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君の声ごと (ドチェン)




なぁ、ジョンデ。

君はヒョンたちがいなくなって、歌う機会を奪われたって嘆いているよね。
でも僕は……




不安を圧し殺すような強い眼差しや、ムキになって始めた筋トレや、存在を死守するように歌う歌声は、僕の心を抉り出すようだった。
でもあいつがそうやってムキになればなるほど、僕はあの人の存在を越えられないような気がして情けなくなるんだ。



ジョンデ、

僕は君と歌えるようになって、この不運の中に生まれたチャンスをどれほど喜んでるかわかる?
君は嘆いているかもしれないけれど、僕は……


君のきれいな高音と交ざるとき、僕は昇天しそうになるほど気持ちがいいんだ。ハモったりハモられたり。僕らの声が絡み合う時、背筋がぞわりと疼いて、僕の体は浅ましく快感を拾う。


今までは、どんなに願ったって手に入らない場所だと思っていた。それが、偶然にも手に入って喜んでいるのは僕一人だと知っている。


絶対に言ってはいけない、僕の秘密。


君の声ごと食べ尽くしたいだなんて、僕は……





おわり
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