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カリブー
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疲れた。
私はもう疲れてしまったんだ。
息の詰まるばかりの、魅力も期待も生き甲斐なんて感じられるわけがない今の生活に。
目に映るものは皆灰色で、代わり映えがない。
だからといって私にこの生活を打破する術があるかと言われたら答えは否。時間も金も足りない、この生活を維持するのでさえ手一杯でどう切り抜けろというのか。
だから、今日はもう
「死んでしまうのがいいと思います」
誰にいう訳じゃない、自分に言い聞かせるために、変に揺らいでしまうことがないよう念押しのために呟いた。
本当ならそろそろ勤め先の最寄りに電車が到着する頃だろうか、それまでの時間でなら紐の調達も軽くまとめて縄にする時間くらいはできた。
とりあえず完成した縄を持って脚立に上る。天井灯をどかせば丈夫そうに見える接続具が見えた、それに縄をかけ輪にしておいた方を顎から通す。
そこからの行動もスムーズなもので縄の引っ掛かりを確認し終えれば脚立を蹴り飛ばす。一瞬の浮遊感と、直後迫る圧迫感。
視界が白み始める。足元の方にあった携帯がやかましく鳴り始めたかもしれないがもう私には関係のないことだ。
あとは静かに私が終わるのを待とう。
さよなら、さよなら
視界は霧に包まれたかのように霞み、そして意識は千切られた。
千切れた意識はもう二度と繋がらないはずだった。
私はもう死んだのだ。自分で、自分の意思で、この首に手をかけて。なのに今一番意識が向くこの鎖骨下の、激痛は。
「………ッ?!」
足元の浮遊感は変わらない。痛みの根元に突き刺さった何かに吊るされているのはわかった。意識が戻るまでに傷口から大量の血が出たのだろう、戻ったとはいえ頭も、目ももやがかかったかのように虚ろに感じとるだけだった。
浅く息をつきながら予定外の二回目の死を受け入れようと目を閉じた。どうせ開けたところでろくになにも見えないのだ、見たところで何もならない。
プツリ。途切れる直前に鐘の音と、誰かの話し声が聞こえた気がした。
私はもう疲れてしまったんだ。
息の詰まるばかりの、魅力も期待も生き甲斐なんて感じられるわけがない今の生活に。
目に映るものは皆灰色で、代わり映えがない。
だからといって私にこの生活を打破する術があるかと言われたら答えは否。時間も金も足りない、この生活を維持するのでさえ手一杯でどう切り抜けろというのか。
だから、今日はもう
「死んでしまうのがいいと思います」
誰にいう訳じゃない、自分に言い聞かせるために、変に揺らいでしまうことがないよう念押しのために呟いた。
本当ならそろそろ勤め先の最寄りに電車が到着する頃だろうか、それまでの時間でなら紐の調達も軽くまとめて縄にする時間くらいはできた。
とりあえず完成した縄を持って脚立に上る。天井灯をどかせば丈夫そうに見える接続具が見えた、それに縄をかけ輪にしておいた方を顎から通す。
そこからの行動もスムーズなもので縄の引っ掛かりを確認し終えれば脚立を蹴り飛ばす。一瞬の浮遊感と、直後迫る圧迫感。
視界が白み始める。足元の方にあった携帯がやかましく鳴り始めたかもしれないがもう私には関係のないことだ。
あとは静かに私が終わるのを待とう。
さよなら、さよなら
視界は霧に包まれたかのように霞み、そして意識は千切られた。
千切れた意識はもう二度と繋がらないはずだった。
私はもう死んだのだ。自分で、自分の意思で、この首に手をかけて。なのに今一番意識が向くこの鎖骨下の、激痛は。
「………ッ?!」
足元の浮遊感は変わらない。痛みの根元に突き刺さった何かに吊るされているのはわかった。意識が戻るまでに傷口から大量の血が出たのだろう、戻ったとはいえ頭も、目ももやがかかったかのように虚ろに感じとるだけだった。
浅く息をつきながら予定外の二回目の死を受け入れようと目を閉じた。どうせ開けたところでろくになにも見えないのだ、見たところで何もならない。
プツリ。途切れる直前に鐘の音と、誰かの話し声が聞こえた気がした。
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