大人の階段
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沢山泣いて、沢山怒って、元に戻った私は
マルバス先生を沢山叱りつけた所で終業の鐘が鳴り響いた為、帰ることにした
「帰ります!お疲れ様でした!!!」
「キサちゃんまたねー」
マルバス先生、懲りていないのか何事も無かったかの様に微笑んで手を振っている
私は返事をせず拷問部屋を後にした
外に出ると
日が傾き、空は暗くなり始めていた
早く帰ろう
明日は、入学式
入間くん。大丈夫かなぁ。
用務員も、入り口から覗く程度なら大丈夫、かな?
うん。明日カルエゴ先生に聞いてみようっと
魔界の入学式、興味ある!!
考え事をしながら帰ると、あっという間に街に着いていた
「あっキサちゃんじゃん」
「オリアス先生!お疲れ様です!」
「お疲れ〜♪」
初出勤はどうだった?という問いに対して
「悪魔学校の先生達って怖いのか優しいのか、よくわからないし、難しいです」
オリアス先生はケラケラ笑うと、
「よくわかってるじゃん、まぁ、マイペースに頑張りな」
ヒラヒラと手を振って去ろうとしたオリアス先生を思わず引き留める
「オリアス先生!一緒に夕食、いかがですか!?」
「んっ??」
「教えて欲しい事がありまして....」
「大人の話?」
「違いますよ!!!!」
何なんだ今日は。
とりあえず、
「世間知らずの私めに常識を教えて下さい」
これまで見てきた悪魔の中で、オリアス先生はチャラそうに見えて比較的言動が誠実なのだ。
きっと、私が必要としている先生はそんな悪魔
「折角のお誘いだし、じゃあ、今日は外食にしようかな」
こっちにおいで、と、
誘ったのは自分なのにオリアス先生にリードされる
連れてこられたのは街中のレストラン
形式ばったレストランではなく、食堂に近い。
けれど、装飾や灯りがシンプルで店主のセンスが見て取れる
エスコートされるまま席に付き、
オリアス先生は店員さんへ飲み物と摘めるものを注文する
飲み物は直ぐに席へ運ばれてきた
「じゃあ、まずはキサちゃんの初出勤おめでとうということで、お疲れ様のカンパーイ♪」
「あ、有難うございます!!」
まさかそんな名目を立ててくれるなんて考えてもいなかった
「で?キサちゃんは何が知りたいの?」
オリアス先生は私が話し出すまでナッツを摘みながら待ってくれた
「あの......私、自分の位階がわからなくて.....どうしたら良いのでしょうか....」
予想外の質問過ぎたのか、オリアス先生はぽかんとしていた
でも、
「君の、実力を見せたら良いと思うよ」
オリアス先生は馬鹿にすること無く、誠実に答えてくれた
「評価なんて後から付いてくるものじゃん」
まぁ直ぐに知りたいなら....
「新入生の試験に参加してみたら?」
「試験....」
出来るだろうか、自分に
でも
「有難うございます。やってみます」
何事もやってみないとわからない
「そうやって、気付いたら高い所に居るもんだよ」
オリアス先生、大人だなぁ
「今の俺、格好良かった?」
ニヒッと笑うオリアス先生
「自分で言った時点でカウントされませんよ」
「あははっ」
その夜はとても心地良く、昔を思い出すような穏やかな時間だった