このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

×ジョンデの11題

運命を感じちゃってください

●カイチェン



「ほら、こんなとこで寝ちゃダメだって」
「うーん……」
「はいはい、移動だよー」


いつものようにヒョンに手を引かれて、ほとんど開いてないような目を擦る。
大概のことはこの人に任せておけば間違いないのだ。ここだけの話、ジュンミョニヒョンよりよっぽと役に立つくらい。

ミンソギヒョンだってチャニョリヒョンだってギョンスヒョンだって面倒見はいいけど、如何せんミンソギヒョンは意外と抜けてるところがあるし、チャニョリヒョンは自分のことで忙しいし、ギョンスヒョンはセフンやジュンミョニヒョンのことで忙しい。

だから俺のことはジョンデヒョンに任せておくのが一番確実なんだ。
そんなこと本人に言ったら「こらっ!」ってゲンコツが飛んできそうだけど、でもゲンコツを飛ばしたとしても「仕方ないなぁ」って言って結局面倒を見てくれると思うけど。


「忘れ物は?」
「だいじょうぶ……」
「って言ってるそばから携帯忘れてるじゃん!もー!」


ほら、結局俺が動く前に俺の身の回りのことも全部やってくれるんだ。


パスポート持った?財布持った?なんてのはいつものことで、「この本今読んでるやつじゃないの?持たなくていいの?」とか「さっきテミンからメッセージ来てたって言ってたの返事した?」とか「欲しいって言ってた新刊、そろそろ発売なんじゃない?」とか。
本当に、最近では俺よりも俺のことに詳しいんじゃないかって思うほど。
そんぐらい、ジョンデヒョンに任せておけば間違いがないんだ。



つまりさぁ、これって運命だと思うんだけど。



「ヒョン、運命って信じます?」
「はぁ?なに急に。まだ寝ぼけてるの?」
「いや、そういう訳じゃないけど……」



そういう訳じゃないけど、ヒョンにその気があるなら、都合よく俺に運命とか感じちゃってくれないかなぁ、なんて。


なに考えてんだろ。


「やっぱ寝ぼけてました……」
「あはは!どんな夢見てたんだよー!」


3/5ページ
スキ