「あ、真島さんじゃないですか〜」
「あ？って誰やお前」
「ひどっ！なまえですよなまえ」
「なんや、髪バッサリいったのぉ」
「はい、なんとなく短くしようかなぁと思って」
「ほー…で、どいつに振られたんや」
「え？いやいや、別に告白もしてないし振られてもないですよ」
「ちゃうんか」
「そうですよ。ていうか振られたら髪の毛切るってなんかもう古くないですか？」
「誰がおっさんや！！」
「そんなこと一言も言ってないんですけど」
「しっかし髪切るだけで雰囲気変わるのぉ」
「えっほんとですか？私の可愛さに気絶しそうですか？」
「ついでにその憎たらしい口も変えてきてくれや」
「はは、冗談ですよ」
「まぁ可愛いんやないの。なまえって分かった瞬間気失いそうになったしな」
「はは、真島さんの冗談全然面白くないですね…え？なんでマジな顔してんですか」


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「遅かったですね」
「いやぁすまんのぉ…道聞かれてしもて」
「ふーん…よくこんな怖そうな顔と格好した人に道聞きますよね」
「失礼なやっちゃな…なーにをそないに拗ねとるんや…」
「拗ねてないですけど」
「すまん言うてるやんけ…」
「別に怒ってないです」
「嘘こけ、あからさまに拗ねてるやないか」
「………」
「なぁ、言ってくれんと分からんやろぉ？言ってくれや…」
「…真島さんは、やっぱりおっぱいが大きくて綺麗なお姉さんの方が、好きなんですよね」
「あぁ？」
「…綺麗なお姉さんにあんなにこにこしちゃってさぁ」
「おまっ、さっきの見てたんか！？」
「はい、この場所から思いっきり」
「さっきも言うたけどほんまに道聞かれただけやで」
「へぇ〜、その割にはデレデレしてましたよね」
「しとらんわッ！」
「…私にももっとああいう顔見せてください」
「それは無理な話やなぁ」
「えっ」
「なまえには本物のワシしか見せれん」
「……ずるい人」
「嫉妬しとんなら素直にしてますぅて言えばええ」
「うるさいですよ！」



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「なんや、歩きずらそうやの」
「あはは、意地張って履き慣れてない高さのヒールで来ちゃいました」
「ほーん」
「私のことは気にせず真島さんのペースで歩いてくださいね」
「ド阿呆、そないなことしたら置いてってまうやないか。誰がこないな可愛い彼女置いてくねん」
「はは…迷惑かけちゃってすみません」
「んなこと思っとらんわ。それに…」
「それに？」
「ワシのためにそないなべっぴんさんになってくれたんやろ？ワシゃ嬉しくてたまらんわ」
「…またこれ履いてきます」
「ヒヒッ！ほれ、転んだらあかんし腕掴まっとき」



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「なまえちゃん来たで〜」
「うっ…ま、真島ざん…」
「って！なに泣いてんねん！」
「だって…！ひっく…これが泣かずにいられないですよおおお…！」
「あーあー、わーったから…話聞いたるから一旦落ち着こうや、な？」
「うっ…うっ…はい…」
「で？そないに泣いてどないしたん？」
「実は…真島さんから貰った、ネックレス…無くしちゃって…」
「なんやぁ、そないなことか！」
「そないなことちゃいますぅ！私にとっては…とっても、とても、大事な…」
「あー…すまんかった…よし！じゃあ今から外行くで！」
「え…？」
「前買ったやつよりええやつ買ったる！そんでそのあとは美味いもんでも食べいこうや！」
「ほんとに…？」
「ほんまにほんまや！」
「ぐすっ…化粧してきます…」
「すっぴんでもかまわんで」
「こんなひどい顔で出れません…！」
「かわええ顔しとるけどなぁ」



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「あ、真島さんいらっしゃい」
「おう！って、なんや随分ぬくぬくしとるやん」
「いやぁ一回入るとなかなか出れないんですよねぇこたつって」
「随分ぞっこんやないか！浮気は許さんでぇ！？」
「えぇ…勘弁してくださいよぉ…」
「机ごときになまえちゃん盗られてたまるかっ！こうしたる！」
「えっ、ちょ！なんで私が入ってるとこ入るんですか！空いてるとこ入ってくださいよっ！」
「それじゃ意味ないやろが！どや！真島特性背もたれは！同時にお腹も暖められるで！」
「…悪くないですね」
「なんならみかんも剥いて食べさせたるわ」
「あ〜最高ですね…」
「それになまえちゃん専用やでぇ？」
「当たり前じゃないですか」



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「あっ、またはみ出しちゃった…」
「どないしたん？」
「あ、真島さん」
「なんや、随分かわええおててしとるやん」
「あはは、ありがとうございます。上手く塗れもしないのに可愛い色があったからつい買っちゃって…」
「ほーん…」
「うぬぬぬ…」
「なぁ、なまえちゃん、ワシが塗ったろか？」
「え？真島さんがですか？」
「せや！いっちょ吾郎ちゃんに任せてみ！」
「うーん、そうですね。お願いします！」
「おう！じゃ、まず右手からやな」
「はい」
「ほぉ…すべすべでちっこくてほっそいおててやなァ…」
「そ、そういうのはいいですから…！」
「あぁ？ほんまのこと言っただけやないか」

「よっしゃ！こんなもんやろ！」
「え、えぇ〜？」
「どや？なかなか綺麗に塗れたんとちゃうか？」
「真島さんネイル塗るの上手くないですか…？上手すぎて感動しました…」
「ヒヒッ！大げさやなぁ。ま、褒められて悪い気はせんわ！」
「次も指名していいですか？」
「おう！永久指名でええで！」



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「なまえちゃんどれにするか決めたか？」
「うーん…どの手袋も可愛くて悩んじゃいますね…」
「これなんかどうや？」
「うっ…かわいい…」
「こっちも似合いそうやのぉ」
「すごい…中めちゃくちゃもふもふしてます…」
「ヒヒッ全然決めれんやんけ」
「すみません…」
「ええ、ええ、好きなだけ悩めや」
「あ、」
「お？いいのあったんか？」
「これにします」
「真っ黒？まぁお上品で可愛らしい思うけど…もっと可愛いやつじゃなくてええんか？」
「はい、これにします…真島さんとお揃いみたいで、いいなって、思って…」
「買うてくるわ」
「いや、あの、」
「レジはあっちか」
「今の忘れてくださ…」
「お利口さんに出口で待っとるんやで」
「私の話聞いてくれます！？」