魔入ました
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なんだったんだ、あの悪魔.....
力を込めすぎて、指先からは血が滲んでいる
「帰ろう」
学校を後にし、家路を急ぐ
夕飯は魚にした。
肉を見るとあの苦手な笑顔を思い出してしまうからだ
「うん。大丈夫。ちゃんと美味しい」
食事を終え、風呂に入り、特訓で出来た傷の消毒と絆創膏を貼っていく
今日は、疲れているから直ぐ眠れると思っていた
でも
「ふっ.........」
我慢の限界だった
目から大粒の涙が溢れ出す
怖かった
魔界に来て初めて感じた恐怖
「帰りたい」
背中を丸め、布団の中で自らを抱きしめた
「大丈夫?」
「へ?」
可愛らしい声が聞こえて布団から飛び出した
目の前には小さくて丸い生き物。
魔界には似つかない、白くてふわふわで、黒豆みたいな小さい目がふたつ。
「泣いてるの?」
心配してくれているのか、手に擦り寄ってきた
「あなたも、悪魔?」
「ぼくはこの家の鍵だよ」
鍵って.....
ふと、小指を見る
「この指輪?」
「そう。でも、鍵は指輪じゃなくて僕」
「どうして....」
「僕はね。ずっと待ってたんだ。でもご主人様から持主以外には姿を見せない様にって言いつけを守っていたから」
白いふわふわは私の手のひらに飛び乗った
まるでうさぎみたい
「お名前は?」
「好きに呼んでいいよ」
「.......シロ」
「ふふふ、シロね。わかった」
白いからシロだなんて安易だったかしら....
ネーミングセンスが無いから仕方ない
「シロ、宜しくね」
「宜しくキサ。さぁ、一緒に眠ろう」
シロは枕元に飛び降りた
つられて私も横になる
「大丈夫。この家は僕が認めた人しか入れないから。安心して眠って」
「有難う......」
優しいふわふわのおかげか、
冷たかった足先が温まってきた
この家の中は、大丈夫
ひとりぼっちの魔界で、その言葉がとても嬉しかった
安心したら、思い出した様に昼間の疲れがどっと押し寄せ、布団に溶ける様に眠りに落ちた
「巻き込んでごめんね」
いつかの夢で見たお兄さんの声が聞こえた気がした