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広場でぼうっとしていると、アメリさんが顔を覗き込んできた
「キサさん、大丈夫ですか?」
力なく笑い、大丈夫だよと返す
広場の端で壁にもたれ掛かり、気持ちを落ち着かせる
外はすっかり暗くなっていた
生徒達は変わらず楽しそうで、皆笑っている
いいなぁ.....
羨ましそうな目で彼らを見つめていると
アメリさんは私にハンカチを差し出した
「キサさん、使ってください」
「あ、鼻血?あはは。恥ずかしいなぁ。汚れちゃうから大丈夫だよ」
「いえ、そうでは無く....」
アメリさんはハンカチで私の頬を拭う
あ......
「何があったのかは聞きませんが、涙の跡をそのままにしておかない方が良いと思います」
「〜〜〜っ!!!!」
そ、そんな乙女ゲームの様なセリフ......!!!!
心臓が激しく脈打つ
顔が熱い
これってまさか、恋ーーーー!?
いやいや私はノーマルよ!でも、でも....!!!
「アメリさん。連絡先を教えて下さい」
神様仏様。
私はアメリさんを全力で贔屓させて頂く事をここに誓います。
そして.......アメリ親衛隊を結成します!!!
師団披露は記念日です!!
我らが生徒会長アメリ万歳ーー!!
「キサ、何してるの?」
去っていくアメリさんに向かって全力で手を振っていると、視界の脇からエイト先生が現れた
「はっ!いえ、ちょっと、自分を見失っていました.....」
「何それ」
エイト先生は吹き出した後、直ぐ厳しい顔付きに変わった
「さっきカルエゴ卿から通達があった。首謀者は恐らく、アミィ・キリヲという生徒だ」
ん?キリヲ君?ってあのキリヲ君?
「何かの間違いでは?」
こんなに大掛かりで大それた混乱を計画する生徒には思えないけれど....
「キサ」
エイト先生は厳しい目で私を流し見る
「根拠のない先入観は良くないな。可能性が有れば誰でも『教育』対象だ」
そうだ。彼らは教師なのだ。
学校や生徒に危害を加えようとする者は誰だって粛清対象である。
きっとそれが私でも。
警備担当のエイト先生は、きっと、誰よりもその使命感が強いのだろう。
「キリヲ君はどうなるのですか?」
「魔関署へ引き渡す。キサも動けるならば捜索を手伝う様に」
「.......わかりました」
「キサ」
エイト先生は私の頭をポンポンと叩くと
「キサって酒飲める?」
藪から棒に何だ
「へ?あ、はい。大丈夫です」
エイト先生はニッと笑うと
「じゃあ今度飲み行こう」
ん?
「はい!決まり!」
と、エイト先生が手を鳴らした瞬間
ヒュルルルルルル
空に昇っていく光の線が見えた