※ジャズ視点






居なくなって改めて思う
キサさんの存在って大きいなぁって

授業の準備は宛ら、細やかな気遣いが完璧なのだ




「ジャズ君寝不足なの？大丈夫？」


兄貴に荒らされた部屋の片付けに時間が掛かり、苛つきと悔しさで殆ど眠れなかった翌日に、すぐ気付いて声を掛けてくれた






......そんなの........嬉しくない訳が無いじゃん



そういう気遣いと優しさに弱いんだって、俺は



姉の様な言動をしたかと思えば、


「私もさ、昨日は夜更かししちゃったんだよね、たまたま付けたテレビ番組が面白くて最後まで観ちゃった。危うく寝坊して遅刻する所だったよ」


と、僅かにハネている寝癖を指で摘む


思わず寝癖を撫で付ける様に頭を撫でると


「無理無理、何やっても戻らなかったもん」


と、子供の様に笑う



そのやり取りを思い出して、はぁ、とため息を吐く。キサさんの可愛い顔が浮かび口元が緩んだ。




「ジャジー何百面相してるのさ」



リードに突っ込まれるが、教えてやらない。



「お前も大人になったら解るよ」



「ジャジーも子供の癖に何言ってんの？」