蝶ノ光
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――3年B組の教室。
始業式が終わり、転校生お決まりの自己紹介の時間。
私は黒板の前に立ち、自分の名前を書いた。
「青学から転校してきました、白石時雨です。よろしくお願いします」
「みんな今日から仲良くしろよ。よし、白石は水澤の隣に座ってくれ」
担任に促され、自分の席へ向かう。指定された席は、窓側の一番後ろの位置だった。
席に座り、辺りをゆっくり見渡す。左は窓、右は女の子、前方は――
なんと、朝ぶつかった銀髪の彼だった。記憶が正しければ、この男はラケットバッグを背負い、テニスボールを握っていたはず。
よりによって、なぜテニス部の近くなんだ、と頭を抱えた。
その銀髪の彼はというと、夢の中のようだった。先ほどから両手を枕にして、机に突っ伏している。
「ねぇねぇ、白石さん!」
前方に意識を集中していると、右側からソプラノの明るい声が聞こえてきた。
「私は水澤百合。白石さんのこと、名前で呼んでもいい?」
「うん、いいよ。えーと……、水澤さん」
「百合でいいって! あっ、そうだ!」
百合は何か閃いたようで、前の人の背中をつついた。
「ん、なんだ?」
その人はHR中であるにも関わらず、ガムを膨らませていた。
「ブン太も自己紹介したら?」
「そうだな」
ガムを一旦しぼませ、私のほうへ体を向ける。そして、衝撃的なことを言った。
「立海テニス部3年、丸井ブン太! シクヨロ!」
私は軽いめまいを覚えた。
どうやら静かに過ごすのは無理そうである。
「よろしくね、丸井くん」
「おう、ブン太って呼んでくれぃ!」
これがボレーのスペシャリスト、丸井ブン太との出会い。
始業式が終わり、転校生お決まりの自己紹介の時間。
私は黒板の前に立ち、自分の名前を書いた。
「青学から転校してきました、白石時雨です。よろしくお願いします」
「みんな今日から仲良くしろよ。よし、白石は水澤の隣に座ってくれ」
担任に促され、自分の席へ向かう。指定された席は、窓側の一番後ろの位置だった。
席に座り、辺りをゆっくり見渡す。左は窓、右は女の子、前方は――
なんと、朝ぶつかった銀髪の彼だった。記憶が正しければ、この男はラケットバッグを背負い、テニスボールを握っていたはず。
よりによって、なぜテニス部の近くなんだ、と頭を抱えた。
その銀髪の彼はというと、夢の中のようだった。先ほどから両手を枕にして、机に突っ伏している。
「ねぇねぇ、白石さん!」
前方に意識を集中していると、右側からソプラノの明るい声が聞こえてきた。
「私は水澤百合。白石さんのこと、名前で呼んでもいい?」
「うん、いいよ。えーと……、水澤さん」
「百合でいいって! あっ、そうだ!」
百合は何か閃いたようで、前の人の背中をつついた。
「ん、なんだ?」
その人はHR中であるにも関わらず、ガムを膨らませていた。
「ブン太も自己紹介したら?」
「そうだな」
ガムを一旦しぼませ、私のほうへ体を向ける。そして、衝撃的なことを言った。
「立海テニス部3年、丸井ブン太! シクヨロ!」
私は軽いめまいを覚えた。
どうやら静かに過ごすのは無理そうである。
「よろしくね、丸井くん」
「おう、ブン太って呼んでくれぃ!」
これがボレーのスペシャリスト、丸井ブン太との出会い。