マロングラッセ(中編・短編)
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「光の中をひとりで歩むよりも、闇の中を友人と歩む方がよい」
「?」
「知らない?ヘレンケラー」
今日は入間君を家に招待した。
こじんまりした師団披露お疲れ様会だ。
本当はアスモデウス君やクララちゃんも呼びたい所だが、家の在処を誰それ構わず教える訳にはいかない
「お口に合うかしら」
カップケーキやクッキー等、私でも作れるお菓子を準備する
「あっ、有難うございます!!」
入間君はハムスターの様にサクサクとクッキーを平らげていった
たくさん作って正解だったわ
微笑ましくそれを眺めていると、入間君は「さっきの、何でしたっけ」と問いかけてきた
「ヘレンケラーの事?」
入間君は両親のせいで碌に学校へ通えなかったらしいし、知らなくても無理もない
「病気でね、見る事も、聞く事も、喋る事も出来なくなった女の子の話」
でもね、
「サリヴァン先生って素敵な先生に出会って、言葉を覚え、世界を広げ、成長していくのよ」
「サリバン先生.....」
ポツリと呟いた入間君に、答える様ニッコリ笑う
「入間君は、理事長のヘレンね」
紅茶を飲み一息置く
「そういう風に、人生の全てを掛けて、この人の為に!!って生き方ができる人、格好良いわよねぇ」
理事長を褒めたつもりだったのだが
「僕も、キサさんの為に人生を掛けます」
「んっ?」
いやいや
「入間君。ヘレンはその後誰か1人の為に生きた訳じゃないのよ」
自分と同じ境遇の人達を救う為に、全てを捧げた
「光の中をひとりで歩むよりも、闇の中を友人と歩む方がよい」
「友人.....」
「入間君は立派なヘレンになれるわ」
だって、オトモダチに囲まれている貴方はとても輝いているもの
入間君は「それでも」と答え私の手を握る
「僕は.......」
と何か言い掛けた所で
「イルマ様、抜け駆けとは感心しませんね」
「オペラさん!」
「キサさん。お邪魔しますよ」
オペラさんの登場で遮られてしまったが、入間君、さっき何を言いかけたのだろう
何事も無かったかのようにカップケーキを食べている辺り、大した事では無かったのだろうと気にしない事にした
入間「オペラさん。どうしてここに居るんですか」
オペラ「入間様の行動範囲など知れております」
入間「邪魔しないで下さいって言っているんですよ?」
オペラ「その言葉、そっくりそのままお返し致します」
*・*・*
おわり
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