晴れの特異日
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
翌日も、翌々日もラズベリィの快進撃は続き
罠に嵌めようとする悪魔や、イカサマをしようとする悪魔を何なく躱わし、順調に階を上げていく
私の出番は殆ど無く、側で眺めるだけだったが、痛快な勝負事ばかりでとても愉快だった
「コール」
「おい......嘘だろ?」
ハッタリもブラフもラズベリィには関係ない
頭の中で方程式を組み立てているかの様に勝利を自らに導いているのだ
相手が有り得ない、と思う場面で何なく最強のカードで勝負に出る
「ブラックジャック」
極め付けはチップが無くなった相手への揺さぶり
「俺のチップを貸してあげようか?あんたが勝ったらそのままやるよ!勿論賞金も含めてな」
こいつには勝てないと思わせた後での誘惑。
冷静さを欠いた相手は誘いに乗り、結果的に倍の借金をラズベリィに負わされる羽目になるのだ
「......性格悪っ」
そんな調子で登って行くものだから、先輩達からの評判は最悪だった
反面、最強無敵と思わせるそのオーラに憧れて自ら舎弟に加わる悪魔も現れる
「流石我が孫。愛ごいじゃろう」
学長に呼ばれ、孫自慢を聞かされる
面倒を見てるんじゃから付き合えと言われたら言い返せないじゃない
「わしの前じゃから、人型に戻ってもよいぞ?」
「......何か、長い事猫の姿でいる事に慣れてしまいまして」
とは言え時々は人型に戻らないと感覚が鈍る。
学長の言葉に甘えて久しぶりに変身を解いた
「あー.......やっぱり」
毛繕いをしていても、こればっかりはどうしようもない
伸ばしっぱなしの髪は、とてもだらしなく視界を覆い、毛先はクセではねていた
「切らないと」
「やっほ!じぃちゃん!キサの話終わった?」
ラズベリィは元気よく扉を開けて部屋に入って来たが、私を見て動きが止まる
「キサ?」
「何?」
「わお!......ううん。久しぶりにその姿見たから、その、ビックリしちゃった」
ねぇ、とラズベリィは私の手を取り
「普段もその姿でいたら良いのに」
「そんな訳にいかないわよ。私はジャカポの生徒じゃないもの。それこそロアに殺されちゃう。今の使い魔ポジションが丁度いいの」
「そっかー......」
ラズベリィの表情は変わらずだが、明らかにシュンと落ち込んでいた
........仕方が無いわね
「学校の外だったら良いわよ」
途端にパァッと明るくなるラズベリィ
「やったー!!じゃあさじゃあさ!!今度の貴族会(デビラム)一緒に行こ!!」
「ラズベリィ本当か!!?あんなに嫌がっていた貴族会に行くと言うのか!!」
学長は興奮気味に前のめりで叫んだ
.........その前に髪、整えさせて貰えないかしら