estate
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夏が来た。
夏休みだやったーと叫びたいものだが、なんとまだ仕事が待っていた。最悪である。
繁忙期もやっと終わり、お盆休みに出かけられることになった。
やって来たのは動物園。
あまり見ないような珍しい動物、可愛い動物、そしてダイナミックに飛んでいく鳥。
蒸し暑い気分も吹っ飛ばすような楽しい日となった。
次の場所に移動しようと歩いていると、見えてきたのは大きな植物達。
「うわあ……」
「南国の植物だね。にしても規格外の大きさだ」
隣でホヤ先輩が解説してくれる。
なんだかんだホヤ先輩との生活は楽しい。私より長く生きてるので色んな雑学を教えてくれる。おじいちゃんみたい。
「誰がおじいちゃんだって?まあ君と比べたらそうかもしれないけど…」
もしかして口に出ていたのだろうか。慌ててそんなことないよと謝る。彼はとほほ…と言いながらしょげていた。
進んでいくと、大きな池が広がっていて、周りが通路になっていた。池にもたくさんの花が咲いている。
「香澄ちゃんカメラ貸して。写真撮ってあげる」
彼と過ごしていて気づいたこと。彼は物に触れられる。周りから見れば透明人間みたいな感じで恐怖だが。ただ、私以外の人間に干渉すること、つまり他の人間は触れないらしい。何とも不可思議な話だ。
「僕も写真に写れたらいいのにな……」
彼が名残惜しそうに呟く。彼は私以外に見えないように、鏡にも映らない。勿論レンズに映ることもないのである。
今、他人から見れば浮いてるカメラが何故かシャッターを切っている、というとんでもない光景なんだろうな。恥ずかしいので急いで撮ってもらう。
「ねえ、ホヤ先輩、この花は何て名前?」
「これは
瓔珞草。粒々とした花が無数についている花。綺麗に同じ形の葉が並んでいる。それもたくさん。可愛い。
「香澄ちゃんは小さい花が好きだね。それもたくさんついてるやつ」
「確かにそうかも」
今度は自分でシャッターを切って、その花の姿を写真に収める。
「別名がたくさんあるんだっけ」
「そうなの?」
「
「残念ですが、少し違いますよ」
あの時のように、どこかから声が聞こえた。