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カリブー
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生かされてしまっている現状で、また目を覚ます。
相変わらず私をここに置いている存在を目視できたことはないのだけれど、見えてないだけでそこにいたりするのは何となくわかる。
ベッドサイドに置いてある椅子がギシ、と音をたてるのも見えないその人がそこにいることの証明なんだろうなとぼんやり思った。
特に殺されるでも何をされるでもなくそこにいるだけ、すっかり私の敵対心なり対抗心みたいなものはなくなってしまった。
「あの、なんで、私を…」
ここに置いてくれているんですか。聞こうとした私に椅子の方から飛んできたシーツがかぶさり、言葉と視界は遮られる。鐘の音が2回。そのすぐあとにはシーツから抜けようとする私の両腕は容易く取り押さえられてしまった。シーツの向こうから聞こえるのは獣が喉を鳴らすような声、流石に怖くなって動くのをやめた私はそのまま捕まった両腕を布のようなもので後ろ手に結ばれてしまった。俗に言う五体満足で生きてきた身としては手の不自由は恐怖をあおるには十分で、かつ今の私にはシーツで遮られた視界しかない。
動けなくしてどうするつもりなのかと、震える頭を回すが特に考えが出るでもなし、そのまま背後から抱き込まれる。首にでも腕を回して絞め殺してくるのだろうか。今更、死ぬことを怖がったところでだが、それでも自分の意図しない死は望んでいない。
大きく空気を吸っては吐きながら、この後を覚悟する。背後から回された腕は確かに私の体を捉えたけど、確保されたのはお腹。グッと少し引き寄せられるようにして、これは…抱きつかれている?背中全体に密着する体温に思わずドキリとしてしまった。心臓が暴れる原因は何かなんて考えている余裕もないまま時間だけ過ぎる。混乱した私の耳がやっと捉えたのは寝息。
…私は抱き枕かなんかですか。なんて聞けるわけもなく、拍子抜けしてしまった私はその寝息と体温に溶け込むように目を閉じた。シーツのせいでどうせ何も見えないのだ。それで、すぐに眠りにつけるかと言われたらそれは難しい、ようやく睡眠から浮上して意識はしっかりしているのだ。
お腹に回る腕と、頭に響く心音がトクトクと心地いい。姿を知らないこの人も息をしている、それだけでも得たいの知れないものではないと安心できる。
このまま睡魔が来るまで、心音に揺られるのもいいなと思った。
相変わらず私をここに置いている存在を目視できたことはないのだけれど、見えてないだけでそこにいたりするのは何となくわかる。
ベッドサイドに置いてある椅子がギシ、と音をたてるのも見えないその人がそこにいることの証明なんだろうなとぼんやり思った。
特に殺されるでも何をされるでもなくそこにいるだけ、すっかり私の敵対心なり対抗心みたいなものはなくなってしまった。
「あの、なんで、私を…」
ここに置いてくれているんですか。聞こうとした私に椅子の方から飛んできたシーツがかぶさり、言葉と視界は遮られる。鐘の音が2回。そのすぐあとにはシーツから抜けようとする私の両腕は容易く取り押さえられてしまった。シーツの向こうから聞こえるのは獣が喉を鳴らすような声、流石に怖くなって動くのをやめた私はそのまま捕まった両腕を布のようなもので後ろ手に結ばれてしまった。俗に言う五体満足で生きてきた身としては手の不自由は恐怖をあおるには十分で、かつ今の私にはシーツで遮られた視界しかない。
動けなくしてどうするつもりなのかと、震える頭を回すが特に考えが出るでもなし、そのまま背後から抱き込まれる。首にでも腕を回して絞め殺してくるのだろうか。今更、死ぬことを怖がったところでだが、それでも自分の意図しない死は望んでいない。
大きく空気を吸っては吐きながら、この後を覚悟する。背後から回された腕は確かに私の体を捉えたけど、確保されたのはお腹。グッと少し引き寄せられるようにして、これは…抱きつかれている?背中全体に密着する体温に思わずドキリとしてしまった。心臓が暴れる原因は何かなんて考えている余裕もないまま時間だけ過ぎる。混乱した私の耳がやっと捉えたのは寝息。
…私は抱き枕かなんかですか。なんて聞けるわけもなく、拍子抜けしてしまった私はその寝息と体温に溶け込むように目を閉じた。シーツのせいでどうせ何も見えないのだ。それで、すぐに眠りにつけるかと言われたらそれは難しい、ようやく睡眠から浮上して意識はしっかりしているのだ。
お腹に回る腕と、頭に響く心音がトクトクと心地いい。姿を知らないこの人も息をしている、それだけでも得たいの知れないものではないと安心できる。
このまま睡魔が来るまで、心音に揺られるのもいいなと思った。