おかしな幕開け
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「おまえ、聞こえてる?同じ事何度も言わせるなよなー」
首を傾げる少年
私に向かって何か喋っているが.....
言葉が解らない
『すみませんが、何を仰っているのか分かりません』
「ん?
........あぁ!そういう事か」
彼はポケットから携帯の様なものを取り出すと、誰かと話し始めた
「あっ!じぃちゃん?俺俺!ちょっとさ、そっちに行っても良い?」
携帯を切った彼は蝙蝠の様な翼を広げると、
私の手を引っ張った
.....着いて来いって、事かしら?
無言で頷き、彼に着いて行く
「こっちこっち!!」
.....熱い
ここは地下だろうか。
空は見えず、下はマグマ川、周りは岩に囲まれている為、熱気が籠っている。
多少丈夫に作ってある箒だが、燃えてしまっては何の意味もない
とりあえず保険に、体と箒にも保護魔法をかけておくか....
先導する彼に気付かれない様、胸に手を当て魔法を使う
が、
「何してんの?」
少量の魔力を発した途端、彼は振り向いて顔を寄せて来た
「全部見えてるから。変な事しないでね
.....って言っても通じないかー!面倒だなぁ」
.......たまたま?
こいつ、私の魔力の波動に気付いている?
とりあえず熱いのは我慢しよう......
「こっちだよー!」
マグマの川は大きな穴へと向かって流れていた
まるで地獄への入り口の様に、マグマはその滝壺へと流れ落ちている
その巨大な穴の中央に、奇妙な形をした塔が聳え立っていた
......底が見えない。何なんだこの建物.....
今更になって、自分は神隠しに失敗したのではと焦りと不安が押し寄せてくる
このまま彼に着いて行っても大丈夫なのだろうか
「こっちこっち」
建物に近づく事を躊躇っていると、箒の柄を握られ無理やり引っ張られる
『ちょっ......!!』
「俺が着いてるからダーイジョウブ!」
今更だがこの彼、出会ってからひと時も表情が変わらない
考えが読めない
言葉が解らない以上に、気味の悪さを感じる
「やっほ!じぃちゃん!」
引かれるまま、塔とは別の、一際豪華な建物に入った
ズカズカと廊下を進み、大きな扉を開く
部屋の中には帽子を被った老人が居た
巻角と白い髪。.......彼の親族だろうか
「学校の近くにいた子なんだけどさー!言葉が通じねぇの!じぃちゃんどうにか出来ない?」
老人は私に近付き、じっと私を見つめると、『人間か?』と、私が解る言葉を発した
『魔女です』
『まじょ?はて、聞かん種族だな。まぁ、何はともあれ孫の頼みだ。ホレ、これで解るだろう』
老人は私の頭を掴むと、妙な魔力を私に送り込んだ
色に例えるならば赤黒い。その魔力が全身に行き渡る感覚に思わず酔いそうになる
「うぇ....っ。気持ち悪っ.....。いきなり何するのよ.....」
「あ!解る解る!!さすがじぃちゃん!」
口元を押さえていると、驚いた事に彼の言葉が聞き取れる様になっていた
......どういう魔法を使ったと言うの?
そんな魔法、聞いた事が無い。
「改めて自己紹介しよ!!はじめまして!俺、ベリアール・ベリィ・ラズベリィ!君は?」
「キサ......」