経過観察
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ワルブ君の姿が消え、再び1人森に残される。
ワルブ君だけでなく、カルエゴ先生の姿も無い。
きっと次に救出が必要な生徒の元へ向かったのだろう
先程の騒がしさとは打って変わり、静寂な森に1人残された。
深く息を吸うと、森の湿気と、土の匂いが体に取り込まれる。
カルエゴ先生に倒された獣の角をポキリと折り、そのまま齧り付くと、口の中に甘く、爽やかな酸味が広がった
.....点にはならないけれど、食べるだけなら良いよね?
正直、前世の記憶が流れ込んできた影響で頭が痛い
「まさか前世も、自他共に認めるモブだったとは....」
前世の私のせいにしたくは無いが、
少なくともパッとしない人生だった事には変わりない
前世の私は、大学4年の冬、就職活動中に不慮の事故で亡くなった
友人達が次々と内定を貰う中、自分だけが取り残される焦りで色々と視野が狭くなっていたのだ
「アピールなんて....1番苦手なのに....」
ずきずきと痛む頭を押さえてため息を吐く。
本音を言うならば私もリタイアしたい。
けれど、理由なくリタイアすると、これからの位階昇級にどう影響してくるか解らない
「それだけは勘弁....」
魔界では位階が全て物を言う
家族も先生も皆、口を揃えて「位階、位階」
つまり、位階が高ければある程度の居場所と地位が許されるのだ
「分かり易くて残酷な世界ね」
人間界も似たような、見えないカーストが存在していたが、ここまで露骨に表立ってはいなかった
「この頭痛....まだ暫く続きそうね...」
ワルブ君には悪いが少し休もう....
この辺りに休めそうな場所はないかしら....と、辺りを見渡すと、どこからともなく楽しそうな声が聞こえてきた。