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カリブー
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どどどどうしよう。いや、大丈夫。多分、きっと。
今の今までのあの感じできてるなら見ないようにすれば、やむを得ず目隠しを外したことが伝われば、多分、大丈夫。
いやでも、正直全くの保証もないわけで、素直なところすこぶるびびってしまってるわけで。
悠長にベッドに座るなんてできるわけもなく、椅子の上で体育座りをする。上司からの小言説教待ちをさせられている気分だ…。手も痛いし、血は止まらないし、ここから出るにも無理だろうし、でも、怖いし。誰か助けに来てほしい。
肩を抱えて時間が過ぎるのを待つのは、とても惨めだった。
ギィ、と扉が開く音がする。ついに戻ってきてしまった。
こざっぱりした部屋だ。椅子の上に座り込む私に気が付かないわけもなく、足音はすぐそばまで一直線に来る。肩を持つ指に力が入って食い込むのが痛い。
頭を触られる。もう目隠しが取られてしまっていることには気が付いているだろう。
頭に触れていた手がそのまま髪束を掴みを持ち上げる。痛いとかよりもそれによって目元を見られることの方が恐怖でしかなかった。せめてもの抵抗で両手で目をおおい、謝り倒す。
「ごめんなさい、あの、ごめんなさい…っごめんな、さ」
ここに来てから、まともに認知していたこの人に。
抱き締める腕が温かくて、頭を撫でてくれた、わたしの言葉に返事をしてくれる存在の期待を裏切ってしまっている今が何より怖かった。殺されてしまうかもしれない恐怖なんかよりも誰かとの関わりが消えてしまう恐怖に震えた。
掴みやすくするためだろうか後ろ髪を全て取られて纏められる。きつめに縛られ少し後ろに引かれる感覚があってから手を離された。いまだに退けられずにいる手を取られると目隠しを取り払われ、傷に触れてくる。塞がっていない傷口は当然痛み、手を引きたくなるがそれは鐘の人が許してはくれない。
湿った肉がザラリと傷口を這う。予想外の感覚にただでさえ縮こまっている体がよけいに怯む。ベロリ、ベロリと傷口や回りを合わせて舐められた。
「い…た、っ」
ジクジク痛む傷口は次第に熱を帯びたように感じる。恥ずかしさと緊張と、嫌でも気が取られてしまう手の傷の感覚にどうしたらいいのかわからない。なんだか、大きな犬にじゃれつかれているような、そんな心持ちになる。傷は痛むけれど、恐れていた事は思われてはいないようだと安心する。
舐め回された傷はまた布で縛り直され、頭をポンポンと押される。そのまま大人しくしているとビリッと布を破るような音。…もしかしなくてもそれベッドのシーツではないですか、いいんですか。閉じたままの目にかけられる布は破りたての、糸がとっ散らかったもので、とりあえずはということだろう。
そのあとはまた腕をまとめられて、毎度のごとく抱き枕状態になってしまった。おやすみなさい、鐘の人。
そして、そこまで来てやっと気がついた。
自分のだけではない、もっと沢山の血液の鉄臭さ。わたしに回る腕も、その腕の先にいるこの人も、きっと血にまみれているんじゃないだろうか。この人は、一体何者なのだろう。
今の今までのあの感じできてるなら見ないようにすれば、やむを得ず目隠しを外したことが伝われば、多分、大丈夫。
いやでも、正直全くの保証もないわけで、素直なところすこぶるびびってしまってるわけで。
悠長にベッドに座るなんてできるわけもなく、椅子の上で体育座りをする。上司からの小言説教待ちをさせられている気分だ…。手も痛いし、血は止まらないし、ここから出るにも無理だろうし、でも、怖いし。誰か助けに来てほしい。
肩を抱えて時間が過ぎるのを待つのは、とても惨めだった。
ギィ、と扉が開く音がする。ついに戻ってきてしまった。
こざっぱりした部屋だ。椅子の上に座り込む私に気が付かないわけもなく、足音はすぐそばまで一直線に来る。肩を持つ指に力が入って食い込むのが痛い。
頭を触られる。もう目隠しが取られてしまっていることには気が付いているだろう。
頭に触れていた手がそのまま髪束を掴みを持ち上げる。痛いとかよりもそれによって目元を見られることの方が恐怖でしかなかった。せめてもの抵抗で両手で目をおおい、謝り倒す。
「ごめんなさい、あの、ごめんなさい…っごめんな、さ」
ここに来てから、まともに認知していたこの人に。
抱き締める腕が温かくて、頭を撫でてくれた、わたしの言葉に返事をしてくれる存在の期待を裏切ってしまっている今が何より怖かった。殺されてしまうかもしれない恐怖なんかよりも誰かとの関わりが消えてしまう恐怖に震えた。
掴みやすくするためだろうか後ろ髪を全て取られて纏められる。きつめに縛られ少し後ろに引かれる感覚があってから手を離された。いまだに退けられずにいる手を取られると目隠しを取り払われ、傷に触れてくる。塞がっていない傷口は当然痛み、手を引きたくなるがそれは鐘の人が許してはくれない。
湿った肉がザラリと傷口を這う。予想外の感覚にただでさえ縮こまっている体がよけいに怯む。ベロリ、ベロリと傷口や回りを合わせて舐められた。
「い…た、っ」
ジクジク痛む傷口は次第に熱を帯びたように感じる。恥ずかしさと緊張と、嫌でも気が取られてしまう手の傷の感覚にどうしたらいいのかわからない。なんだか、大きな犬にじゃれつかれているような、そんな心持ちになる。傷は痛むけれど、恐れていた事は思われてはいないようだと安心する。
舐め回された傷はまた布で縛り直され、頭をポンポンと押される。そのまま大人しくしているとビリッと布を破るような音。…もしかしなくてもそれベッドのシーツではないですか、いいんですか。閉じたままの目にかけられる布は破りたての、糸がとっ散らかったもので、とりあえずはということだろう。
そのあとはまた腕をまとめられて、毎度のごとく抱き枕状態になってしまった。おやすみなさい、鐘の人。
そして、そこまで来てやっと気がついた。
自分のだけではない、もっと沢山の血液の鉄臭さ。わたしに回る腕も、その腕の先にいるこの人も、きっと血にまみれているんじゃないだろうか。この人は、一体何者なのだろう。