惑星日和
【惑星日和#2】
************
「あ……、またやってるの?」
レイヒョンが指をくわえて恨めしげな瞳でこちらを見ていた。
「しょうがないじゃないですか」
「でも……」
「ヒョン、それ以上怒らないでくださいよ」
角出てますから、とディオが間に入る。
「だってぇ……」
「もうすぐ終わりますから。終わったら一緒に遊びましょう」
「うん……でもさ、どうしてもその格好じゃないとダメなの?」
「これが一番効率がいいんです」
「だけどさぁ……」
この格好、つまりディオに背中からべったりと抱きつく格好。これが一番いいのだ。
放電には。
こうやって定期的にディオに抱きついて放電しないと僕は体内に電気が貯まりすぎて逆毛が立ったり、触るたびに静電気が起きたりと、まぁ何かと大変なんだ。
だから僕はディオに放電する。
「いいなぁ~俺もディオに抱き付きたい」
そうこうしてるとクマのぬいぐるみを抱き締めた尖った耳にでかい図体のギャラリーがもう一人増えていた。
「僕もチェンに抱きつかれたい……」
「ですよね、狡いですよね二人だけ!」
「うん、ズルい……」
「もー!僕だって放電しないと大変なんだから!僕の気も知らないで」
「じゃあチェンが終わったら俺も放電していい?!」
ぎゅっとぬいぐるみを抱き締める腕に思わず力が入ったのか腕の中のクマが悲鳴をあげている。そんなぬいぐるみに同情の視線を向けるとディオは言った。
「チャニョリは関係ないだろ」
「えー!俺だってこう、炎が燻って……」
チャニョルが身振り手振りを交えて話すので、クマが今度はブンブンと振り回されてぐったりとしていた。
嗚呼、南~無~
「ベクにでも抱きついてれば~?」
「え?ベク?!あ、え?」
「チャンニョラ、顔真っ赤~!」
「おいこら!ベクはな、俺の太陽なの!光なの!分かる?!光の騎士なの!邪な目で見るんじゃありません!」
ねぇ、レイヒョン!と、話を振った相手を間違えたことに、チャニョルはそのあと気づく。
「あ……、」
「うぅ……チェン……チェン……」
「ヒョン、だから角。出てますってば。危ないから早くしまってください」
「いや、無理だろ。それ終わるまでは」
「チェン、まだ?」
う~ん、そろそろいいかな。
わさわさしてたのはだいぶ治まったし。
てゆーか多分、レイヒョンが限界だ。
「うーん……、いいやオッケー!ありがとうディオや~!」
放電完了。
僕は最後にぎゅっとディオを抱き締めた。
ディオは、ふぅ、と一息ついていた。
「ヒョン、終わりましたよ」
「ちぇん~」
今度はレイヒョンが笑顔で抱きついてくる。
僕も、ふぅ、と一息ついた。
だってしょうがないでしょ?
これをしないとバチバチしちゃってヒョンにも触れないんだから。痛い思いはさせたくないし。僕ってほら、優しいから。
「じゃあヒョン、部屋行きましょうか!」
これでやっとゆっくり愛し合える。
と、その前に。
『ヤバい!!!ちょっとリビングに来て!大至急!すごいもの見れるよ!!』
きっと自室でゲームでもしてる光の騎士にメールをひとつ。
こういう時は何事も大袈裟に、と。
「なにやってるの?」
「なんでもないですよー。ちょっと友情を大事にしてただけです。さ、行きましょう!」
勢いよく近づいてくる足音を聞きながら、僕はレイヒョンと自室へと戻っ……否、避難した。
「なになに~!?事件!?……って、あ……!」
「あ……ベッ、キョナ……」
「お前なにディオに抱きついてんだよ!!!!チャニョルの分際で!!!」
「わぁぁぁ!!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!」
「ごめんで済んだら警察要らないって言葉知ってっか!?え!?」
「わわわ!でもごめんなさいぃぃぃぃ!!やだ!蹴らないでぇぇぇぇ!!!」
「じゃあ紫外線でその自慢の顔シミだらけにしてやろうか!?んぁ?!」
「嫌です!!!それも勘弁してくださいぃぃぃぃ!!!もうしません!!ごめんなさいぃぃぃ!!」
あぁ、チャンニョラ。
君こそ、南~無~
おわり
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「あ……、またやってるの?」
レイヒョンが指をくわえて恨めしげな瞳でこちらを見ていた。
「しょうがないじゃないですか」
「でも……」
「ヒョン、それ以上怒らないでくださいよ」
角出てますから、とディオが間に入る。
「だってぇ……」
「もうすぐ終わりますから。終わったら一緒に遊びましょう」
「うん……でもさ、どうしてもその格好じゃないとダメなの?」
「これが一番効率がいいんです」
「だけどさぁ……」
この格好、つまりディオに背中からべったりと抱きつく格好。これが一番いいのだ。
放電には。
こうやって定期的にディオに抱きついて放電しないと僕は体内に電気が貯まりすぎて逆毛が立ったり、触るたびに静電気が起きたりと、まぁ何かと大変なんだ。
だから僕はディオに放電する。
「いいなぁ~俺もディオに抱き付きたい」
そうこうしてるとクマのぬいぐるみを抱き締めた尖った耳にでかい図体のギャラリーがもう一人増えていた。
「僕もチェンに抱きつかれたい……」
「ですよね、狡いですよね二人だけ!」
「うん、ズルい……」
「もー!僕だって放電しないと大変なんだから!僕の気も知らないで」
「じゃあチェンが終わったら俺も放電していい?!」
ぎゅっとぬいぐるみを抱き締める腕に思わず力が入ったのか腕の中のクマが悲鳴をあげている。そんなぬいぐるみに同情の視線を向けるとディオは言った。
「チャニョリは関係ないだろ」
「えー!俺だってこう、炎が燻って……」
チャニョルが身振り手振りを交えて話すので、クマが今度はブンブンと振り回されてぐったりとしていた。
嗚呼、南~無~
「ベクにでも抱きついてれば~?」
「え?ベク?!あ、え?」
「チャンニョラ、顔真っ赤~!」
「おいこら!ベクはな、俺の太陽なの!光なの!分かる?!光の騎士なの!邪な目で見るんじゃありません!」
ねぇ、レイヒョン!と、話を振った相手を間違えたことに、チャニョルはそのあと気づく。
「あ……、」
「うぅ……チェン……チェン……」
「ヒョン、だから角。出てますってば。危ないから早くしまってください」
「いや、無理だろ。それ終わるまでは」
「チェン、まだ?」
う~ん、そろそろいいかな。
わさわさしてたのはだいぶ治まったし。
てゆーか多分、レイヒョンが限界だ。
「うーん……、いいやオッケー!ありがとうディオや~!」
放電完了。
僕は最後にぎゅっとディオを抱き締めた。
ディオは、ふぅ、と一息ついていた。
「ヒョン、終わりましたよ」
「ちぇん~」
今度はレイヒョンが笑顔で抱きついてくる。
僕も、ふぅ、と一息ついた。
だってしょうがないでしょ?
これをしないとバチバチしちゃってヒョンにも触れないんだから。痛い思いはさせたくないし。僕ってほら、優しいから。
「じゃあヒョン、部屋行きましょうか!」
これでやっとゆっくり愛し合える。
と、その前に。
『ヤバい!!!ちょっとリビングに来て!大至急!すごいもの見れるよ!!』
きっと自室でゲームでもしてる光の騎士にメールをひとつ。
こういう時は何事も大袈裟に、と。
「なにやってるの?」
「なんでもないですよー。ちょっと友情を大事にしてただけです。さ、行きましょう!」
勢いよく近づいてくる足音を聞きながら、僕はレイヒョンと自室へと戻っ……否、避難した。
「なになに~!?事件!?……って、あ……!」
「あ……ベッ、キョナ……」
「お前なにディオに抱きついてんだよ!!!!チャニョルの分際で!!!」
「わぁぁぁ!!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!」
「ごめんで済んだら警察要らないって言葉知ってっか!?え!?」
「わわわ!でもごめんなさいぃぃぃぃ!!やだ!蹴らないでぇぇぇぇ!!!」
「じゃあ紫外線でその自慢の顔シミだらけにしてやろうか!?んぁ?!」
「嫌です!!!それも勘弁してくださいぃぃぃぃ!!!もうしません!!ごめんなさいぃぃぃ!!」
あぁ、チャンニョラ。
君こそ、南~無~
おわり