空中散歩と落とし穴
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「到着っ!!」
ようやく高台までたどり着く事が出来た
魔界に来たばかりの時は、決して無重力になった訳では無く、単に身体が慣れていなかっただけだった。
おかげで今は何とか裸足でも両足がきちんと地面についてる
はじめに比べると大分慣れたけど、腕と比べてまだまだ不安が残る為、
すぐに足の汚れを払い、ブーツを履く
「お疲れ様でした」
カルエゴ先生はいなくなっていたが、
オペラさんは私以上に軽やかな足取りで高台へ降り立った
「どうぞ、これをお使い下さい」
受け取ったタオルで汗と汚れを拭う
「有難うございます!」
「いざという時は錘を外し、身を守る事。いいですね?」
「わかりました!」
「では、少し遅いですがお昼にしましょう」
まってましたー!オペラさんのお弁当!
レジャーシートを広げ、
お弁当箱の蓋を取ると、
見事なサンドイッチ弁当が姿を現した
「いただきまーす!!!」
オペラさんと2人で絶品サンドイッチを堪能する
オペラさんって家事も料理も本当に完璧だなぁ
.....そしてずっと気になっていたことを聞いてみる
「失礼を承知でお聞きしますが....オペラさんって」
「女性、ですか?」
一時沈黙。
そして驚きの回答。
「どちらでも。キサさんが思う方で宜しいですよ」
「へっ!?いやいやそんな、驚かないので教えて下さいよ!!」
「どちらでも」
あ、これは絶対教えてくれないパターンだ
「ううん。オペラさんは、オペラさん。ですね」
「そうですね」
2人で食後のお茶を啜りながら、うんうんと頷き合うと、なんだか縁側でやり取りしている様でまったりしてしまった。
そうね、誰がどう思おうと、自分は自分だもの
魔界でも人間界でも同じよ
型に嵌めようとする方がナンセンスだわ
「キサさんは、1人で帰れますか?」
食事を終え、オペラさんが立ち上がった
「来る時に道は覚えたので、多分大丈夫です。指輪もありますし、お腹いっぱい食べましたし。それに、」
何かあれば吹っ飛ばします
といいかけて「カルエゴ先生を呼びます」に訂正した
オペラさんは頷くと、足早に学校を後にした
まだお昼と夕方の間。
硬い地面にゴロンと横になる。
「昨日買ったお肉、どう料理しようかなぁ」
空に浮かぶ雲を眺めながら、夕飯の献立を考える
でも、出汁をとるなら魚よねぇ。
お出汁が飲みたい
「やっぱりお魚かしら」
「俺は〜〜お肉が良いなぁ〜〜〜」
空を遮る様に、目の下に3本線があるお兄さんが覗き込んできた
「.....どなたでしょうか」
何だか、怖いこの人....
笑顔だけど、笑ってない
「サリバンが連れてきた女子ってあんた?」
理事長の知り合い?でもそんな雰囲気は無い
「人違いです」
「嘘つくんじゃねぇよ」
雰囲気が変わった
体を起こし警戒体制を取る
「あ〜〜違う違う。今日は確認しにきただけだからぁ〜〜〜」
顎に手を当て学校の方をチラッと見る
「教師が来たら面倒だし、俺帰るわ、あんたならなーんにも問題なさそうだし〜」
でも
「ちょっとだけ...挨拶代わりにね」
男が指先を動かすと
足首が宙に浮いた
無論、私のだ
おそらくこいつの魔術
崖下に落とされそうになり、慌てて指を力一杯地面にめり込ませた
「ヒュー♪」
男は口笛を鳴らすとニヤリと口角を上げた
「そのまま穴に落ちていた方が幸せだったかもしれないよ」
「またな」
そう言い残し、霧の様に消えてしまった