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※シロ視点
この家で目覚め、魔界へ落ちて来た数多の人間達を見守り、見送ってきて数百年。
キサの訪れは前回訪れた人間から、実に100年振りだった。
魔関という組織が出来て以降、人間達にとってこの家は不要になってしまったのだ。
誰も訪れない静かな家に縛り付けられ、私は日に日に失っていく魔力を無駄にしない様深い眠りについていた。
私に示された道はひとつしかない。
主は何と残酷か。
ひたすらに待つ事しか出来ないとは。
そのような時にキサは現れた。
しかも、悪魔達と共に。
何と不思議な事か。
幸いにも少女はこの家に住まう事を決めてくれた様だ。
キサはこれまでの人間達とは異なっていた。
自我ははっきりしており、ひたすらに前向きで、理不尽なこの状況に泣き喚く事なく生き抜こうとする力が強かった。
そんなキサが涙したあの夜。
自分の役割を理解している私は、今までの人間達に対してもそうだった様に、優しく声をかけた。
魔界に来たばかりの人間達は総じて不安定な状態だ。耐えられず、自分で自分の命を終わらせようとした人間も居た。
その為、自分の事も、家の事も、将来の事も、真実を告げるのはある程度魔界に馴染んできた時に限定していた。
「今更」と、罵られる事もあった。
キサの様子から、そろそろその時が近づいていると構えていた矢先だった。
「お前の住む家の事も、そこに巣食う魔神の事も知っている」
まさかとは思ったが、これまでの人間達が何かしらの記録を残していたとしても疑問は無い
重要なのはキサがこいつに奇妙な茶を飲まされ、惑わされ、私を含めて利用されようとしている事だ
その様な事は許さない
主の命に背き、悪魔の前に姿を現したのはこれが初めてだった
魔力が殆ど無い状態だった為、賭けに近かったが、幸いにも相手は退いてくれた
家に帰ってきたキサに真実を話す
他の人間同様、絶望の表情を見せたが、
直ぐに顔を上げ、私に礼を述べた
キサ、キサ、
私をこの呪縛から解放してくれ
貴女ならばと期待せずにはいられない
この家で目覚め、魔界へ落ちて来た数多の人間達を見守り、見送ってきて数百年。
キサの訪れは前回訪れた人間から、実に100年振りだった。
魔関という組織が出来て以降、人間達にとってこの家は不要になってしまったのだ。
誰も訪れない静かな家に縛り付けられ、私は日に日に失っていく魔力を無駄にしない様深い眠りについていた。
私に示された道はひとつしかない。
主は何と残酷か。
ひたすらに待つ事しか出来ないとは。
そのような時にキサは現れた。
しかも、悪魔達と共に。
何と不思議な事か。
幸いにも少女はこの家に住まう事を決めてくれた様だ。
キサはこれまでの人間達とは異なっていた。
自我ははっきりしており、ひたすらに前向きで、理不尽なこの状況に泣き喚く事なく生き抜こうとする力が強かった。
そんなキサが涙したあの夜。
自分の役割を理解している私は、今までの人間達に対してもそうだった様に、優しく声をかけた。
魔界に来たばかりの人間達は総じて不安定な状態だ。耐えられず、自分で自分の命を終わらせようとした人間も居た。
その為、自分の事も、家の事も、将来の事も、真実を告げるのはある程度魔界に馴染んできた時に限定していた。
「今更」と、罵られる事もあった。
キサの様子から、そろそろその時が近づいていると構えていた矢先だった。
「お前の住む家の事も、そこに巣食う魔神の事も知っている」
まさかとは思ったが、これまでの人間達が何かしらの記録を残していたとしても疑問は無い
重要なのはキサがこいつに奇妙な茶を飲まされ、惑わされ、私を含めて利用されようとしている事だ
その様な事は許さない
主の命に背き、悪魔の前に姿を現したのはこれが初めてだった
魔力が殆ど無い状態だった為、賭けに近かったが、幸いにも相手は退いてくれた
家に帰ってきたキサに真実を話す
他の人間同様、絶望の表情を見せたが、
直ぐに顔を上げ、私に礼を述べた
キサ、キサ、
私をこの呪縛から解放してくれ
貴女ならばと期待せずにはいられない