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創作 短編集

「ア?そんナ顔しテどウシたヨ、コウモリの嬢チャん」
「ジキルさん!いやぁ……どうにもこれがうまく発動しないんっス。やっぱり私魔術の才能ないんスかね?」
「んーーーーー……?あぁ、多分こコが間違ってんだヨ。見たコとねぇ陣だガ、この文字ハ本来対ニナるやつだかラナ」
「博識なのね、驚いたわ」
「まァ、そこそコやっテハいるつもりサ」
「でも、いいの……これは間違ったままで」
「……よクは知らねェが、コウモリの嬢チャんはこれが完成スルのを望ンでんだロ?いいのカヨ。見知らヌだれかさンヨ」
「あら、僕がリリアックじゃない事に気づいていたの?」
「アレだけ口調かわッテタらそりゃナ」
「何も言わないから気づいてないのかと思ったわ」
「ふン、で?アんたハ一体だれだヨ」
「僕?僕はこの子の主よ。元、だけどね」
「アー。そう言えバコいつ使い魔だっタとか言ってたナ?だがヨ、コイツの主人は死んだって聞イたゼ」
「ま、色々あってね。あぁそうだ、知られてしまったのだし貴方に頼みましょうか」
「何ヲだ?めんどクさいのはお断りダガ、面白いコとなら協力すルゼ」
「この子がやろうとしてるのは、僕を生き返らせようとする魔術なんです。貴方には、この子が魔術を完成させないよう……そして、出来れば諦めさせて頂きたいの」
「理由ヲ聞いテモ?」
「僕は、この子に……この子自身の人生を歩んでほしいのよ。もう生きてはいない主人のことなんて忘れて、ね」
「ふぅン?いいゼ。おレさまの勘が協力したホうが面白イって言ってるシナ」
「助かります。あっ、僕の事はくれぐれも…」
「内密に、口外はするな。だろ?言われなくても分かってるっつの」
「……驚きました、貴方ちゃんとした口調で話せるのね」
「こっチが素だけどナ!ああヤって言ったほうウガ信頼できルだろ?」
「呆れた人ね。それじゃ……僕はそろそろまたこの子の中で眠る事にするわ。最後に、貴方の名前を伺っても?」
「ジキル・シーカー。陽気に笑っテ何かを追い求め続けてる魔女サ」
「そ、僕はヴラド。ヴラド・ウィッチクラフト。黄金の夜明け団で禁忌に触れた魔術よ。じゃ、さよなら。ジキルちゃん」
「……おレサまにちゃんとカ……」
「……はっ!ジキルさん!?すみませんっス!ぼーっとしてて聴き逃したみたいっス……」
「あ?いいケドよ。どこマで聞いテタ?」
「ジキルさんがここの文字指差した辺りっス」
「はイはい。えっトナ?ここノ文字までは合ってンだけド、この先がまともニ機能してネぇんだヨ」
「そうなんスか!?ありがとうっス!」
「魔術に手をダす奴ガここハ少ねぇかラナ。イイってことヨ。ま、頑張れヨ」


「頑張るっスよ」
「……また、ご主人と会いたいっスから」
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