晴れの特異日
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「お孫様よ、頑張ってるみたいじゃねぇか」
ロアは腕を組み、煙草を手に取ると口角を上げる
「だがな、調子が良い時程、足元掬われない様気をつけな」
警告にも似たその言葉を、ラズベリィも私も特に気に留めなかったが、後日その言葉の意味を嫌と言う程噛み締める事件が起こった
ラズベリィはギャンブルに限らず、腕っぷしも強かった。見るからに小柄なラズベリィに殴られ、踏まれ、床に這い蹲り、あろう事か去り際に「弱い」と捨て台詞を吐かれる。「1年生」という立場も、先輩達のプライドをズタズタにするには充分な理由だった。
その為、目をつけられたラズベリィと、共に行動をしている私に注目が集まるのも必然
先輩達は何とかラズベリィに一泡吹かせようと隙を見て私にちょっかいを掛けてくる
いつもならひらりと避けるのだが、今日は違った
「拘束檻」
ラズベリィが一対一の勝負時に隙を突かれた。
鳥籠の様な檻に閉じ込められる
甘いわね
尻尾に魔力を溜め刃の様に鳥籠を攻撃する
が、切れない
硬い。流石、下層と比べて扱う魔術の圧が違う
ならばと、全力を出してしまったのがいけなかった
「っうわぁぁぁああああ!!!!」
檻を切り裂いた刃は、そのまま生徒の左腕を切断した
.....まずい、やり過ぎた
駆け寄る事も叶わず、教師と思われる悪魔達に拘束される
気付いたラズベリィが何かを叫んでいたが、良く聞こえない。首を締められ、変身が解けてしまった
「やはり化けていたか。大人しくしていれば良かったものの......」
教師の冷たい声が聞こえる
「部外者が生徒に手を出す事は、許されない」
どれだけ優秀であろうと、自分を押さえつけている悪魔の強さはその非では無い
抵抗しても無駄だと諦め
目だけラズベリィへ向ける
ごめんね
それから私は教師達によって学長の前へと差し出された
「とんだ災難じゃったの」
「自業自得です」
申し訳ありませんでしたと、頭を下げる
「『縄張り荒らし』はジャカポが嫌う所でな」
私はジャカポを去る様命じられた
殺されなかったのは、恐らくラズベリィのお陰
あれから一度も、学長以外の誰かに会う事は許されず、消える様にジャカポを後にした