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惑星日和

ここはエクソプラネット。
12人の選ばれし能力者が身を潜めている。
そんな彼らのおかしな日常。

**************

【惑星日和#1】

**************


「ねぇセフナ、出掛けようよ」
「うん、いいよ」


そう言って出掛けた先は街の繁華街。
ガードレールに並んで腰掛ける。
そうとくれば、僕らがやる遊びは1つしかない。


「ねぇ、あの人は?」
「うーん……」
「じゃああの人!」


僕がこっそり指を指すとセフンは「オッケー」と頷いた。


「僕、水色!」
「じゃあ僕はピンクのレース」
「いくよ」


そう言ってセフンが唇を突き出してふーっと息を吐き出せば、さっき僕らが選んだ女の人は「キャ!」と高い声をあげてスカートを押さえた。


「やった水色だ!」


セフンは嬉しそうに小さくガッツポーズをする。


「えー、じゃあ上は?」
「うーん、セット。タオは?」
「僕バラバラ」
「オッケー」


今度は僕の番。
セフンの手を掴んで、逆の方の腕を上げる。
パチンと指を鳴らせば僕ら以外の時間は止まる。

そのままセフンの手を引いて女性の前まで歩く。


「ごめんねぇ」


聞こえやしないけど一応一言謝って、そーっとシフォンのシャツを目繰り上げた。


「あー」
「やった!僕の勝ちだね!」


たましてもセフンの勝ち。
僕はがっくり項垂れた。
と、目線の先。


「あぁー、僕起ってきちゃった」
「えー。タオのスケベ」
「えへへ」


僕の息子はパンツの中で弛く起ち始めていた。


「どうする?もう一人やる?」
「うん!次やったら帰る!」
「オッケー」


早く帰ってセフンとイチャイチャしたいけと、負けたまま帰るなんてできないでしょ?


僕たちは元のガードレールに戻って、また指をパチンと鳴らした。



「えーっとじゃあ、あの人!」
「……タオってさぁ、ホントあーゆうの好きだよね」
「あーゆうのって?」
「色白で綺麗系」
「うん!あ、ヤキモチ?」
「なに言ってんの」
「へへ。セフナ可愛いね」


言うと照れてるのかセフンは頬を赤く染めた。


「早く、行っちゃうじゃん。僕は白」
「あ、そっか!じゃあ僕は紫!」
「オッケー。いくよ」


またセフンがふーっと息を吹き込む。
ひらりと揺れたスカートから覗いた色は、


「残念、ピンクでしたー」
「あーあ。じゃあ次上ね。僕セットー!」
「じゃあ僕はバラバラで」


手を繋いで、反対の手を上をあげる。
指をパチンと鳴ら……ってあれ?


「どうしたの?」
「セフナ!僕の指動かないよ!」
「えぇー?」
「なんで?!」
「知らないよ!」

「『なんで?!』じゃないよ!」


急に混ざった声に驚いて振り返るのと、僕らが頭を叩かれるのはほとんど同時だった。


「ルハニヒョン!」
「お前らまたそんなことやってんのかよ」
「えへへぇ。シャオルーはなにやってんの?」
「シウちゃんとデートに決まってんじゃん」
「ん?だってシウちゃんいないよ?」
「え?!」


ルハンは慌てて辺りを見回した。
だけど。
あ!あの建物の影からプラプラと歩いてくる小さな可愛い影はシウちゃんだ!


「シウちゃーん!」


ルハンも気づいて声をあげる。


「ルハナー」


早いよー、とシウちゃんは仕方なそうに笑って近づいてきた。

僕らも笑顔で手を振ると 「あれ?お前ら何やってんの?」と、シウちゃんも僕らに気付いて声をあげた。



「なにもかにもあったもんじゃないよ!こいつらまたやってんの、あれ」


あれ。
つまり、スカート捲りとかそうゆうやつ。


「えへへぇ。だって使わないと鈍るってスホヒョンもいつも言ってんじゃーん」


僕が言うと、もっと違うことに使え!ってルハンにまた叩かれた。


「あ、そうだ!今日遅くなるからってスホに言っといて」
「えー!なんでぇ!!タオも行く!!」
「そうですよ!僕らも連れてってください!!」
「だめー。お前らはさっさと家に帰ってディオの美味しい飯でも食って風呂入って歯磨いてとっとと寝ろ!」
「いじわるー」


なんて言ってるけど、これからルハンがシウちゃんとイイコトしようとしてるの知ってるもんね!僕は偉い子だからちゃーんと分かってるもん!


「シウちゃん、行こ!」


ルハンはシウミンの肩を抱き寄せると、背中を向けて歩いて行った。


「お前らもさっさと帰れよー!」
「分かってるって!」


じゃあねぇー!と僕らも大きく手を振った。

さーて、帰ろっか。





「あ、そうだ!」
「タオどうしたの?」


大事なものを忘れてた!
シウちゃんのために。

僕はセフンの腕を掴んでパチンと鳴らす。
二人のところへと走っていって、それからポケットの中を探って。


「なにやってんの?」
「へへぇ。僕エライからシウちゃんのために!」


あった!
手に当たったのは四角い小さなパウチ。
いつなんどきでもセフンとできるように持ち歩いているコンドームをシウミンのポッケに忍ばせた。


「そんなことしたらまたルハニヒョンに怒られるよ?」
「だってシウちゃんのためだもん。生はあとから大変でしょ?」


言うとセフンは何か思い出したのかまた頬を赤くした。


「そうだね!」と笑うセフンが可愛くて、赤い頬にキスをした。


「僕らも早く帰ろうよ」
「うん!!」





おわり
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