青の結晶
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※カイトさんがハルトくんに導かれてトロンの城に訪れた辺りの話
コツコツと足音が城内に反響した。
カイトは音のする方に顔を向けると、見覚えのあるシルエットに息をのんだ。そのまま目を凝らしていると、姿を現したのは今しがた探していた女性。
隣には、彼女の兄であるVもいた。
「……っ、ナーシャ!! なぜここにいる? 今までどこにいた!?」
「ナーシャ? 私の名前はⅡよ」
恐ろしいほど冷たい声。瞳には光が宿っておらず、カイトに興味を示さない。まるで、カイトのことを覚えていないかのようだった。
「残念ながら今のナーシャ……いや、Ⅱはトロンの復讐の駒と化している。お前の言葉など届きやしない」
「V、どういうことだ!?」
「……本当は私たち兄弟もナーシャを復讐劇に巻き込みたくなかった。だが、トロンの命令は絶対だ。彼女は復讐することを拒んだが、紋章の力により記憶は書き換えられた。それゆえ、お前との思い出はなくなり、フェイカーへの憎しみしか残っていない」
カイトは衝撃を受け、絶望した。
ナーシャに再会したら「おかえり」と言って、この腕で優しく抱きしめるつもりだったのに。傍にいない間にトロンの操り人形となっていたとは。
「Ⅱ、この男はトロンの復讐の妨げとなる者。この男――カイトを倒すんだ。私はトロンのもとへ戻る」
「はい、V兄様」
言葉とは裏腹に、Vの目は悲しげに伏せられている。ナーシャがトロンによって以前とは別人のようになってしまい、心を痛めているのだろう。
Vは紋章の力で異空間を出現させ、空間に吸い込まれていく。完全に消える直前、カイトの方へ振り向き、『あとは任せた。ナーシャの心を必ず取り戻してくれ』と託しているように見えた。
「カイトと言ったわね。あなたがトロンの邪魔をするなら排除する! デュエルよ!」
Ⅱの目は敵意と憎悪に満ちていた。今のⅡには何を言っても無駄であろう。
「……いいだろう。俺の言葉が届かないなら、この想いを全力でぶつけるまで。たとえ忘れていようと、ナーシャ、お前の心を取り戻してみせる! さぁ、勝負だ!!」
「「デュエル!!」」
二人の声が城内に轟いた。
コツコツと足音が城内に反響した。
カイトは音のする方に顔を向けると、見覚えのあるシルエットに息をのんだ。そのまま目を凝らしていると、姿を現したのは今しがた探していた女性。
隣には、彼女の兄であるVもいた。
「……っ、ナーシャ!! なぜここにいる? 今までどこにいた!?」
「ナーシャ? 私の名前はⅡよ」
恐ろしいほど冷たい声。瞳には光が宿っておらず、カイトに興味を示さない。まるで、カイトのことを覚えていないかのようだった。
「残念ながら今のナーシャ……いや、Ⅱはトロンの復讐の駒と化している。お前の言葉など届きやしない」
「V、どういうことだ!?」
「……本当は私たち兄弟もナーシャを復讐劇に巻き込みたくなかった。だが、トロンの命令は絶対だ。彼女は復讐することを拒んだが、紋章の力により記憶は書き換えられた。それゆえ、お前との思い出はなくなり、フェイカーへの憎しみしか残っていない」
カイトは衝撃を受け、絶望した。
ナーシャに再会したら「おかえり」と言って、この腕で優しく抱きしめるつもりだったのに。傍にいない間にトロンの操り人形となっていたとは。
「Ⅱ、この男はトロンの復讐の妨げとなる者。この男――カイトを倒すんだ。私はトロンのもとへ戻る」
「はい、V兄様」
言葉とは裏腹に、Vの目は悲しげに伏せられている。ナーシャがトロンによって以前とは別人のようになってしまい、心を痛めているのだろう。
Vは紋章の力で異空間を出現させ、空間に吸い込まれていく。完全に消える直前、カイトの方へ振り向き、『あとは任せた。ナーシャの心を必ず取り戻してくれ』と託しているように見えた。
「カイトと言ったわね。あなたがトロンの邪魔をするなら排除する! デュエルよ!」
Ⅱの目は敵意と憎悪に満ちていた。今のⅡには何を言っても無駄であろう。
「……いいだろう。俺の言葉が届かないなら、この想いを全力でぶつけるまで。たとえ忘れていようと、ナーシャ、お前の心を取り戻してみせる! さぁ、勝負だ!!」
「「デュエル!!」」
二人の声が城内に轟いた。