ギブアンドテイク
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タコ頭の悪魔は、私をソファへ降ろした
レイヂは私の正面へ座り、女性こと、レディ・レヴィ学長はタコ頭へ茶菓子の準備をする様言付ける
「それで?」
ニコニコ顔の学長は、私へ話を促した
身に纏っていた衣類の内ポケットから、縮小していたケースを取り出す
手ぶらで家出する訳もなく、もしもの時用に準備していたのだ
元の大きさに戻したケースを開き、中から乾燥させた薬草を取り出す
「......この植物は体内の毒素を抜く他に、腰痛等も和らげる効果があります。こちらの穀物と共に煎じて飲むと、苦味が消えるので飲みやすいですよ」
.......悪魔に効果があるかわからないけど.....
「体の毒素が抜ける為、美肌効果にも繋がると言われています。傷の手当てにも使われる為非常に使い勝手が良いんです」
「本当?飲んでみても良いかしら?」
「どうぞ、準備しますね」
ケースから茶器を取り出し、魔法で温めた湯を注ぐ
「その若さで、魔術に長けているのね」
「私の世界では魔法と呼んでいます」
「貴女、さぞかし優秀な魔女なんでしょう?」
「............つまらないものですよ。魔女なんて」
苦笑いをしながら学長へ茶を差し出す
コクリと口をつけた学長は
「レイヂ」
名を呼ばれたレイヂは学長へ視線を向ける
「気が変わったわ。キサちゃんは私の元に居てもらいます。魔関へは引き渡さない」
突然の申し出に目を丸くする
「キサちゃんは魔界に居たい、私はキサちゃんの話をもっと聞かせて欲しい、それに.......
優秀な人材は逃したくないのよ」
と、ニッコリ微笑んだ
まぁ、元々レビアロンに滞在する予定だったし、私としても好都合
「宜しく.....お願いします」
軽く礼をすると、学長から「まだ万全では無いでしょう?また明日此処へ来なさいな。貴女の部屋を準備させましょう」
丁度、茶菓子を持って来たタコ頭に「ジュアン」と呼びかけ、続け様に「案内なさい」と命令した
再びタコ頭....ジュアンに抱き上げられる
「どうも.....」
ジュアンは表情を変えず学長の部屋を後にする
水が張られていない廊下をコツコツと歩き
ある部屋の前で足を止めた
「此処が貴女の部屋です」
中は水が張られておらず、床は柔らかい苔の様な絨毯が敷かれてあった
真ん中にベッドが1つ
脇に置かれたドレッサーの上に、諦めていた私の箒が無惨な姿で置かれていた
.....きっとレイヂが拾ってくれたのだろう
柄の部分が折れてしまっているが、まぁ、まだ乗れない事は無い
ジュアンは私をベッドの上に降ろすと、
「食事は朝夕お待ちします。水回りの設備はあちらの扉です。何かございましたらベルでお呼びください」
では
と、頭を下げ部屋を出ていった
1人、部屋のベッドに倒れ込む
なんとまぁ、このレビアロン
ジャカポやヴァルバラ と打って変わって品行方正である
......殺されかけた事は百歩譲って水に流そう
「..........ふぅ」
小さくため息を吐き、そっと瞼を閉じた