君の心
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「悩みというか.......」
ポツリ、ポツリと話し出す
「初めはね、母親が決めた通りに生きる事が嫌になったの。私の事なのに。あ、私の母親、学校の校長なんだけどね。家に帰っても勉強三昧、休みの日も。遊びなんて、誰かが忘れたゲームを時々する位.....」
そう。私には友達が居ない。
同年代の子がどんな遊びをして、どんな会話をしているのかなんて全く知らない
「知り合いや、紹介される人は大人ばかりで全部、親繋がり」
「キサの母様って....厳しすぎじゃ....」
プルソンは青ざめて口元を押さえた
「やっぱり、そうよね?」
眉を下げ、呆れた様に笑う
「だからね、家出したの。今も絶賛家出中」
そうして魔界へやって来た
「色々あったけれど、家出して良かったと思う。親の繋がりが無い人達と、こんなに関わったの初めてだもの」
でも
「心のどこかで、ずっと引っかかっているの」
胸に手をあて、握りしめる
「自分は此処に居て良い存在なのかって」
いや、正確には此処が本当の故郷なのかもしれない
魂に悪魔の記憶が刻まれているなんて、普通じゃないもの
自分の存在意義に不信感を抱く
プルソンは首を傾げ
「それだけ?」
.........
「それだけ......だけど」
「家出する度胸はあるのに」
プルソンは、はぁ、とため息を吐くと「キサ」と名前を呼んだ
「僕は、トランペットが好きだけど。キサは何が好きなの?」
「好きな楽器?」
「何でも良いよ」
好きなもの......
「甘い物が好き.....かな」
「他には?」
何なんだろう
「空を飛ぶ事も好き」
「他にもある?」
「何だかんだ、勉強は嫌いじゃ無いの。強制される事が嫌いなだけで」
「やってみたい事は?」
「普通の、普通の子達と同じ様に過ごして、自分で決めた将来を歩みたい」
プルソンは私の手から手鏡を抜き取り
「もうこれ、要らないんじゃない?」
と微笑んだ