらり、と滑り落ちたタオルケット。
めくりあげられたパジャマ代わりの見慣れたTシャツ。
暗闇の中光るジョンデの肌。
湿った音や肌を撫でる音や衣擦れの音。
すべてが自分の脳内に記憶されたようで、発狂しそうになった。
なによりも、ジョンデの喘ぐ声が耳から離れない。
ベッドに逆戻りして布団を被ったって離れないんだ。
あの石鹸の匂いはあいつんちのだったのか……
腹立たしさが込み上げて、自分の中の激情の大きさを思い知った。
ジョンデが幸せならばそれでいい、なんて綺麗事にも程がある。
思いきり瞑った瞼からは、らしくもなく涙が滲み出ていた。
あの日、朝起きるとベッキョンはもういなかった。頭が痛くて、酷い悪夢を見たときのように最悪の目覚めだった。「ヒョン大丈夫?」と心配顔でジョンデが淹れてくれたコーヒーだけが俺の救いだった。
「ダメかも……」
「そんなに飲んだの?」
「いや、どうだったかな……」
もう!と、けらけらと笑いながら今現在向けてくれるこの優しい笑顔だけは間違いなく俺のものだと思って、俺はまた泣きそうになった。
ジョンデが幸せなら。ジョンデが幸せなら。
あいつは何だかんだ言っていい奴だし、ジョンデは楽しそうに笑い、幸せそうにあいつの世話を焼く。
だからこれは正解だし、俺は兄としてジョンデの恋を応援しなければいけない。
そんな風に思いながらもあの時のジョンデを思い出して自身に触れたとき、俺は掌に弾けた白濁を見て自分自身に絶望した。
これ以上一緒に居てはいけない。
それだけは確かだった。
なのに結局出ていくことも言い出せず、『遅くなるから先に寝てて』と飛んできたメッセージを見て、掌の缶ビールをぐちゃりと潰すしかなかった。
いつものように終電で帰って来たジョンデを見て、今までも何度かあったこの時間の帰宅は、全部ベッキョンの家からだったのかと気付いた。
いつぞやのように「まだ起きてたの?」と笑うジョンデから記憶のある石鹸の匂いがする。
「ヒョン最近寝るの遅いね」
「んーまぁ。それよりお前さぁ、」
もしかしてベッキョンと付き合ってるのか?
「え……?」
一瞬、空気がぴりりと張ったのが分かった。
「なんで?そんなわけないじゃん」
何言ってるのヒョン!と笑うジョンデの頬はわずかにひきつってるのが分かる。そんなことにも気付いてしまう自分が恨めしい。
だって俺は誰よりもジョンデを見てきたんだ。
別に隠さなくたって反対なんかしないのに。
悔しいけど、悲しいけど、反対なんかしない。これがお前に向けられる兄としての精一杯だから。
「今日もあいつのとこだったんだろ?その石鹸も……」
「それは……」
ごめんなさい!とジョンデは勢いよく頭を下げた。
「でも付き合ってるとかじゃないから!そういうんじゃないから!ヒョンを困らせたかった訳じゃないし!」
どうしよう……と呟くジョンデの肩を掴んでどういうことだ?と詰め寄る。
付き合ってる訳じゃないのに身体の関係はあって、ジョンデは俺を困らせたかった訳じゃないと言う。
「ヒョンがベッキョナのこと好きなの分かってたのに……」
「は……?」
「え?」
「なんだって?」
「えっと……だから……ヒョンがベッキョナのこと好きなの分かってたのにって……」
何で俺があいつを好きになるんだよ。
「ははははは!何言ってんだお前、頭大丈夫か?」
「え!?だってヒョン、いっつもベッキョンのことチラチラ見てたじゃん!」
「それはほら、お前が……」
「僕が?」
「あまりにも仲良さそうにしてるから……多分……」
「そうなの?」
「うん」
ジョンデは酷く驚いたように大袈裟に目を見開いて見せる。ぱちぱちと繰り返される瞬き。ジョンデの睫毛は蝶の羽ばたきと同じだ、といつだか思ったことを思い出す。こいつが長い睫毛を揺らす度、俺の心には嵐を起こした。そしてきっとベッキョンの心にも……
そしてジョンデは「なんだ!」と安堵したように笑って、「じゃあ別に遠慮したり隠したりしなくてもよかったんだ!」と開き直って見せた。
なぁお前、誤解してるよ。
俺はベッキョンを好きな訳じゃないとは言ったけど、お前を好きじゃないとは言ってないだろ。
俺が好きなのは……
ジョンデは言い訳のように「別に付き合ってるわけじゃないし、そういうつもりもないんだけどさ、」と笑う。
「何となくね、そんな感じになっちゃって……って、なんか照れくさいからこの話はもう終わりね!寝る!おやすみ!」
そう言って頬を赤く染めると、ジョンデは自室へと戻ってしまった。
俺は、ぐにゃりと潰してテーブルに転がしたビールの空き缶が目に入って、泣きたい気分だった。
あまりにも残酷な俺たちの蝶は、そうしてまた嵐を起こす。
何もかも間違っている弟に俺は兄として教えなければいけないんだろうか。
俺が好きなのはお前で、あいつが好きなのもお前だよって。
はぁ、と重たいため息をひとつこぼして、仕方なくまた缶ビールの封を切った。
おわり
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なんかグダグダな終わり方ですみません^^;;;
きっとジョンデはこれからもベッキョンとセックスをし、しうちゃんの待つ家に帰っていくのだと思います。たまには3人で集まったりしながら。
そうしてある時現れたレイさんにあっさりと持っていかれて捨てられるシウベクちゃん(笑)二人でやけ酒でもするしかないね(笑)
だってジョンデはどっちかとちゃんと付き合う準備は出来てたんだもの。本当はベッキョンとちゃんとしたかったし、しうちゃんに押し倒されたかったんだもの。出来上がった関係性を壊すのって、すごく難しいよね^^;;;
ということで、CBXのぐちゃぐちゃなお話でした(笑)