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ルハンとシウミン

131015 君の虜



キムミンソクという男は気紛れだ。


さっきまで笑顔を見せていたかと思えば、急に真顔になったり。べったべたに甘えてきたかと思えば、素っ気なかったり。今はどのミンソクだろう、なんて考えたりする。


「ねぇ、コンビニ行かない?」
「う~ん……」

あ、今は面倒くさがり屋のミンソクだ。

「ね?行こうよ」
「えぇー」

ベッドに寝そべるミンソクの腕を引っ張ってもなかなか「うん」と言ってくれない。

「僕アイス食べたいんだもん」
「俺は別に食べたくないー」

「行こうよー」って叩いたりしても動かない。
こうなりゃ最終手段。


「もー!タオ起こして連れて行くからいい」

そう言えば、「仕方ないなぁ」って言ってくれるのを知ってるから。


「あぁ、もう仕方ないなぁ。タオはもう寝てるだろ」


ほらね。
ミンソクがマンネ達に甘いのを僕は知っている。


「ミンソガー!好きー!」
「あー、はいはい」
「なにそれ。僕が好きって言ったら?」
「……好きっていう」
「正解!はいどうぞ?」
「……俺も、好きだよ」

真っ赤な顔で言う君がさらに大好きで。一体いつになったら慣れるんだろうって思うけど、慣れてしまったらこんなに可愛いミンソクが見れなくなっちゃうから、慣れなくてもいいや、なんて思ったり。



二人で静かに宿舎を抜けて、夜のコンビニまでちょっとのデート。
今夜は満月だね、なんて話しながらこっそり手を握った。路地を抜けて二軒向こうのコンビニまで。ミンソクが僕の我が儘に弱いことを知っているから。繋いだ手を引っ張って歩き出した。

「ねぇ……」
「んー?」

振り向いた君に不意打ちのキス。

「お前っ!」
「あはは!」

また頬を赤くして怒り出すけど、怖くなんてない。

「ここ外なのに、誰かに見られたらどうすんだよ」
「誰もいないよ?」
「っ、そうだけど……」

誰もいないよ。僕たちのほかには、誰も。

「なぁ……」
「んー?」
「……いや、なんでもない」
「なに?気になるじゃん」


「う~ん。このまま、誰も知らないところに行けたらいいのになぁ、って」


少しだけ恥ずかしそうに、でもものすごく自然に。ミンソクがそんなことを言うから、僕はこのまま死んでもいいやって思うくらい嬉しくなった。

そうやって、君がたまに溢してくれる愛の言葉を聞くだけで、僕は愛されてるなぁって思えるから、本当にこのまま誰も知らないところまで行っちゃおうか、なんて。
君を振り回して、君に振り回されて、僕はどんどん君の虜になっていく。




終わり
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