おかしな幕開け
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言葉が通じると解るや否や
ラズベリィは興奮気味に私に質問攻めを行う
「ねぇ!何でマグマから出て来たの?」
「キサってどこ出身?」
「さっき何しようとしていたの?」
「その箒で飛んでたよね!羽根無いの?」
わ、煩わしい......!!
苦手なタイプ。
仮にも初対面なのに、何故にこうもズカズカと土足で踏み込んで来ようとするのだ
さっきの酔いがまだ残っており、頭がクラクラする。
「申し訳ないけれど、ちょっと休ませて貰えないかしら.....」
「わしは構わないが...お前さん、魔女と言っておるが中身は人間じゃろ」
「ええ.....」
「此処が何処だかわかっておるか?」
首を振ると老人はため息を吐く
「此処は魔界。悪魔が生きる世界よ。お前さん、出会ったのがラズベリィで運が良かったの」
そうなの?
「そうでなければ今頃、喰われておるぞ」
はぁ?
ラズベリィは「え?キサ食べれるの?」と首を傾げる
「今此処で殺されない事を有り難く思えよ」
........最悪。
とんでもない所に来ちゃった。
かと言って元の世界へ戻る選択肢は、無い。
私の反応を待つ老人に向かい
「これなら、どうですか?」
箒を縮小させポケットに仕舞い、
杖を取り出し自らに向けた
「変われ」
自分の姿を変える魔法を使い、黒猫へ変化した。
わざとらしく「にゃあ」と鳴いてみる
1番に反応したのはラズベリィだった
「すっげーーー!!!!」
飛びかかってきたラズベリィをひらりと避ける
老人は私の姿を見て豪快に笑うと、「好きにすると良い。ただし、ラズベリィに着いていけよ。その方が安全じゃろ」
この老人、かなりの実力者の様だし、言う事を聞いた方が良さそうだ。
人間の姿だと悪魔と様相が異なる為、気付かれる可能性がある。念の為、普段もこの猫の姿でいる事にしよう。
「わかりました」
と答え、ラズベリィに向き直る
「よろしくね」とラズベリィの肩に飛び乗ると
「キサって面白いな!俺気に入った!キサを俺の部下1号にしてあげる!」
.......それだと此処まで来た意味がないのよ
「部下......よりも、相棒の方がいい」
ラズベリィがキョトンとした為「仲間とか、パートナーって意味よ」と答えると
少し考える素振りを見せ
「うーん。キサなら.....まぁいいか」
と、ぼやきながら、初めて目線を外し、はにかんだ笑みを見せた