経過観察
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『デービー!!!ワルブ!!リタイア!!』
「わかってるよ」
中継魔の声に対し眉間に皺を寄せたワルブ君は、ふう、と息を吐くと、立ち上がり、その場を離れようとした。
「ちょっ....!!!」
待ってくれと言わんばかりに、立ち去ろうとするワルブ君の服を反射的に掴む。
恐怖と混乱で体が震え、硬直していたが、その動作だけは直様体が動いた
魔獣に襲われたのは私なのに、何故ワルブ君だけがリタイアになるのか
「なんっ.....何で.....助けてくれたの....?」
「何でって.....君にリタイアされると困るから」
「へ?」
ワルブ君はポケットから自慢の情報もといマル秘手帳を取り出すと、ペラペラと捲り、あるページで手を止めた
「キサ、ランク3。成績は常に5位以内でありながらも、突出した能力は見受けられない。家系能力不明。名前と成績以外の情報無し」
つらつらと中身の無い内容を読み上げ、手帳を閉じる
「つまり、他の生徒と比べて、君に関する情報は殆ど無い」
「はぁ....」
「収穫祭はアピールの場だからね。君に此処でリタイアされると困るんだよ」
目立つ事を避けている訳ではないが、確かに昔から影が薄かった
名前を覚えて貰えないなんて日常茶飯事だったし、その都度苦笑いを浮かべればなんとかやり過ごせていた
バビルスに入学しても相変わらずで、
別にそれが苦でも無かったし、困る事も無かった
......いや、先生に....名前を忘れられていた時はちょっと傷付いたかな.....
「クラスメイトの情報は最低限集めておきたいんだ」
「ワルブ君....貴方、直接聞くっていう選択肢は無かったの?」
「何度も声をかけようとしたさ。でも君ってば直ぐにいなくなるんだよ。今みたいにさ、君の方から声をかけて欲しかった位」
ニッと目を細めて笑ったワルブ君は
「キサの活躍、テントから見てるよ。思う存分目立ってくれ」