※オペラ視点



さて、と。



腕の中で震えてる彼女の事も心配ですが、




1番気掛かりなのは彼女の香りに誘われて良からぬ輩が集まってくる事ですね....




「この世界で人間は捕食対象です」




.....特に犬並みに鼻が効きそうな「彼」が来ると厄介....



急いだ方が良さそうだ。





落ちない様、彼女を抱く腕に力を入れ、屋敷へ急いだ。



彼女も振り落とされないように、私にしがみついてくる。



他人とベタベタするのは得意ではないのですが、不思議と嫌悪感は無い。





.....寧ろ....







「着きました。歩けますか？」


「はっはいぃ！！！」



ゆっくりと彼女を降ろす......が



「あっ？あれ？あれ。どうして？」



彼女はまるで風船の様に不安定な状態で、

地面に足をつけようとすると、その反動で浮き上がってしまっていた。


....仕方がありませんね



再び彼女を抱き上げ、理事長の部屋に向かう


「ご迷惑をお掛けします....」



今から喰われるかもしれないのに律儀な方ですね。



コンコンコンッ



扉をノックし部屋に入る



「失礼します。理事長。お連れいたしました」




「うん。ようこそ魔界へ、人間のお嬢さん」





さあ、彼女の運命はどうなるのやら