estate
名前変更
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「残念ですが少し違いますよ」
誰かに話しかけられたような気がして振り向く。すると後ろに白い髪をした人が立っていた。肩ぐらいまで伸びた髪は二つに分けてくくられていて、毛先がピンク色のグラデーションとなっていて綺麗だ。
「秋海棠は私ベゴニアの一種です。もう少し枝が長いんですよ」
その花はベゴニア…というらしい。
「貴方も、もしかして花なのですか」
「そうだよ。サクラランだ」
「…なぜ人間が連れているのです?」
こっちが聞きたい。なんで私には花の精霊が見えるんですか。
「それは私にも分かりませんよ」
ホヤ先輩が穏やかな雰囲気なのに対して、ベゴニアさんはなんだかツンツンとしている。目も切れ長でどちらかというと吊り上がっている。
「この子は面白い態度をとるんだね。さあ香澄ちゃん、もう行こうか」
「えっ…!?ホヤ先輩…」
「はあ!?ちょっ…ちょっと待ちなさい!」
ホヤ先輩はいつものにこやかな笑みを張り付けているが、何だか今日は怖い。
「せっかく顕現したというのに…。私を放っておくつもりなのですね…」
「ホヤさん、ベゴニアさんも連れて行こうよ」
ホヤ先輩はなんで?といった顔をしている。
「香澄ちゃんには僕だけでいいじゃないか」
「へっ……!?え……?」
思わぬ言葉に頬が熱くなる。今…なんと……?
「……で、でも!ほら、その…。人が多くて困ることはないじゃないですか」
「そうかな〜」
うーん、と彼は考える素振りを見せて、ようやく、「香澄ちゃんの好きにしたら」と言ってくれた。
「ベゴニアさん!一緒に行きましょ!」
「受け入れて下さりありがとうございます…
香澄さん…で合っていますか?」
「はい!」
「改めて、私はベゴニア…、授かった名前だと
「尽くす?別にそんなことしなくて構わないですけど…」
なんと精霊が増えてしまった。本当に奇妙な事だ。見上げると、私より背の高い二人が笑っている。私達は次の場所へと歩き出した。
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