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「マジでわかんねぇ」
「バチくそ、ハラタツ」
店の倉庫で頭を抱えているジャズとアロケルに近付き、首を傾げる。私に気付いたジャズは私の頭を撫で「なー、なんかヒントくれよ」と呟いた
「ジャズ、念子は喋らない」
アロケルに突っ込まれ「だよなー」と苦笑いするジャズ。
そう、念子は喋らないけれど、
私は念子ではない
「貴方達が得意な事は?出来ない事をあれこれ考えるより、出来る事を試してみたら?」
案の定、突然言葉を発した私をアロケルは凝視し、ジャズは「ブフッ」と噴き出した
「バレていいのかよキサ」
「別に、隠している訳でも隠れている訳でもないもの」
「ジャズ、こいつ何者ナンダ?」
ジャズは悪ぃと苦笑いし、アロケルに私を紹介する
「不可解」
「だよな。本当、変なヤツ」
「失礼な」
人の目の前でよく言えるわね
「俺らに出来ること、か」
失礼な発言とは裏腹に
ちゃんと話を聞く真面目さは持ち合わせているらしい
事実、彼らはその真面目さと、裏表の無い性格で、大人達の評判は良かった。
毎日毎日軍曹に負け、大人達の理不尽に揉まれている時間は決して無駄では無く、彼らに親近感を持ち始めた大人達は何かと世話を焼く様になっていたのだ。
「ジャズ」
「ん?」
アロケルは小声でジャズに耳打ちする
何か閃いたのだろう
このアロケルとかいう獅子は、本当に頭の回転が早い
「な〜る」
アロケルの話を聞いたジャズは嬉しそうに笑った
そしてその日の夜
「な〜んか、がんばってるみたいだネ」
「うるせぇとっとと始めろ」
「このヤロウ」
軍曹が弾いたコインを
ジャズが奪い取った
が、
したり顔で軍曹の裏をかいたつもりの2人は、
「ばあ〜〜〜〜〜かっ」
呆気なく軍曹の返り討ちに合う
その後は勿論
しっかり約束の日までバイト三昧の日々を味わうのであった
「キサちゃん、あの2人に甘くなったネ」
「そうかも」
「僕達、明日例の学校に行くけど、キサちゃんもついてくる?」
そう。
軍曹達が此処を離れれば、私が此処に居る理由も無いのだ
「それも良いけれど.....」
軍曹に負けじと立ち向かう弟子達は、此処に来たばかりの頃と顔つきが違う
野望を抱き、随分成長した
自分はどうだろう
ジャカポに居た時と何か変わっただろうか
今一度自分に問いかける
決められたレールの上を淡々と、生きていたあの世界
今は?
正直解らない
けれど、これだけはハッキリ言える
『変なヤツ』
そうね、ジャズの言う通りかもしれない
この世界は面白い
あの世界よりも数倍、面白い物や悪魔で溢れている
私が此処に居る理由としては十分じゃないかしら
もっともっとこの世界が知りたい
危険?無謀?上等じゃない
それくらい厳しい方がきっと面白い
私は軍曹を見つめ
「私は、もっとこの世界を見て回りたい」
そう告げて、軍曹達に別れを告げた
また、どこかで、