惑星日和
【惑星日和#5】
******************
「暑ーーーい!!暑い!!暑い!!暑い!!暑ーーーーーい!!」
「チャニョラー!!うるせぇ!!」
「だって暑いんだもん!ベクは暑くないの?暑いでしょ!?暑いよね!?」
「お前の声が一番暑苦しいわ!」
「だって暑いじゃん!こんな日に限ってエアコン壊れるし」
チャニョルがじろりとチェンを見やれば、チェンは気まずそうにそっぽを向いた。
その姿を見て、タオがすかさず笑いをこぼす。
「あぁもー!セフナ!風~」
「お!さすがベッキョナ!」
「はぁ?僕ですか?」
「いいから早く風くれよ。チャニョリのせいで暑いんだよ」
「もー」
せっかくテレビいいとこだったのに……なんてこぼしながら面倒くさそうにタオの横にいたセフンが返事を寄越した。
「いきますよ?」
ふぅ~~
「お!いいねぇ!」
「もっともっと!」
ふぅ~~
「うんうん、いいよー!セフンさん」
ふぅ~~
「……なんか、」
「なんですか?」
「熱風だな」
「うん」
「……ちょっと!ひとにやらせといて文句ですか!?」
「だってお前の風、生ぬるいんだもん」
「仕方ないじゃないですか、湿度も高いんだから」
「だよな……あー!なんでエアコン壊れるかなぁ!!」
台所でギョンスの手伝いをしてるジョンデを見やれば、ビクリと肩を震わせた。
「やっぱこういう時は……」
「「ウミニヒョン!!」」
「だよな!ヒョンに頼めば一発じゃん!やっぱ能力って大事だよなぁ!」
「そうそう!」
「で、ヒョンは?」
「朝のジョギングに行ってますよ」とセフンが涼しそうな顔で返した。
「もうすぐ帰ってくると思いますけど」
なーんて言ってたら、
「ただいま~」
シウミンがジョギングから帰って来て。ナイスタイミング!と言わんばかりにみんなで一斉にシウミンを見た。
「……な、なに?」
「ヒョン!!俺たちの救世主!!」
「は?」
「どうかヒョンの能力でこの部屋の湿気をちょちょっと凍らせてください!!お願いします!!」
チャニョルが盛大に手を合わせて頭を下げる。
「……やだ」
「えぇーーーーー!!!」
「溶けたら濡れるじゃん」
「そ、そんなのみんなで掃除するから!」
「だめ」
「えぇーーーーー!!!」
「つーか、エアコンは?」
「壊れた……」
「修理は?」
「『只今修理の方が大変込み合ってまして、早くて10日後の予約となっております』」
ベッキョンが得意の声帯模写を繰り広げれば、タオとセフンがきゃっきゃと笑う。
「マジで?なんでまた……」
「シウちゃん昨夜雷落ちたの知らないの?」
「雷?あぁ、なんか音したかもな」
「レイヒョンがチェンチェンのこと無理矢理襲ったんだよねー?」
タオの言葉に、あぁなるほど、とシウミンは頷いた。
「それでズドーンってなって、あっちこっちのエアコン壊れちゃったの!」
「なるほどな……」
「ね?だから仕方ないでしょ?」
「まぁ、そういうことなら……」
シウミンは台所の隅ですっかり丸くなってるチェンを見ては、ため息をひとつこぼした。
「……だって……だってレイヒョンが急に!!」
真っ赤な顔を上げてチェンが叫ぶと、隣にいたギョンスが、まぁまぁ、と肩を叩いて宥めている。
「うーん、じゃあ仕方ない」
風呂場ならいいよ、と言うシウミンの言葉にチャニョルもベッキョンもタオもセフンも、みんな「わーい!」と手を上げて歓喜した。
「やっぱチェンには甘いなぁ、このヒョンは」
「そう?」
うんうん、と4つの頭が縦に揺れる。
「ところでスホは?」
「庭でクリスヒョンと一緒にフェニちゃんとドラゴニに水浴びさせてます」
「チャニョルは行かなくていいのか?」
「なんで?」
「だってお前のフェニちゃん、ドラゴニが怖いんだろ?」
「あぁー、スホヒョン居れば大丈夫みたいです」
「ふーん。懐かれてんだな」
「はい!フェニちゃんは俺に似て人懐っこいので!」
「そんなこと言ってると、飼い主鞍替えされたりしてな!」
ベッキョンが、くくく、と肩を震わせて笑いながら口を挟んだ。
「だからー!フェニちゃんはペットじゃなくて能力なんだってば!!」
「似たようなもんだろ」
「全然違うから!」
「てゆーか水と火って相性悪いんじゃないんですか?」
「あぁ、確かに。フェニちゃん鎮火してるかもな」
「えっ!?……いやいや大丈夫だし!てかだったらドラゴニもでしょ!?」
「は?ドラゴニは火を吹くってだけで能力自体は飛行なんだから、お前と一緒にすんな」
「え……あ…………フェニちゃーーーーーーーん!!!」
庭に駆けてくチャニョルの背中を見送って、一行はシウミンが冷凍庫化したバスルームに逃げ込むことにした。
こんな涼の取り方も、また一興である。
おわり
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「暑ーーーい!!暑い!!暑い!!暑い!!暑ーーーーーい!!」
「チャニョラー!!うるせぇ!!」
「だって暑いんだもん!ベクは暑くないの?暑いでしょ!?暑いよね!?」
「お前の声が一番暑苦しいわ!」
「だって暑いじゃん!こんな日に限ってエアコン壊れるし」
チャニョルがじろりとチェンを見やれば、チェンは気まずそうにそっぽを向いた。
その姿を見て、タオがすかさず笑いをこぼす。
「あぁもー!セフナ!風~」
「お!さすがベッキョナ!」
「はぁ?僕ですか?」
「いいから早く風くれよ。チャニョリのせいで暑いんだよ」
「もー」
せっかくテレビいいとこだったのに……なんてこぼしながら面倒くさそうにタオの横にいたセフンが返事を寄越した。
「いきますよ?」
ふぅ~~
「お!いいねぇ!」
「もっともっと!」
ふぅ~~
「うんうん、いいよー!セフンさん」
ふぅ~~
「……なんか、」
「なんですか?」
「熱風だな」
「うん」
「……ちょっと!ひとにやらせといて文句ですか!?」
「だってお前の風、生ぬるいんだもん」
「仕方ないじゃないですか、湿度も高いんだから」
「だよな……あー!なんでエアコン壊れるかなぁ!!」
台所でギョンスの手伝いをしてるジョンデを見やれば、ビクリと肩を震わせた。
「やっぱこういう時は……」
「「ウミニヒョン!!」」
「だよな!ヒョンに頼めば一発じゃん!やっぱ能力って大事だよなぁ!」
「そうそう!」
「で、ヒョンは?」
「朝のジョギングに行ってますよ」とセフンが涼しそうな顔で返した。
「もうすぐ帰ってくると思いますけど」
なーんて言ってたら、
「ただいま~」
シウミンがジョギングから帰って来て。ナイスタイミング!と言わんばかりにみんなで一斉にシウミンを見た。
「……な、なに?」
「ヒョン!!俺たちの救世主!!」
「は?」
「どうかヒョンの能力でこの部屋の湿気をちょちょっと凍らせてください!!お願いします!!」
チャニョルが盛大に手を合わせて頭を下げる。
「……やだ」
「えぇーーーーー!!!」
「溶けたら濡れるじゃん」
「そ、そんなのみんなで掃除するから!」
「だめ」
「えぇーーーーー!!!」
「つーか、エアコンは?」
「壊れた……」
「修理は?」
「『只今修理の方が大変込み合ってまして、早くて10日後の予約となっております』」
ベッキョンが得意の声帯模写を繰り広げれば、タオとセフンがきゃっきゃと笑う。
「マジで?なんでまた……」
「シウちゃん昨夜雷落ちたの知らないの?」
「雷?あぁ、なんか音したかもな」
「レイヒョンがチェンチェンのこと無理矢理襲ったんだよねー?」
タオの言葉に、あぁなるほど、とシウミンは頷いた。
「それでズドーンってなって、あっちこっちのエアコン壊れちゃったの!」
「なるほどな……」
「ね?だから仕方ないでしょ?」
「まぁ、そういうことなら……」
シウミンは台所の隅ですっかり丸くなってるチェンを見ては、ため息をひとつこぼした。
「……だって……だってレイヒョンが急に!!」
真っ赤な顔を上げてチェンが叫ぶと、隣にいたギョンスが、まぁまぁ、と肩を叩いて宥めている。
「うーん、じゃあ仕方ない」
風呂場ならいいよ、と言うシウミンの言葉にチャニョルもベッキョンもタオもセフンも、みんな「わーい!」と手を上げて歓喜した。
「やっぱチェンには甘いなぁ、このヒョンは」
「そう?」
うんうん、と4つの頭が縦に揺れる。
「ところでスホは?」
「庭でクリスヒョンと一緒にフェニちゃんとドラゴニに水浴びさせてます」
「チャニョルは行かなくていいのか?」
「なんで?」
「だってお前のフェニちゃん、ドラゴニが怖いんだろ?」
「あぁー、スホヒョン居れば大丈夫みたいです」
「ふーん。懐かれてんだな」
「はい!フェニちゃんは俺に似て人懐っこいので!」
「そんなこと言ってると、飼い主鞍替えされたりしてな!」
ベッキョンが、くくく、と肩を震わせて笑いながら口を挟んだ。
「だからー!フェニちゃんはペットじゃなくて能力なんだってば!!」
「似たようなもんだろ」
「全然違うから!」
「てゆーか水と火って相性悪いんじゃないんですか?」
「あぁ、確かに。フェニちゃん鎮火してるかもな」
「えっ!?……いやいや大丈夫だし!てかだったらドラゴニもでしょ!?」
「は?ドラゴニは火を吹くってだけで能力自体は飛行なんだから、お前と一緒にすんな」
「え……あ…………フェニちゃーーーーーーーん!!!」
庭に駆けてくチャニョルの背中を見送って、一行はシウミンが冷凍庫化したバスルームに逃げ込むことにした。
こんな涼の取り方も、また一興である。
おわり