夜よどうか攫っておくれ(支配人)
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「笑いすぎやろ」
歌い終わった真島くんが席に戻ってきた。笑われすぎたのが気に触ったのか少し不満そうな顔をしていた。
「いや、だって…ふふ、そんないかつい顔して…あんな歌…ブッ!あっはっは!」
「なにツボに入ってんねん」
「はーっ…笑った笑った…ほんと、真島くんサイコーだわ…」
「フッ…そないに思いっきりわろてるみょうじちゃん見たことあらへんから今日のところは勘弁したるわ」
真島くんは困ったような笑顔を見せながらお酒を飲む。
「にしても真島くん、歌上手いんだね」
「ヒヒ、せやろ?」
「でもあの曲選ぶのはほんとに面白い」
「せやろかぁ?いい曲やと思うで、俺は。お前のために歌っとるみたいで」
「は?」
今、なんて言った?あんな甘酸っぱい歌詞を、私のために?いつからそんなキザな台詞を吐くようになったのだろうか。
「顔、真っ赤やで」
「なっ…!」
顔の赤さを指摘されてさらに顔が熱くなるのを感じた。
「こ、これは…お酒が、回ってきて…」
咄嗟に思いついた嘘は先程真島くんがついていた嘘だった。
「ほーん?」
「ほんとだから!別に、真島くんなんかに…」
「…ほんまに、みょうじちゃんは素直な子やわ」
「は、はぁ!?何をどう思ってそうなったの!?」
彼氏に振られた原因、お前のその可愛げのない態度に疲れた。もっと素直になればいいのに。だぞ!?
「…みょうじちゃんに、ええこと教えたろうか?」
「は…なに…?」
真島くんは不敵な笑みを見せながら私の方を指さす。
「みょうじちゃんな、嘘つくときそうやって髪の毛いじっとるんやで?」
それを聞いた瞬間左手で髪をいじっている自分がいて、唖然とした。
「あ…」
「もしかして、気づいとらんかったん?」
「う…」
それじゃあ今の今まで嘘ついてたのはバレバレだったってこと…?
「い、言ってよ!!」
「わざわざ言うことやないやろ」
「私にとっては言ってほしかったことなの!」
「言っとったらみょうじちゃんのそないにかわいいお顔見れんかったんやで?」
「み、見なくていいし!!」
どうしようもなく恥ずかしくて今すぐこの場から消えていなくなりたかった。真島くんに顔を見られたくなくて机に突っ伏す。もうほんと、最悪。真島くんのばか。
「おい、拗ねとらんで行くで」
「拗ねてないし!!」
「わーかったわかった」
「ちょ!引っ張らないでよ!」
「そんじゃマスター、またくるわ」
「お会計は!?」
「阿呆、もう済ませたわ」
真島くんに半ば強引に引きずられ、スナックを出た。
ーーーーー
「ね、ねぇ!ちょっと!聞いてる!?」
「………」
スナックを出てから早足で歩く真島くんに腕を掴まれ、必死についていく。何を問いかけても彼は答えてくれなくて、少しだけ怖くなった。不穏な気持ちを抱きながら彼について行くと、彼の足はホテル街に向かっていた。
「ま、真島くん…」
「…みょうじちゃん」
ホテルの前に着くと、真島くんはやっと私の言葉に応えてくれた。先程まで後ろ姿しか見えなかった彼だったが、こちらを振り向くとどことなく余裕がなさそうな顔をしていた。
「頭のええみょうじちゃんならここまで来たら俺がどうしたいか、わかるやろ?」
「そ、それは…」
ホテル街にきた男女がすることといったら、あれしかない。まさか、真島くん、
「みょうじちゃんのいろんな顔がもっと見たい言うたら、ついてきてくれるか?」
一瞬、耳を疑った。が、それはほんの一瞬で、彼の真剣な顔を見たら、本気であることがすぐにわかった。目が逸らせない。体が熱い。声が上手く出せない。真島くんが私のことを、そんな風に見ていたなんて知らなかった。初心な女子でもあるまいし、この誘いに乗ればどうなるかなんて考えなくてもすぐにわかる。頭の中が真っ白になったが、私は彼から目を逸らし震えた手で彼の服を掴んだ。
「おおきにな」
私の答えが真島くんに伝わったのか、嬉しそうに小さく笑い、頭にポンと手を置かれ撫でられた。そしてその手は頭から肩に置かれグイッと引き寄せられると耳に口を近づかれた。
「素直なみょうじちゃんには天国見せたらなあかんな」
「っ!?」
耳元でそう言われると熱かった体温がさらに熱を帯び、背中がぞくりとなる。そのまま肩を抱かれホテルへと連れていかれる。あぁ、本当に入ってしまうのか。でも、彼の男らしい腕が私のことを抱いてくれるのなら、どこへだって連れていかれてもいい。そんなふうに思えた。
歌い終わった真島くんが席に戻ってきた。笑われすぎたのが気に触ったのか少し不満そうな顔をしていた。
「いや、だって…ふふ、そんないかつい顔して…あんな歌…ブッ!あっはっは!」
「なにツボに入ってんねん」
「はーっ…笑った笑った…ほんと、真島くんサイコーだわ…」
「フッ…そないに思いっきりわろてるみょうじちゃん見たことあらへんから今日のところは勘弁したるわ」
真島くんは困ったような笑顔を見せながらお酒を飲む。
「にしても真島くん、歌上手いんだね」
「ヒヒ、せやろ?」
「でもあの曲選ぶのはほんとに面白い」
「せやろかぁ?いい曲やと思うで、俺は。お前のために歌っとるみたいで」
「は?」
今、なんて言った?あんな甘酸っぱい歌詞を、私のために?いつからそんなキザな台詞を吐くようになったのだろうか。
「顔、真っ赤やで」
「なっ…!」
顔の赤さを指摘されてさらに顔が熱くなるのを感じた。
「こ、これは…お酒が、回ってきて…」
咄嗟に思いついた嘘は先程真島くんがついていた嘘だった。
「ほーん?」
「ほんとだから!別に、真島くんなんかに…」
「…ほんまに、みょうじちゃんは素直な子やわ」
「は、はぁ!?何をどう思ってそうなったの!?」
彼氏に振られた原因、お前のその可愛げのない態度に疲れた。もっと素直になればいいのに。だぞ!?
「…みょうじちゃんに、ええこと教えたろうか?」
「は…なに…?」
真島くんは不敵な笑みを見せながら私の方を指さす。
「みょうじちゃんな、嘘つくときそうやって髪の毛いじっとるんやで?」
それを聞いた瞬間左手で髪をいじっている自分がいて、唖然とした。
「あ…」
「もしかして、気づいとらんかったん?」
「う…」
それじゃあ今の今まで嘘ついてたのはバレバレだったってこと…?
「い、言ってよ!!」
「わざわざ言うことやないやろ」
「私にとっては言ってほしかったことなの!」
「言っとったらみょうじちゃんのそないにかわいいお顔見れんかったんやで?」
「み、見なくていいし!!」
どうしようもなく恥ずかしくて今すぐこの場から消えていなくなりたかった。真島くんに顔を見られたくなくて机に突っ伏す。もうほんと、最悪。真島くんのばか。
「おい、拗ねとらんで行くで」
「拗ねてないし!!」
「わーかったわかった」
「ちょ!引っ張らないでよ!」
「そんじゃマスター、またくるわ」
「お会計は!?」
「阿呆、もう済ませたわ」
真島くんに半ば強引に引きずられ、スナックを出た。
ーーーーー
「ね、ねぇ!ちょっと!聞いてる!?」
「………」
スナックを出てから早足で歩く真島くんに腕を掴まれ、必死についていく。何を問いかけても彼は答えてくれなくて、少しだけ怖くなった。不穏な気持ちを抱きながら彼について行くと、彼の足はホテル街に向かっていた。
「ま、真島くん…」
「…みょうじちゃん」
ホテルの前に着くと、真島くんはやっと私の言葉に応えてくれた。先程まで後ろ姿しか見えなかった彼だったが、こちらを振り向くとどことなく余裕がなさそうな顔をしていた。
「頭のええみょうじちゃんならここまで来たら俺がどうしたいか、わかるやろ?」
「そ、それは…」
ホテル街にきた男女がすることといったら、あれしかない。まさか、真島くん、
「みょうじちゃんのいろんな顔がもっと見たい言うたら、ついてきてくれるか?」
一瞬、耳を疑った。が、それはほんの一瞬で、彼の真剣な顔を見たら、本気であることがすぐにわかった。目が逸らせない。体が熱い。声が上手く出せない。真島くんが私のことを、そんな風に見ていたなんて知らなかった。初心な女子でもあるまいし、この誘いに乗ればどうなるかなんて考えなくてもすぐにわかる。頭の中が真っ白になったが、私は彼から目を逸らし震えた手で彼の服を掴んだ。
「おおきにな」
私の答えが真島くんに伝わったのか、嬉しそうに小さく笑い、頭にポンと手を置かれ撫でられた。そしてその手は頭から肩に置かれグイッと引き寄せられると耳に口を近づかれた。
「素直なみょうじちゃんには天国見せたらなあかんな」
「っ!?」
耳元でそう言われると熱かった体温がさらに熱を帯び、背中がぞくりとなる。そのまま肩を抱かれホテルへと連れていかれる。あぁ、本当に入ってしまうのか。でも、彼の男らしい腕が私のことを抱いてくれるのなら、どこへだって連れていかれてもいい。そんなふうに思えた。