隣国の王子
王城に戻った兄王子を見て、皆が驚いた。以前から美しかったが、歩く姿に凛々しさが生まれていた。どこを見ているのかわからなかった視線も、しっかりと定まっている。さらに、部屋に戻った途端に従者を呼びつけ、会議に向かう準備をさせた。今までの王子は何もわかっていなかったから、従者が呼ばれることなどほとんどなく、常に近くで控えて全ての面倒を見ていたのだから、突然の変化に呆気に取られる者ばかりだった。会議では適当にうなずいてばかりで、弟がいなければ宰相たちの操り人形……になるまでもなく、存在しないかのように扱われていたのだが、この日は積極的に発言し、出費の無駄を次々に暴いていった。
突然利口になった兄を見て、始めは不審がられていたが、徐々にその成長が評価されるようになった。特に直属の従者は、今まで何をしても感謝の言葉すら述べられなかった王子が、自分でほとんど何でもやるようになり、面倒が省けて非常に喜んだ。美しい王子から初めて感謝の言葉を向けられたメイド達が廊下でうずくまり悶える姿が、しばしば目撃された。
賢い王子が1人増えたことで、王城の雰囲気が格段に明るくなり、民からも歓迎されるようになった。そう、皆が王子の変化を喜んでいたのだ……一部の野心家を除いて。
突然利口になった兄を見て、始めは不審がられていたが、徐々にその成長が評価されるようになった。特に直属の従者は、今まで何をしても感謝の言葉すら述べられなかった王子が、自分でほとんど何でもやるようになり、面倒が省けて非常に喜んだ。美しい王子から初めて感謝の言葉を向けられたメイド達が廊下でうずくまり悶える姿が、しばしば目撃された。
賢い王子が1人増えたことで、王城の雰囲気が格段に明るくなり、民からも歓迎されるようになった。そう、皆が王子の変化を喜んでいたのだ……一部の野心家を除いて。