蝶ノ光
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四月になり、桜の花びらが舞う中、私は新しく通う学校――立海大附属中学の校門をくぐった。
今日は始業式である。
自分の教室に向かうため昇降口を目指して歩いていると、視界の端にラケットバッグを背負う生徒たちが見えた。
「ふぁ~、朝早いのはやっぱり辛いッス」
「シャキッとせんか、赤也!」
「ひぇ――!!」
「そういう弦一郎も、今日のクラス替えが楽しみで眠れなかった確率95%」
「へぇ、真田にもそういう可愛いところがあったんだね」
「む。そういう幸村はどうなのだ?」
「うーん、転校生が現れたとかそのくらいインパクトがないとね……」
顔はよく見えないが、早速テニス部と思われる人たちと遭遇してしまい、私は憂鬱になった。
リョーマにはテニスを続けたいと言ったが、まだ気持ちの整理ができてないこともあり、テニス部には関わりたくなかった。
「もう面倒なことに巻き込まれるのは散々だしなぁ……」
極力テニス部と関わらないようにするにはどうすればいいか。
そんなことを考えていたせいか、私は気づかなかった。前方から人が迫っていることに。
当然避ける余裕もなく、ぶつかった。
「……いてて」
思ったより衝撃が大きく、尻餅をついてしまった。
「お前さん、大丈夫か? すまなかったナリ」
そう言ってぶつかった相手は私の手をひき、あっという間に立たせた。
立ち上がらせるとき腕が震えていなかったから、日頃から鍛えているのだろう。
「い、いえ。こちらこそ考え事していたので……」
制服についた砂を払い、顔を上げると銀髪の男がいた。左手にはテニスボールを握っているのが見える。
「ケガはなさそうじゃな。俺は用事があるんでな、じゃあの」
そう言って銀髪の彼は、先ほど見たテニス部らしき人たちのもとへとスタスタ歩いていった。
彼らもラケットバッグを背負っていたし、同じ部活に所属しているのだろう。テニス部に関わり合いのありそうな人はならば、要注意人物だ。
リョーマには悪いが、男子テニス部とは距離を置こうと決意するのであった。
これがコート上の詐欺師、仁王雅治との出会い。
今日は始業式である。
自分の教室に向かうため昇降口を目指して歩いていると、視界の端にラケットバッグを背負う生徒たちが見えた。
「ふぁ~、朝早いのはやっぱり辛いッス」
「シャキッとせんか、赤也!」
「ひぇ――!!」
「そういう弦一郎も、今日のクラス替えが楽しみで眠れなかった確率95%」
「へぇ、真田にもそういう可愛いところがあったんだね」
「む。そういう幸村はどうなのだ?」
「うーん、転校生が現れたとかそのくらいインパクトがないとね……」
顔はよく見えないが、早速テニス部と思われる人たちと遭遇してしまい、私は憂鬱になった。
リョーマにはテニスを続けたいと言ったが、まだ気持ちの整理ができてないこともあり、テニス部には関わりたくなかった。
「もう面倒なことに巻き込まれるのは散々だしなぁ……」
極力テニス部と関わらないようにするにはどうすればいいか。
そんなことを考えていたせいか、私は気づかなかった。前方から人が迫っていることに。
当然避ける余裕もなく、ぶつかった。
「……いてて」
思ったより衝撃が大きく、尻餅をついてしまった。
「お前さん、大丈夫か? すまなかったナリ」
そう言ってぶつかった相手は私の手をひき、あっという間に立たせた。
立ち上がらせるとき腕が震えていなかったから、日頃から鍛えているのだろう。
「い、いえ。こちらこそ考え事していたので……」
制服についた砂を払い、顔を上げると銀髪の男がいた。左手にはテニスボールを握っているのが見える。
「ケガはなさそうじゃな。俺は用事があるんでな、じゃあの」
そう言って銀髪の彼は、先ほど見たテニス部らしき人たちのもとへとスタスタ歩いていった。
彼らもラケットバッグを背負っていたし、同じ部活に所属しているのだろう。テニス部に関わり合いのありそうな人はならば、要注意人物だ。
リョーマには悪いが、男子テニス部とは距離を置こうと決意するのであった。
これがコート上の詐欺師、仁王雅治との出会い。