君の心
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自分と向き合うって、どうしたら良いのだろう
人気の無い道のベンチに座り、鏡の中の自分に問いかける
「ねぇ、どうするのが良いかしら」
「僕も今それについて考えている」
「んっ?」
まさか返事が返ってくるとは思わず、
隣を見ると、男の子が座っていた
あれ、誰も居ないと思ったけれど
「ごめんなさい、気付かなかったわ」
慌てて謝るが、男の子は何も喋らない
何と無く気になり「貴方も何か悩んでいるの?」と聞いてしまった
初対面の相手に話す訳ないじゃない....何言ってるんだろう、私。
ちらりとこちらを見た男の子は
「.........僕の、独り言だから」
と前置きをした次の瞬間
「あ〜〜〜うっぜぇええ〜〜〜〜自分がバビルスに通えって言った癖にいきなり退学しろとかテンションが上下し過ぎだろ、何なんだよ心電図かよ、大人しく一定のテンションを保っていろよ、ブレブレなんだよホント、振り回されるこっちの身にもなってよ、学校生活でクラスメイトや彼女とキャッキャするのは青春の醍醐味なのになんで親が横入りしてくるかなぁ、あ、彼女は居ないけどさ、音楽祭で輝けば出来るかもじゃん?目立つなって、解るよ?家訓だもんね?なんなら墓場に行くまで守るよ?でもさ、そんなの既に心が死んでるじゃん?それに....」
突然語り出した男の子に圧倒されてしまい言葉を失う
「それに、ここまで来て投げ出すなんて出来る訳ないじゃん......」
つい、
尻すぼみに呟いた男の子の背中に手を回し、ゆっくり撫でる
同年代の子達と殆ど関わってこなかったから知り得なかったが、表面だけでは解らない物を皆抱えているのだろうか
私も、この子の様に思いの丈を吐き出せば自分と向き合う事が出来るのだろうか
私の行為に驚いていた男の子は
「というか、君、誰?」
と、さっきの饒舌とは打って変わってたどたどしく聞いてきた。そのギャップに思わず笑ってしまう。
「ふっふふっ....!ごめんなさい。そうね、自己紹介がまだだったわ。私はキサ、レビアロンから来たの」
「僕は、プルソン.....他校の生徒が何でバビルスに?」
「ああ、私は生徒じゃないの、学長にお世話になっている身だから。バビルスに来たのはサリバン様への面会と、音楽祭の観覧目的」
もう、背中を撫でる必要は無い様だ
「キサ、さん?」
「キサでいいわよ」
「呼び捨てとかハードル高い......」
でも、悪く無いとかなんとかぶつぶつ呟くプルソン。また語り出すのだろうか。
「プルソンのクラスは何をするの?」
「......秘密」
だって、観覧するんでしょう?と返され、
立ち上がり私を見下ろす
「キサはいつまでバビルスに居るの?」
「音楽祭が終わったら出るつもり」
じゃあ、と携帯を取り出したプルソンは
「連絡先、教えて」
と、顔を赤らめて呟いた