ようこそ新入生諸君
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空、禍々しく
本日は絶好の入学式日和らしい
「気を抜くなよ新人」
エイト先生は隣で煙草を吹かしながら、
続々と校門を潜る新入生達に目を光らせた
そう。入学式の今日。
本日私は警備担当のエイト先生付きとなっております。
「私戦闘はちょっと苦手でして」
と、念の為断りを入れたが、
オペラさんの特訓と、バラム先生への蹴りが噂になっているそうで、なんとエイト先生直々の指名なのである
「おっ。早速だな」
エイト先生は素早い動きで、ある男子生徒の手首を捻った
「ってぇ!!」
「入学式早々盗みとは感心しないな」
男子生徒の手には複数の財布が握られていた
「す、スリ!?」
「盗みの家系の子だよ」
「いやーすみません。つい癖で....」
「気をつけなさい」
男子生徒はペコペコ頭を下げると、足早に講堂の方へ走って行った
「エイト先生凄い。警官みたいです」
尊敬の眼差しで見つめていると
「ぼさっとしない。ほら、あれなら君でも対処可能だろう。行って来な」
指差した先には、女生徒を追いかけまわす鳥が居た
「お嬢様方!!是非ともお近づきにーーー!!「はい待った待った!!!」
女生徒と鳥の間に割って入る
「嫌がっているでしょう!おやめなさい!」
さっきのエイト先生を見習い、鳥を窘める
が、「やや、先生ですかな?何とお美しい」
鳥は私に狙いを定めた様だ。
「先生じゃありませんっ!用務員ですっ!」
「私、カイム・カムイと申し上げます。美しい用務員さん、貴女のお名前をお聞かせ願いますか?」
「えっ。キサ....です」
「キサさんと仰るのですね!!是非私と連絡先の交換を!そして宜しければお手を取ってご一緒に入学式へ参りましょ.....へぶっ」
飛びかかってきそうな勢いのカムイ君を、反射的に平手打ちしてしまった
「あ、ごめん」
「なんの....これしき.....」
ガクッと気を失ったカムイ君は、
ダリ先生に持ち上げられ
「はい、新入生は講堂へ向かって下さーーい
」
そのまま講堂へ連行されて行った
「キサ、おつかれ。君は講堂へ向かってくれ、全ての新入生を見届けた後僕も向かうから」
「かしこまりましたエイト先生!」
そろそろ入学式が始まる
小走りで講堂へ向かい、中に入る者に不審者が居ないか再度注意を払う
期待と喜びで笑顔の子
不安で沈んでいる子
無表情で淡々としている子
自分には遠い昔の事だけど
新入生達の心境を想像するだけで顔が綻んでしまう
「是非とも青春を謳歌して欲しいわねぇ」
ああ、甘酸っぱい青春の日々よ
恋、友情、義理人情、後悔に挫折。
なんてミステリアス。
「おーい。真面目に仕事してる?」
エイト先生からの声かけではっと我に返る
「油断は禁物だよ」
タバコの煙を吹きかけられて思わずむせてしまった
「すっすみません....」
「あとは僕がするから、入学式見て来なよ」
知り合いがいるんだろ?と頭をわしわしと撫でられた
「有難うございます!」
エイト先生の気遣いで講堂に入り、1番後ろの壁側に立って見学させてもらう事にした