蝶ノ光
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満月の夜のことだった。
既に日は落ち、公園は静まり返っていた。
「時雨、なんでテニス部マネージャー辞めたの? テニスが嫌になった?」
白い帽子をかぶった少年が言った。
少年の瞳には、黒髪の少女の後ろ姿が映っている。
「別にテニスが嫌いになったわけじゃない。ただ、あの場所にいれなくなっただけ……。それにね、リョーマ。私、転校することになったの」
少年、――リョーマが息を飲む。
視線をゆっくり地面に落とし、ぎゅっと手を握り締めた。
「っ……。俺、時雨がマネージャーだからテニス部入るの楽しみにしてたのに……」
「ごめんね。お父さんが転勤になったんだ。でも神奈川だから会えなくはないよ」
「……テニスは続けるの?」
「まだ分からない。でもね……」
そこで時雨はリョーマのほうへ振り返った。
「!」
時雨の頬には涙が伝っていた。
リョーマは知らなかった。彼女が学校で何があったのかを。
「出来れば続けようと思う。みんなとテニスするの好きだから」
時雨の声は、かすれていた。
微笑んでいたが、リョーマには無理をしているように見えて辛かった。
「だからまた会える日までさようなら、リョーマ」
「時雨……!」
時雨は身を翻し、走っていった。
月の光が彼女を照らしていたが、すぐに見えなくなってしまった。
ニ人、いや青学テニス部のメンバーと時雨が再会するのは、少し先のことである。
既に日は落ち、公園は静まり返っていた。
「時雨、なんでテニス部マネージャー辞めたの? テニスが嫌になった?」
白い帽子をかぶった少年が言った。
少年の瞳には、黒髪の少女の後ろ姿が映っている。
「別にテニスが嫌いになったわけじゃない。ただ、あの場所にいれなくなっただけ……。それにね、リョーマ。私、転校することになったの」
少年、――リョーマが息を飲む。
視線をゆっくり地面に落とし、ぎゅっと手を握り締めた。
「っ……。俺、時雨がマネージャーだからテニス部入るの楽しみにしてたのに……」
「ごめんね。お父さんが転勤になったんだ。でも神奈川だから会えなくはないよ」
「……テニスは続けるの?」
「まだ分からない。でもね……」
そこで時雨はリョーマのほうへ振り返った。
「!」
時雨の頬には涙が伝っていた。
リョーマは知らなかった。彼女が学校で何があったのかを。
「出来れば続けようと思う。みんなとテニスするの好きだから」
時雨の声は、かすれていた。
微笑んでいたが、リョーマには無理をしているように見えて辛かった。
「だからまた会える日までさようなら、リョーマ」
「時雨……!」
時雨は身を翻し、走っていった。
月の光が彼女を照らしていたが、すぐに見えなくなってしまった。
ニ人、いや青学テニス部のメンバーと時雨が再会するのは、少し先のことである。