ローリンガール
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イポス先生とツムル先生の魔術が切れてしまい、元の姿に戻る
「あー楽しかった」
気を抜いた瞬間、
ドンッッッ!!!!
建物が揺れた
......何?
他の生徒達も何事かと狼狽えている
立ち上がり生徒へ駆け寄ろうとすると、
「痛っ!」
見えない何かにぶつかった
....透明の、壁?
「何これ」
通り抜けられる箇所がないか、ペタペタと触ってみる
他の生徒達も同様に抜け穴を探していた
....壊せるかしら?
リストバンドを外し、全力で壁を殴ってみるが
「ーーったぁ。硬すぎ」
びくともしない
そうこうしていると、ダリ先生のアナウンスが流れた
サプライズ企画?そんな項目あったかしら
師団披露の資料を思い出すが、その様な記載は何処にも無かった
という事は、本当の...ハプニング?
震える体を自ら抱きしめ
「行かなきゃ」
何とか進もうと歩くが、足がおぼつかない
「いっ.....!!」
また壁に衝突した
打ちどころが悪かったのか鼻血が垂れる
もう、本当嫌になる......
血をぬぐい進んで行くと、角から来た誰かとぶつかり、衝撃で床に転がる
「ったぁ」
止まりかけていた血がまた垂れてきた
「もう、ちゃんと前見なさい.....よ」
と、ぶつかった相手を見ると、名前も知らない生徒だったが、相手は私を見て「マジかよキサさんじゃん」と呟き、下卑た笑いを浮かべた
き、気持ち悪い.....
脳内で警告音が鳴る
ぶつかった相手の後ろからもう1人別の生徒が現れ、同様に鼻息荒く気味が悪い笑みを浮かべ、涎を垂らし悪魔の様な姿で近付いてきた
「こっ来ないで!!!」
逃げようとするもまた壁に拒まれる
とっさに近くにあった部屋に入り、鍵を閉めた
「キサさんサプライズ企画なんだから大丈夫ですよ〜」
「俺らと一緒に広場へいきましょうよ」
ガチャガチャと扉を開けようとしてくる
言動が怖すぎて涙が出そう
恐怖のあまり、頭を守る様に蹲る
もう、なんで、私ばっかり.....!!!
昔の記憶がフラッシュバックしそうになった所で音が消えた
「......諦めた.....?」
ドンッッッ!!!
「ひっ.....!!」
「キサ!見つけた!」
扉が破壊され、とうとう強行突破されたと死を覚悟したが、現れたのは生徒では無くツムル先生
「っわ!!血出てるじゃん!怪我したの?」
私に触れようとしたツムル先生の手を反射的に払い除ける
「あっ...ごめんなさっ......」
ツムル先生は一瞬固まったが、「触らないからじっとしてて」と告げ私に手を翳した
「混乱解除(ショックノック)」
色々な感情でぐちゃぐちゃになっていた思考回路が、すっと落ち着きを取り戻した
「落ち着いた?」
「あ.......有難うございま...す..」
でも、動けそうにない
「重量操作(フラクタル)」
ツムル先生におんぶされる形で部屋の外に出る。入り口付近に居た先程の生徒達は申し訳なさそうな顔で「キサさんごめんなさい」と謝罪した。彼らは悪くない。色々な事が積み重なり動揺した自分に非があるのだ。
「キサのファンクラブの生徒だよ。興奮しちゃったんだって」
「憧れのキサさんとぶつかったって自慢出来るぞおおお!!!」
「抜け駆けは無しだろうが!」
言葉を失い、恥ずかしさと情け無さでツムル先生のふわふわな髪に顔を埋めた
生徒達と別れた後、ツムル先生から「キサは一度カウンセリングを受けた方が良いと思う」と告げられる
自覚はあるし、原因もはっきりしている。
だから、元の世界では極力そういった場面に遭遇しない様にずっと気を遣って、気を張って、何とか回避してきた。
だが、予想外の出来事が多い魔界でそれは中々通用しない。加えて、想像とは異なり優しい悪魔達ばかりで、警戒心が薄れていた自分のせいなのだ。
「ごめんなさい....」
「キサは悪く無いんだよ、それはそうと怪我は大丈夫?」
とっくに血は止まっていたが、大丈夫と答えるとツムル先生が離れて行ってしまいそうで、答えずに黙って再びふわふわの髪の毛に顔を埋めた
「キサって意外と甘えたがりなんだね」
ツムル先生は、笑って見逃してくれた
「さて、ここを真っ直ぐ行けば広場だから、早く行きなさい」
と、私を降ろしたツムル先生は再び校内へ戻って行った
....ツムル先生のカウンセリングを受けるかどうかはさて置き、向き合わないとこの先やっていけない
※次回夢主過去話です