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創作 短編集

「ジキル」
「アぁ?なんだヨ、ハイド」
「太りましたね」
「なっ、なななっなわけあルかよ!」
「ほう?その根拠を教えていただけますか?ジキル」
「根拠もなニモ。ほ、ほら?おレサマの見た目前とかワンねぇだロ?」
「幻惑魔術で誤魔化してたって、そうはいきません」
「ば、バレたか」
「あたりまえです。そもそも『和食ってうメェな!』とか言いながら馬鹿みたいに食べるのがいけないんです」
「いや、だっテヨ?和食ってへるし…ぃ…」
「いいですか。餅は、太ります。むちゃくちゃ太ります」
「まじカヨ……」
「まじです。というか、魔術やら研究やらでお腹空くのはわかりますよ?それにしてもお餅を散々食べていれば太りますよ……」
「まぁ、食わナキャやせル」
「そんなの認められるわけないでしょう」
「は?ンじゃお前、どうやっテ痩せろト」
「なにいってんですか。運動に決まってるじゃないですか」
「……よシ。今日から断食するゼ!」
「はぁあぁああああ……野猿のお嬢様だった頃のあなたはどこに行ったのやら」
「魔術が便利スぎるのがイケナい」
「気持ちは分かりますがダメです」
「そもそモだ、なンデ痩せなキャなランのか」
「もちろん、少しくらいなら文句も言いませんでしたよ。元からジキルは細い方でしたし」
「じゃア……」
「けどですね?動きやすいとか理由つけて、それだけ露出の高い服を着ている以上はある程度引き締めて欲しいですね。いやならローブ着てください、ローブ」
「動きにクイしヤなこっタ」
「なら運動しなさい。体重落とせとかは言いませんよ?今までが細すぎでしたし」
「ならイイじゃねェか」
「運動不足で!なまりきった体を動かして引き締めなさいと言っているんです!!」
「へぇへェ」
「ちゃんと出会った時みたいにまともに動けるように運動してください。私はそのあいだ、皆さんから美味しい和食の作り方教えてもらうので」
「なんダ!作っテくれルノか!!」
「きちんと健康な体作りができたら、です。ですから体に悪い鍛え方とかもダメですよ」
「悔しイガ、ハイドのめシハ美味い。そんナハイドの和食ガかかっテいるとなルト、やるシカねぇナ」
「やめてください、照れます!……全く。じゃあ、頑張ってくださいね。美味しい和食作れるようにして待ってます」
「あァ、まかセロ」
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