レイとチェン
131105 何でもない日の贈り物(レイチェン)
「ねぇ!シンシンぐぅ!」
そう言ってジョンデは後ろから抱きついてきた。
「わぁ!ジョンデ!どうしたの?」
顔を横に向けてジョンデの方を向くと、にゃははと独特な笑い方で目をつり上げて笑っていた。
可愛い可愛い僕の子猫。
そうして今度はピョンって効果音が付きそうな仕草で僕の正面に立って、グーした手を二つ突き出す。
「なぁに?」
「ヒョン、どっちがいいですか?」
ニコニコと、眉を垂らして目を細めて、口角を上げて首をコテンと傾げた。
「え?なぁに?どうしたの?」
「いいからいいから」
「じゃー、こっち?」
促されるまま僕は右を選んだ。
「えぇー!右ですか?左の方がいいのに」
「え!?左?」
聞くと、うんうんと頷いている。
「じゃあ、こっち……?」
グーになった左手を指差すと、ジョンデはひひひと笑ってその手を開いた。
「ジャジャーン!正解したヒョンにプレゼントでーす!」
にゃはははは、とまた笑いながら目の前に差し出されたのは、シルバーのシンプルなネックレス。
僕は突然のプレゼントの意味がわからなくて、しばし固まった。
「……嬉しくないですか?」
彼が眉を下げて覗き込んできたけど、僕の頭は未だ混乱中。
「……なんで?」
「ふふ。ヒョンに似合いそうだったので」
僕格好よくないですか?と悪戯っぽく笑う。
「……もらっていいの?」
「もちろん!ヒョンのために買ったんですから」
「ありがとう、ジョンデ」
堪らず目の前の可愛い子猫を抱き締めた。
すると、応えるようにゆっくりとまわされる腕。
「何でもない日の記念です。ヒョンとこれからもずっと一緒にいれるように」
「ありがとう。大事にする」
「はい、大事にしてください」
くくくって笑い声が肩越しに響いた。
僕の子猫はなんて可愛いんだろう。僕にはもったいないけど、僕も好きだから誰にも譲らない。神様にお願いされたって譲れない。ごめんなさい。
「ヒョン!つけてあげます!」
そう言って温もりが離れたのがちょっと淋しい。でも。
ジョンデは少し離れて正面から僕の首もとに腕を回して、ネックレスを付けてくれた。時折首もとにかかる吐息がくすぐったくて笑った。
そして、「ついた!」って言ってついでみたいに僕の唇に小さくキスをして。
僕はまた驚いて目をぱちくりさせて、ジョンデはまた悪戯っ子みたいに笑った。いつもこの繰り返し。
「あはは!ありがとう!似合う?」
「はい!とーっても!」
ジョンデを包む空気はいつも暖かい。柔らかい。優しい。穏やかで日溜まりのような子だ。
「実はー、さっき何でもない日の記念ですって言ったでしょ?だからぁ、」
ジャジャーン!
効果音を付けながらTシャツの中から取り出したのは、僕が今もらったのとお揃いのネックレス。
「あ……!」
「やっぱりー、記念の品はお揃いじゃないとー!」
ですよね?と首を傾げる。
僕は可笑しくて、うんうんと何度も首を振った。
「似合います?」
「とーっても!」
にゃはは、とまたあの可愛い声で笑うジョンデに、今度は僕から甘いキスを贈った。
おわり
「ねぇ!シンシンぐぅ!」
そう言ってジョンデは後ろから抱きついてきた。
「わぁ!ジョンデ!どうしたの?」
顔を横に向けてジョンデの方を向くと、にゃははと独特な笑い方で目をつり上げて笑っていた。
可愛い可愛い僕の子猫。
そうして今度はピョンって効果音が付きそうな仕草で僕の正面に立って、グーした手を二つ突き出す。
「なぁに?」
「ヒョン、どっちがいいですか?」
ニコニコと、眉を垂らして目を細めて、口角を上げて首をコテンと傾げた。
「え?なぁに?どうしたの?」
「いいからいいから」
「じゃー、こっち?」
促されるまま僕は右を選んだ。
「えぇー!右ですか?左の方がいいのに」
「え!?左?」
聞くと、うんうんと頷いている。
「じゃあ、こっち……?」
グーになった左手を指差すと、ジョンデはひひひと笑ってその手を開いた。
「ジャジャーン!正解したヒョンにプレゼントでーす!」
にゃはははは、とまた笑いながら目の前に差し出されたのは、シルバーのシンプルなネックレス。
僕は突然のプレゼントの意味がわからなくて、しばし固まった。
「……嬉しくないですか?」
彼が眉を下げて覗き込んできたけど、僕の頭は未だ混乱中。
「……なんで?」
「ふふ。ヒョンに似合いそうだったので」
僕格好よくないですか?と悪戯っぽく笑う。
「……もらっていいの?」
「もちろん!ヒョンのために買ったんですから」
「ありがとう、ジョンデ」
堪らず目の前の可愛い子猫を抱き締めた。
すると、応えるようにゆっくりとまわされる腕。
「何でもない日の記念です。ヒョンとこれからもずっと一緒にいれるように」
「ありがとう。大事にする」
「はい、大事にしてください」
くくくって笑い声が肩越しに響いた。
僕の子猫はなんて可愛いんだろう。僕にはもったいないけど、僕も好きだから誰にも譲らない。神様にお願いされたって譲れない。ごめんなさい。
「ヒョン!つけてあげます!」
そう言って温もりが離れたのがちょっと淋しい。でも。
ジョンデは少し離れて正面から僕の首もとに腕を回して、ネックレスを付けてくれた。時折首もとにかかる吐息がくすぐったくて笑った。
そして、「ついた!」って言ってついでみたいに僕の唇に小さくキスをして。
僕はまた驚いて目をぱちくりさせて、ジョンデはまた悪戯っ子みたいに笑った。いつもこの繰り返し。
「あはは!ありがとう!似合う?」
「はい!とーっても!」
ジョンデを包む空気はいつも暖かい。柔らかい。優しい。穏やかで日溜まりのような子だ。
「実はー、さっき何でもない日の記念ですって言ったでしょ?だからぁ、」
ジャジャーン!
効果音を付けながらTシャツの中から取り出したのは、僕が今もらったのとお揃いのネックレス。
「あ……!」
「やっぱりー、記念の品はお揃いじゃないとー!」
ですよね?と首を傾げる。
僕は可笑しくて、うんうんと何度も首を振った。
「似合います?」
「とーっても!」
にゃはは、とまたあの可愛い声で笑うジョンデに、今度は僕から甘いキスを贈った。
おわり