ルハンとシウミン
140412 ずっとふたりで
「春だねぇ」
「なに、急に」
ルハンが急に、本当に急に言い出すもんだから俺は思わず首をかしげた。
「だってほら、もうすぐミンソクの誕生日でしょ?」
言われて日付を確認すると、あぁもうそんな時期かって。
「ミンソギの誕生日が来ると、毎年春だなぁって思うんだよね。桜が咲くのより少し早くて、いつも一番に春を教えてくれるから」
「はは、そうなの?」と笑うとルハンは笑顔で頷いた。
「僕の誕生日だともう散り始めてるけど、ミンソギの誕生日だとちょうど咲く直前くらいだもんね」
「あぁー、そうかもね」
「だから、ミンソギの誕生日が来ると春だなぁって」
ルハンは幸せそうに笑う。
「春ってわくわくするよね」
「うんうん」
「だからミンソギの誕生日って特別嬉しいんだ」
可愛いミンソクがまたひとつ歳とっちゃうのは残念だけど、なんて付け加えるもんだから俺は「どうせ正月に一緒に歳とるじゃん」なんて言ってやった。
「そうだけど……」
「そう考えたら俺らってさ、違う国で生まれたのに今は一緒に歳とってるんだからすごいよな」
本当に。すべてのカラクリに感謝したくなる。
俺やルハンを産み育ててくれた両親にも、事務所に入れてくれたスタッフにも、同じグループにしてくれた事務所のお偉いさんにも。
俺たちを取り巻くすべての出来事のどれかひとつでも欠けたら、今こうして一緒にはいなかったかもしれない。そしたら俺はルハンという相棒を見つけてなかったかもしれなくて。
今ルハンがいる場所には別の誰かがいたかもしれないし、今俺がいる場所には別の誰かがいたかもしれない。そんな人生は考えられないけど、現実にそうなっていたかもしれない、なんて。
人生にもしもはないけどそんなことを考えてしまうんだ。
「そんなことないよ」
「ん?」
「僕は、ミンソギがどこにいて何をしてても見つけ出せるから」
大丈夫、僕に任せて。ってルハンは力強く笑う。
「だってね、もしミンソクが事務所に入ってなかったとして、でもトンバンシンギ先輩すきでしょ?そしたらSMタウンとかに行くじゃん?そしたら僕客席にいるミンソク見つけるし。同じグループにならなかったとしても同じ事務所にいたらやっぱり僕はミンソク見つけるし。あとはなんだっけ?あぁ、僕が事務所に入ってなかったら?でもミンソクがデビューしてたらやっぱり僕はミンソク見つけるよ」
「俺がデビューしてなかったら?」
「うん、それでも僕はミンソクを見つけると思う。違う国にいても、全然知らない人だったとしても」
自慢気に言うルハンを見てなんだか妙に可笑しくて、やっぱり笑った。
「わかったよ。じゃあ俺はルハンが見つけてくれるのをずっと待ってる」
だってルハンが目の前に現れたら、きっと俺は間違いなく恋に落ちるから。
ルハンが俺を見つけてくれさえすれば、俺たちは大丈夫な気がするよ、なんて少し他力本願過ぎるだろうか。
でも、俺たちは今現実に隣にいるんだから、そんな心配は無用なんだろうなぁ、きっと。
だったら俺は、これからもずっとふたりで年を取っていけることだけを願おう。
今みたいに隣で。
おわり
「春だねぇ」
「なに、急に」
ルハンが急に、本当に急に言い出すもんだから俺は思わず首をかしげた。
「だってほら、もうすぐミンソクの誕生日でしょ?」
言われて日付を確認すると、あぁもうそんな時期かって。
「ミンソギの誕生日が来ると、毎年春だなぁって思うんだよね。桜が咲くのより少し早くて、いつも一番に春を教えてくれるから」
「はは、そうなの?」と笑うとルハンは笑顔で頷いた。
「僕の誕生日だともう散り始めてるけど、ミンソギの誕生日だとちょうど咲く直前くらいだもんね」
「あぁー、そうかもね」
「だから、ミンソギの誕生日が来ると春だなぁって」
ルハンは幸せそうに笑う。
「春ってわくわくするよね」
「うんうん」
「だからミンソギの誕生日って特別嬉しいんだ」
可愛いミンソクがまたひとつ歳とっちゃうのは残念だけど、なんて付け加えるもんだから俺は「どうせ正月に一緒に歳とるじゃん」なんて言ってやった。
「そうだけど……」
「そう考えたら俺らってさ、違う国で生まれたのに今は一緒に歳とってるんだからすごいよな」
本当に。すべてのカラクリに感謝したくなる。
俺やルハンを産み育ててくれた両親にも、事務所に入れてくれたスタッフにも、同じグループにしてくれた事務所のお偉いさんにも。
俺たちを取り巻くすべての出来事のどれかひとつでも欠けたら、今こうして一緒にはいなかったかもしれない。そしたら俺はルハンという相棒を見つけてなかったかもしれなくて。
今ルハンがいる場所には別の誰かがいたかもしれないし、今俺がいる場所には別の誰かがいたかもしれない。そんな人生は考えられないけど、現実にそうなっていたかもしれない、なんて。
人生にもしもはないけどそんなことを考えてしまうんだ。
「そんなことないよ」
「ん?」
「僕は、ミンソギがどこにいて何をしてても見つけ出せるから」
大丈夫、僕に任せて。ってルハンは力強く笑う。
「だってね、もしミンソクが事務所に入ってなかったとして、でもトンバンシンギ先輩すきでしょ?そしたらSMタウンとかに行くじゃん?そしたら僕客席にいるミンソク見つけるし。同じグループにならなかったとしても同じ事務所にいたらやっぱり僕はミンソク見つけるし。あとはなんだっけ?あぁ、僕が事務所に入ってなかったら?でもミンソクがデビューしてたらやっぱり僕はミンソク見つけるよ」
「俺がデビューしてなかったら?」
「うん、それでも僕はミンソクを見つけると思う。違う国にいても、全然知らない人だったとしても」
自慢気に言うルハンを見てなんだか妙に可笑しくて、やっぱり笑った。
「わかったよ。じゃあ俺はルハンが見つけてくれるのをずっと待ってる」
だってルハンが目の前に現れたら、きっと俺は間違いなく恋に落ちるから。
ルハンが俺を見つけてくれさえすれば、俺たちは大丈夫な気がするよ、なんて少し他力本願過ぎるだろうか。
でも、俺たちは今現実に隣にいるんだから、そんな心配は無用なんだろうなぁ、きっと。
だったら俺は、これからもずっとふたりで年を取っていけることだけを願おう。
今みたいに隣で。
おわり