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カリブー
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レイス視点
その日も普段と変わらない心音と悲鳴が霧に溶け込む儀式。
今日もやって来た四人の生存者を殴って、切りつけて、吊るす。
修理された発電機は3つ、吊るされた3人はオレの目の前に這いずり逃げる男が倒れた辺りで抵抗をやめ、エンティティの糧として薄暗い上空へ連れていかれた。さて、ハッチも開いてしまったがここからは程遠い。この男も吊るして儀式を終らせようと担ぎ上げ手近なフックへ足を運んだ。
の、だが、なんかいる。
女が吊られた状態で抵抗もなく項垂れていた。
このフックは今回の儀式では使った記憶はない。担いでいる生存者以外は儀式からは出ていったはずだ。色々と考えたいところではあったがその間ももがいている男を逃がすわけにもいかず、そこから直近のフックへ引っ掻けた。
エンティティに食われたのを見届けて先程のフックに戻る。他の生存者の時と同じようにフックからエンティティの脚こそ伸びているが女を食う様子もない。
「エンティティ、それどうするんだい?そのままにされるとオレも儀式から帰られないけど、」
聞いてみれば、新しく生存者を現世から連れ込んだはいいが入れ込む儀式の箱庭を間違えたと言う。トラッパーの方の箱庭に投げるつもりだったと、今ごろ向こうは三人でトラッパーと対峙させられているらしい。それはそれで面白いからと儀式は続行、始まった儀式から自ら生存者を抜け出させるのはに儀式が成立しなくなるとかでこの状態らしい。
加えて一回の儀式での生存者を食うのは四人までとおのがポリシーが囁くらしく食えずにいるらしい。逃げようともしない生存者に困り果てる殺人鬼と女王のなんと滑稽なことか。
「…え、これオレが持って帰るの?」
戦利品として持ち帰ることにすれば箱庭から出る条件は満たせると言うエンティティに早く帰りたさだけが勝ったオレはしょうがないと引き受けることにした。とにかくやることをやったのに帰れないのが面倒だった。
フックから引き抜けば「う」と声が上がるが顔をあげる様子もないのでそのまま担いで濃くなる霧にのまれる。霧がはければ自分の家がそこに見える。箱庭から出て傷が引いたのか肩口で聞こえる呼吸が少し落ち着いたものになった。
早々に家に入り、ベッドに落ちる。戦利品についてはまた起きてから考えるのでいいだろう、ちょうどいい今はこれを抱き枕にでもしてしまおうか。
女特有の柔らかさと高めの体温が妙に心地よく、そのまま眠りに落ちた。
内容なんて覚えてない。随分、いい夢に揺られていた気がする。腕の中の温もりが、今もまだそこにあるからか。
思い付きで抱き枕に、なんてしてみたがこれが案外はまるんじゃなかろうか、それならもっとちゃんと抱き枕にしてあげないといけない。一度家を空け、まだ綺麗な布を貰いにいこう。前回の儀式は四人吊るせているし、女王様もそれくらいの融通効かせてくれるだろ?
布を手に家に戻ると扉の奥、しっかりと気配を感じる…起きてる。逃げたりするようではないが、鐘を2回鳴らしてから扉を開ける。
不思議そうにこちらを見てくるが、微妙に視線がずれている。見えているわけでもないから当然なんだけど。ひたすらに扉を凝視する様は幼子みたいで、思わず指を伸ばしてその頭を、髪を少しすくようになぜてやった。
見えてないから当然なんだろうけど、ポカンとボクから少しずれたところを見つめる様は少し、僅かに愛らしいものに見えた。
まぁ可愛げは無いより有った方が、なんて一人ごちながら一旦家から出る。
非力を体現したかのようなものが、見えない知覚を揺さぶられるべきなのに、あそこまで呆けられてしまうとどうも毒気を抜かれてしまうし、ちゃんと抱き枕にするのはまた戻ってきたときにとっておこう。
その日も普段と変わらない心音と悲鳴が霧に溶け込む儀式。
今日もやって来た四人の生存者を殴って、切りつけて、吊るす。
修理された発電機は3つ、吊るされた3人はオレの目の前に這いずり逃げる男が倒れた辺りで抵抗をやめ、エンティティの糧として薄暗い上空へ連れていかれた。さて、ハッチも開いてしまったがここからは程遠い。この男も吊るして儀式を終らせようと担ぎ上げ手近なフックへ足を運んだ。
の、だが、なんかいる。
女が吊られた状態で抵抗もなく項垂れていた。
このフックは今回の儀式では使った記憶はない。担いでいる生存者以外は儀式からは出ていったはずだ。色々と考えたいところではあったがその間ももがいている男を逃がすわけにもいかず、そこから直近のフックへ引っ掻けた。
エンティティに食われたのを見届けて先程のフックに戻る。他の生存者の時と同じようにフックからエンティティの脚こそ伸びているが女を食う様子もない。
「エンティティ、それどうするんだい?そのままにされるとオレも儀式から帰られないけど、」
聞いてみれば、新しく生存者を現世から連れ込んだはいいが入れ込む儀式の箱庭を間違えたと言う。トラッパーの方の箱庭に投げるつもりだったと、今ごろ向こうは三人でトラッパーと対峙させられているらしい。それはそれで面白いからと儀式は続行、始まった儀式から自ら生存者を抜け出させるのはに儀式が成立しなくなるとかでこの状態らしい。
加えて一回の儀式での生存者を食うのは四人までとおのがポリシーが囁くらしく食えずにいるらしい。逃げようともしない生存者に困り果てる殺人鬼と女王のなんと滑稽なことか。
「…え、これオレが持って帰るの?」
戦利品として持ち帰ることにすれば箱庭から出る条件は満たせると言うエンティティに早く帰りたさだけが勝ったオレはしょうがないと引き受けることにした。とにかくやることをやったのに帰れないのが面倒だった。
フックから引き抜けば「う」と声が上がるが顔をあげる様子もないのでそのまま担いで濃くなる霧にのまれる。霧がはければ自分の家がそこに見える。箱庭から出て傷が引いたのか肩口で聞こえる呼吸が少し落ち着いたものになった。
早々に家に入り、ベッドに落ちる。戦利品についてはまた起きてから考えるのでいいだろう、ちょうどいい今はこれを抱き枕にでもしてしまおうか。
女特有の柔らかさと高めの体温が妙に心地よく、そのまま眠りに落ちた。
内容なんて覚えてない。随分、いい夢に揺られていた気がする。腕の中の温もりが、今もまだそこにあるからか。
思い付きで抱き枕に、なんてしてみたがこれが案外はまるんじゃなかろうか、それならもっとちゃんと抱き枕にしてあげないといけない。一度家を空け、まだ綺麗な布を貰いにいこう。前回の儀式は四人吊るせているし、女王様もそれくらいの融通効かせてくれるだろ?
布を手に家に戻ると扉の奥、しっかりと気配を感じる…起きてる。逃げたりするようではないが、鐘を2回鳴らしてから扉を開ける。
不思議そうにこちらを見てくるが、微妙に視線がずれている。見えているわけでもないから当然なんだけど。ひたすらに扉を凝視する様は幼子みたいで、思わず指を伸ばしてその頭を、髪を少しすくようになぜてやった。
見えてないから当然なんだろうけど、ポカンとボクから少しずれたところを見つめる様は少し、僅かに愛らしいものに見えた。
まぁ可愛げは無いより有った方が、なんて一人ごちながら一旦家から出る。
非力を体現したかのようなものが、見えない知覚を揺さぶられるべきなのに、あそこまで呆けられてしまうとどうも毒気を抜かれてしまうし、ちゃんと抱き枕にするのはまた戻ってきたときにとっておこう。